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Summer visit  作者: スカフィ
12/50

011⇒あかりの『報』告


━学校━



「二人に話しておきたい事があんの…」


あかりが突然、真顔で言う。


「急にどうしたの?あかり…」


「そうよ…」


あかりは、一呼吸して片手を上げ、


「実は…あたし…ナオキくんに告白しまぁーす!」


わたしと琴美は顔を合わせ


「…って事はまだ?」


「まだに決まってんじゃない!あたし、そこまで積極的じゃないよ〜!」


「けっこう積極的だと思うよ…」


「うんうん。」


「…嘘…、ホント?」


「ほんと(ホント)」


「もうー!二人で声揃えて言わないでよ!」


あかりは顔を真っ赤にして照れていた。


「ーでいつ?」


「…今日、部活が終わったら会う約束したの…

だからそん時に…みたいな?あははは〜」


わたしはあかりの肩を掴み


「そうか…がんばれよ!あかり!」


「応援してね!ナツキ…!」


「なぁんか、こっちまでドキドキ…」


「琴美も協力してね!」


あかりの異常なテンションにつられ、わたし達三人はその話で盛り上がる。


恋かぁ…。


考えたらわたしはまだホントに人を好きになった事ない気がする…。

わたしにもイイ人が現れるのだろうか…?

正直、人を好きになれるあかりが少し羨ましかった…。



その夜、わたしは部屋で色々考え事した。


女の人の霊や最近の母の様子、ナオキくんとの出会いなど…。

なんだか疲れる事ばかり…。

まあ、ナオキくんという男の人と友達になれた事はいい事として…。


「はあ…」


窓からの風でカーテンが少しゆれていた。


うふふふ…。


後ろから笑い声がする。


わたしは振り向いた…。

そこにはあの人が立っていた。


うふふふ。



顔は髪でよく見えないが、確かに口は笑っていた。

笑いで肩が上下に揺れている。


「…ねぇ…どうしたらわたしを許してくれるの?」


わたしは冷静にその人に問い掛けた…。


いひひひ…。


「もうやめてよ!」


すると女の人は笑いながらベットの下へ潜り込んでそのまま消えた…。


「もう…何なのよ!」


突然、携帯が鳴った。


「…あかりからだ」

ピッ。

「もしもしー!あかりどうだった?告白したの…?」

『……うん…』

「ーで?」

『OKだって!あたし達付き合うことになったよ!』

「…ほんと!?良かったじゃん!」

『うん!詳しい事は明日ね!』

「わかった。わざわざありがと。」


ピッ


電話を切り、ふと後ろを向くと母が立っていた…。


「ねえ、ナツキ…。アンタ誰と話してたの?」


「え…!?誰って…今…電話してただけだよ…」


「違う…その前の事よ…あんた、この頃独り言多くない?

母さんあんたが誰かと話してる声、時々聞くよ…」


「…あ!最近、激しいの…独り言…」


「ねえ…あんた…何か見えるのかい?」


「何かって…?」


「だから普通の人には見えない何かを…」


「……幽霊とか?」


「幽霊?」


「あ!だから例えばの話よ!」


わたしはドキッとしつつも冷静を装っていた。


「あんた…見えるのかい?」


「あ…いや…」


「……正直に言ってごらん?」


「それより母さんも正直に言ってよ!その顔のアザはどうしてできたのよ!」


「………だから言ったじゃない。ぶつけたのよ…」


「嘘よっ!何で隠すわけぇ!?」


「…もう、いいわ。これ以上何も聞かない。早く寝るのよ…」


…バタン…。


そういって母は下の階に下りて行った…。


「もう!何を隠してるの…」



翌朝、目覚めて部屋から出れば母の顔は更に赤く腫れていた…。


「母さん?ホントに大丈夫なの…?」


「……いいから、母さんに触らないで…さっさと学校に行きなさい!」


「…う・うん」




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