魔王さまと赤い石
更新遅くなってすみませんでした。
「父さんここに魔王がいるよ、怖い怖い魔王がここにいるよ」
「大丈夫だよあれはただの老木だよ」
「違うよ僕を迎えに来た魔王だよ」
「...」
「...」
ルイトは自分世界に入っていた。
1人でブツブツ言ったかと思うといきなり叫びだ。
そんな人間を魔族は可愛そうな目で見ている。
内心このまま帰ってあげたほうがいいのかと思った。
まぁそのほうがルイトにとって喜ばしいが。
「そろそろ落ち着かぬか」
部屋の中が一瞬白くなるぐらいの光が満たし、ルイトの体が痺れ始めた。
ルイトは声も出ない。
そして光が収まりルイトの体から煙があがった。
「魔王さまダメですよ。無暗に人間を攻撃しては」
「だがあのままじゃ話が進まんであろう」
「まぁそうですが」
ルイトはさっきの電気ショックで倒れているが辛うじて生きてた。
ピクピクとしているが多分生きている。
「死んでしまいますよ?」
「加減がむずいのだな」
「ほどほにして下さいね」
「うむ、この人間が死んでしまったら意味がないな」
「勝手に決めんなよ!!」
ルイトは勢いよく起き上がった。
少し肌が焼けているが手足はちゃんと動く。
「やはり丈夫ですね」
「もう少し強めでも大丈夫そうだな」
「...俺、泣きそう」
「俺と生活するなら魔力を使うな!!それが守れないならこの依頼は断らせてもらう」
この国の人間はほとんど魔力がない。だから人間と暮らすにはその膨大な魔力は必要ないのだ。
魔族領から近いこの地域は魔族との蟠りは少ないがやっぱりこいつの魔力は危険だ。
なにより俺が危険だ。
「魔力は必要ないのか?」
「普通に暮らす分には必要ない」
なにがいけないのか考えている魔王さまだがここはきっちり教えとかないと俺の命に係わる。
いつ家(俺)が壊されるかわからない。
「あ!!そうだ!!そうだ、ちょうどいいのがあったから少し待ってな」
そういいルイトは部屋を出て行った。
しばらくして帰って来たルイトの手には小さな箱があった。
「これは貴重なんだぞ」
ルイトは嬉しそうに説明しはじめた。
箱の中には綺麗な石がはまったチョーカーだった。
赤い石がキラキラと光っている。
「この石はたぶんこの世にこれだけだと思うぞ」
そんな貴重なものなのか。
確かにその石はどこまでも赤く血のような色をしている。
「この石は魔力を吸う魔石だ」
ルイトは満面の笑みで魔王を見た。