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小さな魔王さま  作者: maria77
第2章  
15/17

魔王さまと勇者の剣

放置ぎみでいた。



「なんだコレは?」



家の外にある井戸に向う途中なにか光るものがあった。



近づくとそれは赤い石がはめられた剣だ。

無造作に草の中にあった。



赤い石に銀の飾りがついた剣。

刀身はミスリルの加工をしているが赤みのある色合いだ。

よく手入れされている。

若干、ほこりや泥で汚れているが綺麗な剣だ。




片手で拾って持ち上げてみるが重さは普通。

まぁ俺の剣よりはるかに軽い。



はて?

こんなものいつからここにあったのだろうか?



そもそも誰のだ?

俺のか?



その剣をかめてみるが覚えがない。







なんか忘れてる気がする。

もやもやして喉まで出かかっている。





「う~ん」



考える...。


考えるが。



「ダメだ!!思い出せない」




まぁ俺の家の敷地にあるんだから俺がもらっても構わねえか。

ってかそろそろリアが帰ってくるだろう。



その剣を腰のベルトに挟んで井戸に向う。



決して盗んだわけではない。

こうやって分かるように腰に挟んでおけば誰でも気が付く。

持ち主がわかったら返せばいい。



「いいもん拾ったな」



若干、顔が緩むのはしょうがない。


また俺のコレクションが増えた。



ここだけの話、俺は剣の収集家だ。

世界中の剣を集めている。


最近は東国の刀というものがお気に入りだ。

あの凛とした佇まい。

切れ味も素晴らしいものだ。




早く帰って磨いてみよう。

もっときれいになるかも知れない。





気持ちルンルンな気分で井戸の水をくみ家に帰る。












*******************************************




「戻ったぞ」





リアはルイトの家の扉を開け一応この家の主に声をかける。

だが返事がない。

小さな家だからすぐに返事が届く。



「ルイト?」


不思議になり家の中を見渡す。

見る限りいない。




トイレか?



そう思いトイレのドアをたたく。



「ルイト?おらぬのか?」


返事がないのでノブを回す。

開けたが誰もいない。



「ルイト?」




少し焦りが出る。

もしかしたら我がここにいることを勇者が気づいて。





「ルイト!!どこにおる。返事をせぬか」


声をはって呼びかける。




「ルイト!!おらぬ...」


「どうしたんだ?そんなに焦って?」



ルイトは玄関の扉の前にいた。



「そなたどこにおったのだ?」


「どこって井戸に水をくみに」


「我はずっと呼んでたのに」


「すまん、気づかなかった」



外の井戸からは少し距離がある。

内心ほっとしてルイトを見た。




「ん?そなたなにか良いことでもあったのか?」


ルイトの顔が若干ほころんでいる。



「ま、まぁな」



「その締りのない顔はやめい」


ルイトは自分でも気が着かないほど顔が緩んでいたらしい。

顔に手を当てて揉みながら顔を戻す。




「そんな事より、少し今から城に帰らねばならぬのだ」


勇者が転生し、現代にいる事を早めに魔界領の者達に教えなければ。

被害が出てからは遅い。


「急ぐゆえ、我は今か....ら..!?」


リアはルイトの腰にある剣を見た。



「そなたその剣はどうしたのだ?」



「あーこれね。さっきそこで拾ったんだ」


ルイトはその剣を見下ろしてニヤッと笑った。



「そなたそれは...」



「盗ったわけじゃないからな、預かってんだ」


ふとルイトは思った。

預かる?


「あーーーーー!!」


「!!」


いきなりの大声でリアはビックっとなった。


「思い出した!!拾いもので預かったんだ」


「どうしたのだ?」


「あ、ああ。それがお前が家を出た後に男が訪ねてきたんだ。落し物をしたから拾ってないかってな。それでないって言ったら森に歩いて行った。その後、コレを拾ったんだよ」



ルイトは腰からその剣を抜きテーブルに置いた。



「拾ったら預かるって言ったからもしかしたら戻ってくるかもしれないな」


リアはゆっくりとその剣を眺めた。

決して触らずに、近寄りもせず。



「のう、おぬし。この剣を知っておるか?」


「は?なんだよ、さっき拾ったばかりだからそんなのしらねぇって」


「これはな、ある一族だけに伝わる剣だ。作り方はその一族しか知らないのだ」


「へー、そんな貴重なもんなのか。ってかなんでお前が知ってんだ?」


「これは特殊加工している剣でな。なんでも切れるのだ」


「ほぅそれは便利だな」



「そう、とても便利なものだ、紙も切れるし魔族も滅せられる。我もこれに切られれば傷は治る事もなく朽ち果てる」



「そうか、そうか」


うんうん、っとルイトはその剣の便利性にうなずいたが最後の言葉に動きが止まる。



「は?、お前が?なんで?」



小さいがリアは魔王だそう簡単に死ぬことはないだろう。

そう思っていたのでその言葉が衝撃だった。



「この剣はサイラス・ボル・ケルビム家の作ったものだ」


「ケルビム?」


「そう、その家はとてもとても遠い南にある」




そんな遠いところから...。


南の国はまだこの国と繋がりがない。

情報があまりないのだ。

どんな国柄でどんな文化だとか。






「これはケルビムの剣という。唯一、魔王を殺せる勇者の剣だ。そしておそらく訪ねてきた男はこの剣の持ち主であるゆえ、その男はきっと我を滅せにきた勇者だ」


「勇者!?」


魔王と勇者。

お決まりの組み合わせだ。









剣を見ながらリアはつぶやく。








「それにしても剣を無くすなどと今度の勇者は馬鹿なのだな...」

























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