表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しと私の異世界生活  作者: 桂日
1/25

1

「みんな今日はありがとう!」


その言葉に、会場内に歓声が響き渡る。


ライブツアー最終公演ももう少しで終わり。


寂しい気持ちもあるけど、それ以上にメンバーの眩しい姿に胸が高鳴るのを抑えられずにいる。


「みんなと楽しい時間を過ごせて、俺達もすっごく幸せだよ!

また会おうな!」


周りから一際大きい歓声が上がる中、私もステージ上で輝く推しの姿を見つめながら応援の言葉を送った。


「最高に輝いてるよ!」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「はー、よかった

ほんとよかったわ」


「うん、よかった」


「もう最高によかったよね、結衣は特によかったところある?」


「もう全部よかったよ」


「あはは、やっぱそうだよねー」


さっきからよかったしか言えないくらい語彙力が低下している私…鈴川結衣と友達の水原舞香。


でもあんなすごいライブを見たら、こうなっちゃうのもしょうがないというか。


本当に素敵なライブだった。


今、人気急上昇中の男性アイドルグループ「Bright Voice」。


私の推しは藤野灯也。


明るい性格で、グループを引っ張ってくれる存在だ。


今日の灯也君も輝いてた…眩しい…かっこいい…最高…。


ペンライトと灯也君のうちわをぎゅっと握って、さっきまでライブ会場となっていた建物を見ながら余韻に浸っていた時だった。


「…え…?」


その建物が、消えた。


音もなく、一瞬にしてその姿を消したのだ。


「え…え…?

どういう事…?」


そう口にしたところで、新たな異変に気がつく。


「舞香…?」


今の今まで隣にいたはずの舞香がいない。


舞香だけじゃない…周りにいたたくさんの人達もいなくなっている。


そして街中にいたはずなのに、今私が立っているのは原っぱだった。


あれ…まって…?


という事は…建物が消えたわけじゃなくて、私だけちがう場所にきちゃったって事…?


…え、私って実は魔法使えたの?


ずっと私の中で眠っていた魔力が今目覚めたというのか…。


…なんて、半分冗談(そして半分本気)で考えてみたけど答えがわかるわけがなく、夜の広い原っぱに1人で立ちつくしていた時だった。


「すみませーん!」


突然後ろから人の声がして反射的に振り返った私は、今度は固まってしまう。


そこにいたのは、さっきまでステージ上でライブをしていた私の推し───藤野灯也だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ