ファナティクス
橋のの手すりに寄りかかり誰かと電話をしている男が1人
萬川「もしもしー?萬川萬店萬川ですー」
男は軽い口調で電話に出る
???「殺人でもなんでもやってくれるってほんとか?」
萬川「どこで知ったかは聞かないけどほんとだよ?なんならほかより安く」
???「ほう、では頼みたい」
萬川「ならお名前聞いても?」
???「私のか?」
萬川「うん」
???「なぜ名前を聞く?」
萬川「名前も話せないような場所から依頼受けない為?」
???「なるほどな、八重樫商事の社長と言えば伝わるか?」
萬川「ちょいまちねー」
携帯で八重樫商事を調べる
萬川「あー八重樫 勇之助さんね」
八重樫「そうだ」
萬川「りょー、それで依頼内容と報酬金の希望額は?」
八重樫「こっちの重要な顧客情報を盗んだやつを消して欲しい、金は2束用意しよう」
萬川「2束?少ないな最低でも4は積んで貰わなきゃ困るな、いくらうちが格安でも4は欲しいよ」
八重樫「相場は?」
萬川「相場?だいたい20束だよ」
八重樫「20!?」
萬川は急な大きい声に迷惑そうに携帯を少し耳から遠ざけて怪訝な顔をする
萬川「うん、20」
八重樫「そんなに高いのか」
萬川「そうだよ、だからそれに比べたら格安でしょ?」
八重樫「そうだなそれなら5束積もう」
萬川「お、ついでに煙草1箱つけてくれると嬉しいな」
八重樫「わかった、用意しよう煙草の指定は?」
萬川「JPSでおなしゃすー」
八重樫「わかった成功報酬として渡そう、ところでなんで煙草なんだ?」
萬川「鼻の奥に染み付いた血の匂いを誤魔化す為だよー」
八重樫商事の社長椅子にゆったりと腰掛けた八重樫はそれを聞きどこか納得したような表情をしたあと話を戻す
八重樫「ふむ、まぁ話を戻してターゲットだが東 千尋という人物だ写真はデータを送っておこう」
八重樫はパソコンから萬川にメールを送る
萬川「こいつが東ねぇ…随分と間抜け面じゃないか、こんなのにデータ盗られたのかい」
届いたメールを見て答える
八重樫「まぁそういうことだ」
萬川の一言に思わず苦笑いを浮かべながら答える
萬川「まぁ了解したよ、そんで期限は?」
八重樫「特にない確実に仕留めてくれさえすればそれでいい」
萬川「はいよー」
萬川は電話を切ると煙草に火をつけ歩き出す
時を同じくしてカバンを大事そうにしながら歩く男が1人
男は自販機で缶コーヒーを買い小さな川沿いの階段に腰を下ろす
缶コーヒーを開けパソコンを開く、パソコンにUSBを差し込みデータを開く
萬川「そういう重要な情報を外で見るのは不用心じゃないかな?東 千尋さん」
男は驚き後ろを振り返るとそこに萬川がタバコを咥えて立っていた
東「なんだお前!」
急な声掛けに焦りながらパソコンを閉じる
萬川は気にせずそのまま話を続ける
萬川「それが盗んだ情報なら特にね」
東「なんの事だかわからんな」
萬川「まぁ嘘をつこうがとぼけようがいいけど、今は仕事終わりだから見逃してあげるよ、疲れてるし」
そう言って萬川はひらひらと手を振り立ち去る
東「なんだったんだ…」
そのままパソコンとUSBをしまい、缶コーヒーを一気に飲みほすとどこかに歩いて行く
萬川は歩きながら「あいつがターゲットねぇ…」とつぶやき萬川はどこかに電話をかける
萬川「もしもーし、萬川だけどー八重樫商事のこと調べてくれたー?」
???「あぁ調べたよ、なかなかなことしてる所だね」
萬川「ほほう?なかなかなことと言うと?」
萬川は少しワクワクしたような顔をする
???「裏で闇金と繋がってたり、詐欺まがいなことやそれこそ表の人間じゃない人間と関わりが深かったりだねぇ」
萬川「ほうほう、それはなかなかですなぁ…」
???「今の依頼終わったら関係を切った方が懸命だと思うね」
萬川「せやなぁ…あー、でもなぁ…依頼リストに八重樫商事あるんだよなぁ…」
???「あ、ほんとだ、じゃあ依頼終わって報酬貰う時にやっちゃえば?」
萬川「そうするかなー」
???「そういえば八重樫商事の依頼ってなんぼで受けたの?てか依頼の共有リストの依頼料欄記入しろし」
萬川「んーとどっち?八重樫商事をやってくれって方?依頼主が八重樫商事の方?ごめんごめん忘れてたわ」
???「八重樫商事をやってくれって方」
萬川「あー、怒らないでね?」
少し申し訳なさそうな顔で聞く
???「うん」
萬川「タバコと札8枚」
???「はぁ?札8?束じゃなくて札?8万?えぇ?」
萬川「怒らないでって言ったじゃないか」
???「はぁ…まぁいいやでもさすがにそれは掃除屋に依頼するのに足りなく無い?」
萬川「大丈夫、八重樫商事からの依頼は束5束だから、あとタバコ」
???「ほな足りるか、ならまぁいいけどあまり格安過ぎると経営難になるぞ?」
萬川「ういうい」
???「あとタバコちょっと控えろ」
萬川「やーだねー」
悪びれないような言い方で答え電話を切る
東が歩いている
赤信号で止まるとなにか嫌な気配を感じ後ろを振り向くと萬川が立っていた
萬川「やっほー、2度目ましてだねぇ、君八重樫商事から大事なデータ盗んだっしょ」
東は動揺を隠し平然を装い答える
東「なんのことだか?」
萬川「まぁ別に盗んだか盗んで無いかは関係なくてさ?」
東「はぁ?」
少しイライラが垣間見える
萬川「まぁまぁ、八重樫商事から君のこと消して欲しいって言われてんのよ、信号青だよー?歩けー?」
萬川に促され東は歩き出す
東「それで?俺の事を殺すのか?」
萬川「んー、八重樫商事って結構悪いとこじゃん?だからそこからデータ盗んでくってことはなんかしら理由とか思惑とかあるのかなーって思ってさー」
萬川は不敵な笑みを浮かべながら聞く
東「はぁ…そこまで知ってるなら俺の知っていることを話そう」
萬川「あざーっす!あっ、でも話聞いた上で殺す可能性はゼロじゃないよ?すぐじゃないけどー」
東「まぁ別にいいさ、とりあえず場所移そう」
思わず苦笑いを浮かべてしまう
萬川「それはさんせー」
2人は人気のない場所へ移動する
萬川「そんでー?」
萬川は人気が無くなったのを確認すると話を切り出す
東「ふむ、八重樫商事だが、どこかわからんがヤクザと手を組んで海外からヤクなりチャカなりを仕入れて裏で流してるらしい」
萬川「結構なことやってんねぇ」
東「まぁそんな話が出てな、調査してくれって依頼が来たから調査してた感じだ」
萬川「なるほどねぇ…あ、タバコ吸っていい?」
東「構わんよ」
萬川「ういー」
萬川はカバンからタバコを取り出し火をつける
東「まぁバレたってことは監視カメラかなんかでバレたんだろ?」
萬川「そのとーり、監視カメラにガッツリ写っててバレてたよ」
東「失敗したなぁ…」
萬川「そういう時あるよねー事務所とかってなると特にねー、まぁそういうとこでやる時は全部消すから何も残らないけどね…」
東「うーむ」
萬川「てか依頼受けてってことはあんたこっちサイドの人間?」
東「んー、少し危ないこともしてる探偵みたいなもんだ」
萬川「こっちサイドに片足突っ込ん出るわけかー」
東「そうだな、完全にそっちサイドって訳では無いな」
萬川「同業とかなら手出したらダメだけどー片足突っ込んでるだけなら別に手出してもだいじょぶかぁ」
東「多分な」
萬川「あら、もう殺される覚悟出来ちゃってる感じー?」
東「いや、できてはないが、そっちも依頼だろ?」
萬川「そうねー依頼じゃなきゃそっちのこと知らんしー?」
東「依頼はちゃんとこなさなきゃだろ?」
萬川「意識高いねぇ、別に消したかどうかなんて向こうにはわかんない話だよ?例えば君がそのデータをコピーして取っといて、血糊かなんかで死んだような写真用意してーそれと、元々のデータ入ってるUSBを依頼主に差し出せばいいんだからさー?」
東「そういうもんか?」
萬川「まあねーだって、依頼はデータの回収と君を殺すことであって、死体をもってこいとは言われてないからねー」
東「死体をもってこいとかだとちゃんと殺さないと行けないわけか」
萬川「そういうことー」
東「じゃあ殺さないのか?」
萬川「んー、そうねぇー殺さないかもねぇー」
かも を強調しながらもどっちつかずな言い方をする
東「それでも かも なのか」
萬川「うん、まぁ掃除屋呼ぶのもめんどくさいから殺さないかもって感じ?」
東「なるほどな」
萬川「あ、でも君が依頼主に依頼の報告済ませるまでは待ってあげるよ、優しいからねー」
東「報告が終わったら殺されるかもってことな」
かも を強調した言い方をする
萬川「まぁそういうことだね」
東「まぁ明日こっちは依頼の報告予定だから待ってくれるなら嬉しいよ」
萬川「うむ、よかろーう」
萬川がどこかと電話をしている
萬川「やほー萬川だよー」
???「急に電話してきてどうした?」
萬川「ターゲットの東と接触して話をしてきたよん」
???「ほう、どんなやつだった」
萬川「完全にこっちサイドってわけじゃないけどー片足突っ込んだやつだったよー」
???「というと?」
萬川「依頼を受けて八重樫商事からデータ盗んだって話だったよ、なんか探偵みたいなもんだってさ」
???「なるほどな、上手く使えば色々できそうなやつだな、八重樫商事からデータ盗んでるわけだし」
萬川「監視カメラには写ってるけどな」
???「まぁな?」
萬川「まぁでも使えないやつではないよー」
???「なるほどな、殺してないよな?」
萬川「うん、明日依頼主に報告する予定だって言ってたから少なくともそこまでは待つ予定」
???「それでいい、それだけ時間あれば殺すかどうかの話し合いはできるからな」
萬川「そうだね、とりあえずーいつものとこで!」
???「了解」
東が人通りの少ない場所を歩きながら東が電話をしている
東「…ということでした、依頼はこれにて満了ということで…はい…はい…えぇ…大丈夫ですよ、ありがとうございました…はい…失礼します」
電話を切り移動しようと後ろを振り向くと萬川が立って待っていた
東「うおっ!びっくりした…いつも突然現れるよな」
萬川「まーあねぇー、依頼主に報告終わった?」
東「あぁ…終わったよ」
萬川「おつかれさーん」
そういうと萬川は東に向けて銃を向ける
東「おっと、俺は殺されることになったわけか」
萬川は喋らず引き金に指をかける
東「やってくれて構わんよ」
萬川はそう聞くと銃を打つ
銃声が鳴り響く…
銃の球は東の右足をかすり外れる
萬川は銃をしまうと口を開く
萬川「東君さぁ、うちらと手を組まない?」
東「なるほど?」
萬川「そそ、まぁそっちに取って悪い話は無いよ」
東「そっちの利点は?」
萬川「腕のいい探偵が仲間になる」
東「腕のいいとは…照れるな」
萬川「監視カメラには写ってるけどね」
東「それは言わないでくれ…」
苦笑いしながらそう答える
萬川「まぁゆーてそこくらいしかダメなとこ見当たらないし行けるべー」
東「そうか?」
萬川「そうよ!あ、戦闘は?」
東「あまり得意ではないが多少できると言ったところか」
萬川「じゃあそこはできるように鍛えないとねー」
東「お手柔らかに頼むよ」
萬川「もちもち」
八重樫がどこかと電話をしている
八重樫「うむ、向こうが依頼に失敗したら殺せ、あぁ、盗られたという情報すら外に出ないようにしなければならない、依頼料を増やしたのは口止め料の意味も含めてだ、依頼に成功したのであればそれは腕の立つ殺し屋と言うことだ、それはぜひとも仲良くしておきたい、裏切りは考えるな、向こうも信頼が1番大事な仕事だからな、信頼が無くなるようなことはしないだろう、あぁ、引き続き仕入れの仕事頼んだぞ」
電話を切り深いため息をつく、机の上には一丁のハンドガンが置かれている、ハンドガンを手に取り見つめる
萬川は八重樫に電話をかける
八重樫「もしもし?」
萬川「あ、どーもどーも!萬川ですー!」
八重樫「あぁ、依頼の件か?」
萬川「そうですー」
八重樫「盗まれた情報は取り返したか?」
萬川「えぇ、きっちり取り返しましたよー」
八重樫「東は殺したか?」
萬川「はい、殺しましたよ?」
八重樫「ふむ、死体は…」
萬川「あ、死体は持って来いって言われてなかったのでもう掃除屋に依頼出して回収してもらっちゃったんですよー」
八重樫「そうか、まぁ問題ない情報が帰ってくるのであればそれでいい」
萬川「分かりましたーそれでは情報をお渡しするのにそちらに向かおうと思うのですがーいつ頃向かえばいいですかー?」
八重樫「明日の昼頃に頼むよ、受付に通すように伝えておく」
萬川「ありがとうございまーす」
八重樫商事で受付を済ませ社長室に案内される
萬川「これが依頼されていたデータですー」
八重樫「うむ、ご苦労だった」
萬川「いえいえー、間抜け面に似合うマヌケな最後でしたよ!」
八重樫「そうか、助かったよ、これが依頼料とタバコだ」
八重樫は萬川に封筒とタバコを渡す
萬川は封筒とタバコを受け取ると封筒を開け中身を確認する
萬川「確かに受け取りましたー、それではこれで八重樫商事様からの依頼を完遂とさせていただきまーす」
八重樫「ご苦労だったな、なぁお前…」
言葉を遮るように萬川は八重樫に銃を突きつける
八重樫「なんのつもりだ」
萬川「依頼を完遂しようとしてるだけですよ?」
八重樫「俺を殺せと?」
萬川「八重樫商事を壊滅させろと」
八重樫「そうはさせんぞ!」
八重樫は銃を取り出し構えようとするが萬川に銃を蹴り落とされてしまう
萬川「抵抗しないで頂きたいですねぇ」
八重樫は銃を取りに急いで動く
萬川「最後に言い残したことはございますかー?」
八重樫「死んでたまるか!」
八重樫が萬川に向かって発砲するも外れてしまう
萬川「最後のお言葉頂きまーした!」
そう言うと笑顔で八重樫の頭を撃ち抜く
八重樫が力なく床に倒れ込んだのを確認したあと心臓と頭に1発ずつ撃ち込む
八重樫が動かなくなったのを確認すると途端に狂ったように笑い出す
笑い狂いその場で舞い始める、それはまるで子供が無邪気に踊るように…
舞い踊るのをやめ一息吐いたあと、また狂ったように笑いながら部屋を飛び出して行く。
部屋を飛び出したあと狂ったような笑い声と銃声が鳴り響く、悲鳴も響いていたが数分後には完全に聞こえなくなる。
数日後…ニュース番組で八重樫の社長、社員全員が襲撃され死亡したことが報道された。
萬川と東が歩いている、萬川に電話がかかる
???「もしもし、萬川、東、新たな依頼だ」




