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いつか  作者: SORA
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01 雪の中

詳しくは出てきませんが、病気の人物が登場します。

また、キャラクターが死にます。

不愉快になりそうな方は、読まないほうがいいと思われます。

 初作品のため乱文ですが、ご了承ください!

雪がちらついている。しんと冷えた空気がマフラーの隙間から入り込んでくる。マフラーに埋め込んでいた顔の下半分を少しだけ上げて、上を見た。

「ん?どした?」

僕の視線に気づいたのか、兄ちゃんが空にあてていた視線を僕の方へと移す。

「兄ちゃんはさ、」

降ってくる雪を見ながら、ただなんとなく話す。

「兄ちゃんは、死ぬことが幸せだって思う?」

「なんで?」

「前見たテレビで“死にたい、楽になりたい”って泣いてた人がいたから。

 楽っていうのも幸せに入るよね?だから、幸せなのかな~、って思って。」

兄ちゃんが白いため息をついた。くしゃみをした僕を優しく撫でてくれながらぽつりぽつりと兄ちゃんが話し出す。

「ん~と、死んだら、友達のこととか勉強のこととか仕事のこととかで困ることないし、それに怪我とか病気とかで痛かったり苦しかったり、しないと思うな。楽といえば、楽かもね。」

「じゃあ、死んだほうがいいの?」

「兄ちゃん個人的には、生きてたほうが幸せだとおもうな。」

「なんで?痛いこととかたくさんあるのに?」

「だって、死んじゃったら何もないんだよ。楽しいこととか嬉しいことも。」

「……うん」

「辛いこととかたくさんあるけど、それでも頑張って生きてたら楽しいこと絶対あると思うんだ。」

僕は兄ちゃんの話しを聞きながら、足元にあった雪の固まりを長靴の先で蹴っ飛ばす。はらりと雪が崩れた。

「だから生きてたほうが幸せ。絶対」

そう言い切った兄ちゃんの顔は、いつもよりキリッとしていて少しだけ悲しそうで不意に

“どこか遠くに行っちゃうんじゃないか”と不安になった。

「もういいよ」

白いジャンパーの裾をつかむ。どこか遠くを見ているような兄ちゃんの顔がいつもの優しい表情に戻った。

「ごめんね。」

暖かい手で僕の頬を撫でながら困ったように笑う兄ちゃん。

返事の代わりににぎっていたジャンパーを更に強くにぎった。

遠くに行かないように強く、強く。

「歩けないよ。ほら、手ェ繋ごう。ね?」

頬に当てていた手を僕の目の前に差し出してくれる兄ちゃん。

コクンと頷いて袖の中に引っ込めていた手をそっと外に出すと、兄ちゃんが包み込むようににぎってくれた。暖かくて気持ちいい手だった。

「甘えん坊だね。」

とからかうように兄ちゃんが笑った。

その笑い声も、降り積もる雪に吸い込まれる。

ずっと、傍で笑ってくれると思ってた。


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 読んでくれて、ありがとうございます!

私は、本格的に小説家を目指しています。

なので、意見やアドバイスのコメントをもらえるととっても嬉しいです。

 2話も頑張って、投稿するので末長く、よろしくお願いします(^^)

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