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転生した私はどうやら優しい家族に恵まれたようです

 興味のあることをとことん突き詰めるのが好きだった。そして、その結果が誰かや何かの為になるのは、すごく嬉しいことで。

 医師免許を取って臨床も何年かやったけど、結局は研究の道に進んで、それにのめり込むように没頭して、周りが見えなくなることも時々あって……

 でも、幸いそれが認められて、30代半ばで研究者として一応成功して。

 家族も数少ない友人達もそんな私にとても優しくて、半分呆れながら「有紗は研究馬鹿ね。それは素晴らしいことだけど、もう少し他のことも目を向けてみたら?」と、研究以外では視野が狭くて、人として偏っていた私に、よく言ってくれていた。

 皆、優しかったのに……

 私は何も返せなかった。


 もっと、たくさん話をすればよかった。お互いに向き合って、言葉を交わして、共に時間を過ごして……ちゃんと皆のことを好きだと伝えればよかった。皆のことを大切に思っているって、伝えればよかった。

 親孝行だって、まだ何もしていない。


 いきなり私に向かって突っ込んできた車、横に走り出てきた子供を、思わず庇ったのが最後の記憶。

 腕を引きそのまま遠くに投げるように押しやったあの子は、無事だっただろうか。


 こんな突然に終わりが来るなんて、想像もしていなくて。

 人は、いつ死んでもおかしくないのだと、知った。


 ごめんなさい……家族や友人達に伝えたかった、とそう思ったのは、覚えている。


 そう、覚えている?

 ?????

 何故?

 どうして私は、自分が死んだときのことを振り返っているんだろう?

 そして、この状況は、どういうこと?


 誰かに何かを話そうと思うと、意味のない声になり、何かが欲しかったり気持ち悪かったりは泣きたくなって、嬉しかったり好きだったりはキャッキャッとした笑い声?となり、感情に引きづられる意志表示がもどかしい。

 自分で動くことも叶わず、誰かに抱かれたり、ときにはゆりかごで揺られたり。

 そう、私は、どうやら赤子になってしまったらしい。


 そして、両親と思われる男女、兄と思われる男児は、どう見ても日本人ではない顔貌で。

 極めつけは、赤子をあやしたり、生活の諸々が、なんと!非科学的な法則で行われている。

 魔法が存在する世界に、前の生の記憶を持ったまま生まれ直した……と私が知ることになるまでに、そう時間はかからなかった。


 私は、思うように動いたり、言葉を発したり出来ないこの状況で、ひたすら周囲を観察しそして眠る。眠気に抗えず1日の殆どを眠って過ごし、そして乳を飲んでまた眠る。両親と二人の兄、そして、世話をしてくれる乳母や、世話係達。

 話しかけられる言葉は未知のもので、でもこの家の様子や周囲の状況から見ると大分裕福な家庭だ。そしておそらく私は、存在を喜ばれている。だから、手を伸ばす。よく顔を見に来てくれる母と兄達に。

 いつも、優しい顔で私をのぞき込んでくる兄は、拙いながらもしっかりと私を抱き上げてくれる。母は、そんな私達をまとめて抱擁してくれる。

 暖かくて優しい時間が、過ぎていく。




「クロにーちゃま、ご本!」


 2歳になり、拙いながら簡単に話が出来るようになると、私はひたすら誰かに本の読み聞かせをねだった。ここには、TVもパソコンもスマフォもない。様々な情報を得るには本や新聞などのツールに頼るしかないのだ。文字だけなら自身でもなんとかなるが、発音やイメージなど、本だけではどうにもならないことがある。

 うっかり前世の言語が口から飛び出さないように注意しながら、この世界に適応するべく、たくさんの知識を蓄える。そして、魔法のことも知りたかった。

 だから、周囲の人の手の邪魔にならない時間に、誰かを見つけて読み聞かせをねだる。

 特に6歳上のクロード兄様と4歳上のルイス兄様は、家庭教師による初等教育が始まっていて、本を読みながら、覚えた知識を披露してくれたり、ちょっとした魔法を得意そうに見せてくれたりするから、私の好奇心を大いに満たしてくれる相手だ。


「シルヴィーは本当に本が好きだなあ。うちにある絵本はもう全部読んじゃったから、ルイスの教科書なんてどう?」


 素敵だ!ルイ兄様の教科書!

 目を輝かせて、首を縦にブンブンと上下させる私に、クロ兄様はふんわり笑って私の頭を一撫ですると、


「ちょっと待ってて、今借りてくる。あと、マリー、シルヴィーに寝支度させておいて」


 と、私の世話係に頼んで廊下で別れた。


 兄達は、午前中家庭教師の授業を受けて、午後からは魔法や剣術の練習や課題をやっているから、時間が空くのは夕食後から寝るまでのこの時間だ。

 忙しい兄達に毎日ねだるのも気が引けるので、クロ兄様とルイ兄様と母様に順番におねだりしている。父様は忙しいので、お休みの日だけ。

 家族揃って食事が出来るのは夕食位なので、私は、夕食から寝るまでのこの時間が大好きだ。

 私はマリーと一緒に自分の部屋に向かう。

 夕食前に入浴は済ませてあるので、歯磨きと寝間着への着替えだけだ。


「お待たせ」


 クロ兄様がタイミングを見計らったように来てくれた。

 兄様もパジャマにガウンを羽織った姿で、すぐに眠れる格好だ。本を読んだあと一緒に寝てしまうこともあるため、このスタイルが定着している。

 クロ兄様は、父様に似てサラサラの銀髪に蒼い目をした妹の私から見ても、贔屓目なしの美少年だ。あんまり綺麗なので、前世30代半ばでいろんな容姿の老若男女を見たことのある私も、時々ぼーっと鑑賞してしまう。うん。今日も幸せ!


「国語の教本を持ってきたよ。文字ばかりだけどね」


 そして、ベッドに上がって枕やクッションを背もたれにして座った兄様の足の間に、私は座る。背中を兄様に預けて、膝の上に広げられた本に目を向けた。

 絵本よりも小さく並んだその文字を目で追うと、内容だけなら理解できる。

 兄様が指で字を示しながら、綺麗な発音で音読してくれた。

 所々イメージが湧かない単語や情景は、兄様が魔法で目の前にそれを浮かべてくれる。それは、まるでホログラムみたいで、


「クロにーちゃま!すごい!」


 手をたたいて喜ぶ私に、兄様は笑って言った。


「シルヴィーが喜ぶから、僕はすっかりこの魔法が得意になってしまったよ」


 こうやってホログラムを見せてくれるのはクロ兄様だけだから、私はいつも大袈裟な位喜んでしまうのだ。


 でも、私は知らなかった。この魔法はクロ兄様が私の為に頑張って身に付けてくれた、もうすぐ9歳になる子供にしては結構高度な魔法だったということを。




「今日は俺の番だな!シルヴィー!」


 その次の夜、部屋にやってきたのはルイ兄様だった。ルイ兄様はクロ兄様の翌日、というローテーションをしっかりと把握していて、クロ兄様に前日の状況も確認してくれているらしいので、何も言わなくても続きから読んでくれるのだ。

 すごく気も利くし、要領も良い兄様で、母様似の大きな碧の瞳に緩いウェーブのかかった濃いめの金髪で、かわいらしいというかやんちゃな印象の少年だ。

 そんな兄様に、私は嬉しくなって手を伸ばす。


「ルイにーちゃま、ありがと!」


 そして、私を抱き上げた兄様にギュッとしがみつく。ルイ兄様は破顔して、私の背中をぽんぽんとたたきながら、


「うちの天使は、今日も最高に可愛い!」


 と言って、私をベッドに降ろすと、自分は私の向かいに座って胡座をかく。

 本は私の膝の上。

 ルイ兄様は大きな白い板を持っていて、紙芝居のように魔法で絵を描いてくれるのだ。本の内容を兄様の解釈でアレンジしていて、ルイ兄様の絵とお話は例え退屈な歴史の内容でもワクワクして聞いてしまう。

 だから、昼間本の内容をちょっと予習しておいて、ルイ兄様に


「おーさま、どーして死んじゃったの?」


 と尋ねたりすると、拙い私の語彙力に合わせてたくさん説明してくれるのだ。

 そして、二人で眠くなるまでお話して、大概そのまま寝落ちしている。




 その次の晩は、母様だ。


「かあさま、ご本!」


「ふふっ、待っていたわよ、シルヴィー。私が読むのは、これよ?」


 母様エレノアは、元は王族……つまり王女様だった。今の国王陛下の妹姫だそうだ。今でもキラキラの金の髪を持つ、上品でかわいらしくて年齢不詳のお姫様。侯爵である父様に降嫁してきたのが20歳だったっていうことだから、少なくとも30歳以上だと思うのだけれど、20代半ばに見える。

 父様とは恋愛結婚で、二人はとっても仲が良い。

 母様は、どこかフワフワとした雰囲気の持ち主だけど、娘のマナー教育については、2歳児相手でも手を抜かなかった。

 手にしているのは、絵付きのマナー教本である。

 寝る前にこれを読んで聞かせてくれて、毎日の生活の中で実践の練習なのだ。

 貴族として生きていかなければならない私は、ちゃんと必要なことだとわかっている。3日に一度なら、そう辛くもない。


 母様と本を読む場所はお部屋のソファの上。

 眠ってしまっても、朝はちゃんとベッドの上だ。




 そして、朝。今日も私、シルヴィア・ヴィン・ロッドフィールド侯爵令嬢2歳半の1日が始まる。

 朝食は自室で。

 午前中は図書室で、好きな本を読む。最近嵌っているのは、この国の歴史。ルイ兄様のお陰で、かなり興味が出てきて面白く読めている。

 魔法の本もすごく興味はあるし、私も魔法を使ってみたいけど、父様から許可が出るまで駄目と言われている。

 3歳になって、ちゃんと魔力の測定と属性を見てからだよ、と。危険が伴うことも父様が教えてくれたから、無茶はしない。

 お昼を食べたらお昼寝して、外遊び。兄様達の剣術の稽古を見に行ったり、庭園をお散歩したり、魔法の練習を見に行ったり、たまに家に来る兄様のお友達と一緒に遊んでもらったり。

 夕方になったら入浴して、そして夕食という流れだ。

 前世30代だったけど、幼い頃の記憶が殆どないので、こういうのも結構楽しんでいる。


 そう、人生を最初からやり直してる私は、今度こそいろんなことに興味を持って、周囲の人にも関心を持って、好きなことも極めてみよう!と、割と大きな目標を持っているのだ。

 そして、大切な人を思いやり、一緒に時間を過ごして、言葉を交わし、気持ちを伝え合う。前世では出来なかった家族孝行をするのだ!と。


 ただ、私は気付いていなかった。

 自分では2歳児結構上手くやれている!と思ってはいたけれど、兄達はともかく両親特に父様は、自分の娘の異常さをどうやって世間から隠し通そうか?と悩んでいることに。

 それを私が知るのは、3歳を迎える少し前。

 父様と二人、部屋で迎えた夜だった。



「シルヴィー、今晩は父様と大事な話をしよう」


 その晩、世話係を退室させ私の部屋で二人きりになった父様は、私を膝に乗せてソファーに腰掛けると、そう切り出した。


「はい、父様」


 3歳を手前にして、兄様達のお陰で、随分と滑舌良く流暢に喋れるようになった私は、そう言って父様を見上げる。

 ストレートの銀髪を後ろで一本に束ねて、切れ長の蒼い目をした怜悧な美貌は、本来とても優しい父様を少し冷たく見せている。

 30代半ばにして、王宮の筆頭魔法師として働きながら、ロッドフィールド侯爵家も管理している父様のことを、私は心から尊敬していた。

 父様は、静かにゆっくりと私に言った。


「シルヴィー、お前はその年齢にしては、随分と大人びていることは自覚しているかな? いや、大人びているというより、思考は大人かな?」


 ……ん?あれ?私の子供のふり、駄目だった?

 私はきょとんと首を傾げる。父様はじっと私を見つめて、その反応を覗っている。

 これは、下手に隠し立てしてはいけない流れでは?


「シルヴィー、私はお前を守りたいんだよ。だから、話してごらん。シルヴィー、お前はもしかすると……」


 そこで言い淀んだ父様に、私は心を決めると口を開いた。

 父様は、ちゃんと私の話を聞いて受け止めてくれる。そう思ったから。


「父様、私、生まれたときからずっと、こことは違う世界で、生きていた記憶があるのです」


「!?……そうか」


 父様は、私の答えを予測していたようだった。ギュッと私を抱きしめて、背中を安心させるようにぽんぽんとたたく。


「話してくれるかな?お前……いや、君の前の生のことを」


 父様はそう言って、優しく先を促す。

 私は一つ頷くと、頭を整理しながら、口を開いた。


「私は、こことは違う、魔法が無く、代わりに科学文明が発達した世界で暮らしていました。そこで私は、医療関係の研究者として生きていて、いくつか研究の成果も出せたのですが、36歳の時事故で命を落としました。そして気がついたら、この家の娘として生まれていたのです。

 最初は驚きました。私は死んだと思っていたので。父様達の話す言葉もわからず、魔法もあって、以前の世界とはまるで違っていて……

 でも、みんなとても優しいから、私はここで過ごせることがとても幸せで。

 言葉も流暢に喋れるようになって、たくさんのことを理解できるようになって、ついつい知識欲も出てきてしまって。すみません。子供らしくなかったですね」


 父様は長く息をつくと、苦笑して言った。


「私は、君がギフテッドか前世持ちかも?と思ってはいたんだ。まさか前世が私と同年代だとはね、驚いた。君のように前世の記憶を持ったまま生まれてくる子供は、ごく稀にだが例はあるのだよ。異世界からというのは初めて聞いたけどね。

 だがシルヴィーは、私とエレノアの大事な娘で、私達家族の宝物だということに変わりはない。

 ただ、世間からは君の素性をもうしばらく隠しておきたい。君が君自身を守れる術を身に付けられるまで、外には出さずこの家で匿うことを許して欲しい。この世界には、君のことを利用しようと考える者も、結構いるんだ。残念なことに」


 父様は、私に少し哀しげにそう説明してくれた。

 しばらく不自由な生活になるのかも?と思ったけど、父様の言うことはもっともで、私はあっさり頷く。


「父様の言う通りにします。でも、私、魔法を使ってみたい!」


 私は顔を上げて、それだけはお願いした。


「そうか。魔法は私が教えてあげるよ。なにせ私はこの国の筆頭魔法師だからね。

 それと、クロードは今年10歳になる。来月からは王立の学園に進学するからね。家を出て寮に入る。だから、クロードが君の世話をしていた夜は、私が替わりに君に魔法を教えよう。それまでに、魔力と属性の判定もしなければね」


 父様が私の願いを叶えてくれることになった。クロ兄様が家を出るのは寂しいけれど、魔法を学ぶことが出来るのは、とても嬉しい。

 そして、その他の勉強には、家庭教師をつけてくれることにもなった。

 父様は、私はまだしばらく子供でいてもいいんだよ?と言い、兄様達には、彼らが理解できるようになるまで私の前世のことは内緒にしておこう、ということになった。私はどうもこの年齢の体に感情を引っ張られることもあり、精神的に大人とも言い切れず、父様の提案はとても助かる。

 ルイ兄様も2年後には学園に入学する。そうすれば二人は18歳になって卒業するまで、長期休暇でしか家には戻ってこない。私も大好きな兄様の可愛い妹でいたかった。だから、父様の提案はありがたかった。



 そして、翌週。

 私は3歳の誕生日を迎え、家族で盛大にお祝いをしてもらい、その日、父様特権で自宅の父様の部屋で、私の魔力測定と属性判定もしてもらった。

 魔力は今の父様と同等な位多くて、属性は光と水と風と言われたけれど、それがどういうことかはよくわからなかった。魔力はまだ3歳だから増えていくだろうし、属性についてもこれからちゃんと教えてくれると言っていた。あと、この結果は、父様と母様と私だけの秘密なんだそうだ。




 後日、クロ兄様からは学園に入学することも改めて聞かされて、寂しくなったので、その日から入学まで、クロ兄様に一緒に寝てもらうことを約束してもらった。

 時々はルイ兄様も一緒だ。

 うん。ルイ兄様も寂しいよね。


「クロ兄様、私、まだ汚いけど字が書けるようになりました。お手紙書きますね!だから、私のこと忘れないでください。兄様も頑張ってください。お休みに帰ってきてくれるの、待ってます!」


 クロ兄様の出発の日、涙が溢れそうになるのを頑張って耐えて、私は兄様にギュウギュウ抱き着きながら、お別れの挨拶をした。


「シルヴィーの方こそ僕を忘れないでね。手紙、楽しみにしているよ。僕の大事なお姫様」


 そう言ってクロ兄様は、学園に入学するために家を出ていった。


 クロ兄様が寮生活になって、ルイ兄様と私は寂しさを埋めるように、一緒に過ごすことが多くなった。

 ルイ兄様が家庭教師から受けている授業の一部に、私がお邪魔することも許してもらえたし、ルイ兄様が部屋に来てくれる夜は、読み聞かせではなくクロ兄様に一緒にお手紙を書く時間になった。


 クロ兄様がいなくなった後、父様の魔法の授業が始まった。

 と言っても、私が本を読んで充分理解できることを知っている父様は、魔法の概念や基礎についての文献をたくさん持ちこんでくれ、日中何日か掛けて読み終わったところから、実践の感覚を掴むため一緒に試してみたり、わからないところを教えてくれたりといった感じ。

 半年もすると、月に1度位日中に数時間時間を作ってくれて、少々規模の大きい魔法も練習するようになったけど、魔法の練習のことはルイ兄様に内緒でやっていたので、本格的に学ぶのは、ルイ兄様が学園に入学してから、ということになっていた。


 夏と冬の長期休暇にクロ兄様が帰ってきたときは、夕食後の時間を家族揃って過ごすことが多くなった。

 学園の話を聞いたり、ボードゲームを教えてもらったり、たまにはクロ兄様に寝かしつけてもらったり。


 そんな風に過ごすうちに2年が過ぎて、私が5歳になった年に、とうとうルイ兄様も学園に入学することになった。


「シルヴィー、俺の天使!泣くなよ?兄貴だけじゃなくて、俺にも手紙出してくれよな!」


 ルイ兄様までいなくなるかと思うと、自然と涙が止まらなくなった私に、慌てたようにそう言って、ルイ兄様も家を出て行った。




 そしてそれと同時に私には、口が固くて一流の家庭教師がつけられ、歴史、経営経済、地理、語学の他、父様からは魔法学、母様からは社交とマナー、社会福祉学の教育が始まった。数学、自然科学、医療関連は前世でこの世界よりも高度な教育を受けていたので、除外してもらった。

 これは、いろんなことに興味を持って学びたいという私の希望を、両親が叶えてくれた為で、父様が私の能力を最大限伸ばしてかつ、学園に行かなくても高度な教育が受けられるよう配慮してくれた結果だった。



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