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異世界の歩き方  作者: 葉月奈津・男
8/14

古城への招待


 二か月ぶりに冒険者ギルドを訪れると、オレ当てに直接クエストが届いていた。

 是非に頼みたいことがあるからと、呼び戻す内容のものだ。

 もちろん、拒否はできる。

 できるのだが、オレは受けた。

 二か月前に通った道を、今一度逆にたどる。

 なぜ受けたのか?

 拒否もできるのに。

 理由はクエスト依頼に添えられた事情説明だ。

 曰く、『眠れなかった者が見た白昼夢についての確認』とある。

 一読しただけでは意味不明だ。

 ただし、手紙を出された場所と結びつけると、意味深なものに変わる。

 場所は、オレにとって初だった他所の町。

 そう。

 ヴィエルとベリエに出会ったあの町なのだ。

 そこで「眠れなかった者」。

 セシルたちに眠らされていたあの時、実は眠れずにいた者がいた。

 そして「見た白昼夢」。

 誰もが知らない、その人物だけが見知った存在しないはずの現実。

 オレが吸血鬼レオアルドを滅ぼしたことを指しているのだろう。

 なにを「確認」したいのかはわからないが、無視はできなかった。

 

「で、あなたが依頼主ですか?」

 騒動の後、オレが療養に使わせてもらっていた部屋で待っていたのは、中年のおっさん剣士。

 名をドルオレアさん。

 正直まったく覚えがない。

 「がはは。そりゃそうだろう」

 素直にそう言うと笑い飛ばされた。

 「わしはとあるパーティの荷物持ちをしていたからな。剣士や魔法使いの顔は覚えもしようが、荷物持ちの顔にまで意識を向ける者は多くない。おっさんならなおのこと、な」

 「確かに」

 人間、特に男はそんなものだ。

 「で、その荷物持ちが何用なのですか?」

 女の子相手ならいくらでも無駄なおしゃべりに付き合いもするが、おっさん相手に腹の探り合いなんてしたくない。

 単刀直入に切り出した。

 「せっかちじゃな」

 「おっさん相手ですので」

 「もっともじゃっ!」

 短く答えると、おっさんは膝を叩いて爆笑した。

 テンションが高すぎて疲れる。

 げんなりしながら聞いたところによれば、このドルオレアさん。

 やはりあの時眠らされていた冒険者たちの中にいたらしい。

 ただ、体質的に眠り系の状態異常に耐性があって、眠らされてはいなかったそう。

 その結果として、オレとレオアルドとのやり取りなんかも見ていた。

 内容を聞く限り、それは嘘ではないだろう。

 見ていなければ話せるはずのない事柄がいくつもあったから。

 「ここまでが話の前段階となる」

 オレがレオアルドを倒し、ヴィエルとベリエが後始末をつけるところまでをかいつまんで話し終え、おっさんが声を潜めた。

 ここからが本題ということだろう。

 事の発端はその事件から十日ほど過ぎたころに起きた。

 オレが町を出た数日後ということになる。

 ドルオレアさんは犯人一味の捜索に乗り出した仲間たちと一旦別れていたそうな。

 「いないとわかっているものを探しているふりなんざ、かったるくてやってられんからな」

 ごもっともである。

 だというのに、「それ」を発見したのはドルオレアさんだった。

 他の者たちは金目のものを分捕って行った犯人たちの行動について、「盗品を売りに行くか、とりあえず手元の金で遊ぶかだ」と判断してそういったところを目指して出かけていた。

 そんなところに犯人がいるはずのないことを知り、血眼になっている冒険者と出くわすのも嫌だったドルオレアさんはといえば、逆に人のいなさそうなところでのクエストを選んで勤しんでいたのだという。

 「他のやつらがみんな犯人探しをしとったもんで、他の仕事が全部ほったらかしだったのさ。ソロでもできるクエストを独占させてもらった。そりゃあ、儲かったものよ!」

 ああ。そうなるか。

 人気店ができると、他の店が値引きセールとかしてくれてお得になったりするあれだ。

 「そんなわけで、調子に乗ったオレは片っ端から依頼を片付けていったんだが・・・」

 受けた依頼の中の一つが、問題だったようだ。

 山一つ向こうに、ひっそりと佇む古城がある。

 百年以上前にとある王国が国境守備の要として建てた城だという。

 今や人の寄り付くようなものではないこの城に、たびたび人が出入りしているようだと、付近を縄張りとしている猟師や木こりから相談を受けた各ギルドが冒険者ギルドへ調査を依頼したのだった。

 万が一にも山賊が根城にでもしていたら厄介だと思ってのことである。

 もっとも、その可能性はほぼないと目されていた。

 街道からも離れた古城に、魅力はないだろうということで。

 「だが、調べてみると確かに数人の出入りがあると見えた」

 足跡をたどり、木の枝の位置を確認、気配を探ることで移動している人間の数と頻度を知る。

 冒険者の基礎能力の一つだ。

 オレでもできるくらいのまさに基礎。

 このおっさんぐらいになると熟練者だろうから、間違いはないように思う。

 そこは信用していいだろう。

 「そんなわけで、通り道に張り付いたわけさ。もちろん、向こうからは気付かれないよう細心の注意を払ってな」

 「なにを見たんだ?」

 何となく予想はついた。

 ついたからこそ、話を進ませるために問いかけた。

 もうそろそろ核心に入って欲しい。

 「セシルだよ」

 「そうか」

 予想通りなので驚きはしない。

 しかし、あのとき確かに死んだはずだという思いがあった。

 「・・・確認しないわけにもいかないか」

 気は進まないが、責任上放置もできない。

 この目で確かめずに済ませることはできなかった。


 翌日。

 夜明けとともに出発したオレはドルオレアさんの案内で、山の中の古城へとやってきた。

 今回、ヒルダが擬態しているのは小型のワイバーンだ。

 メスドラゴンの護衛時に遭遇したのだが、その機動力には舌を巻いた。

 美しくも強い雄姿が素晴らしく、苦戦を強いられたものだ。

 なので、思わず「飛べるっていいよな」なんて呟いたものだから、ヒルダのマイブームは飛行形態となっている。

 曇天の下、実に優雅に飛び回っている。

 それはともかく・・・。

 さして高くもない山の中腹ぐらいにある古城を見上げた。

 ツタが這い、薄黒く汚れた石壁。

 湿気を含み腐臭を放つ空気。

 瘴気に妬かれたせいか奇形に育った大木の数々。

 いかにもといった感じに不気味で、なぜか逆に安心させられてしまう。

 「あれがそうじゃよ」

 ニヤリと笑いながら、重苦しい口調のドルオレア。

 ノリの良すぎるおっさんは嫌いじゃないぞ。

 見捨てるのに罪悪感をもたなくていいからな!

 「それじゃ、さっさと行ってみようか」

 少し早めの昼食を携帯食で済ませ、オレたちは城に向けて歩みを進めたのだった。


 「うひょひょひょひょー」

 城門をくぐったとたんに、奇声を発するドルオレア。

 門から先の庭、その一面に全身鎧が立ち並んでいる。

 ずっとあったわけではないだろう。

 見た感じ高価な希少金属が使われているとか、魔法で保護されているといった様子がないのだ。

 手入れはされていそうだし、普段はちゃんと屋内に置いてあるのだと思える。

 侵入者が来たってことで、歓迎してくれるようだ。

 「ずいぶんな歓迎じゃな!」

 なにが楽しいのか、ドルオレアが笑い出した。

 「前に来たときは歓迎してもらえなかったのか?」

 「おうともさ。ネズミ一匹出てこんかったわい!」

 今回は特別。

 もしくはその後に何か変化があったか?

 ともかく、相手が動いた。

 応じるほかあるまい。

 「とは言ったものの」

 困ってしまう。

 立ち並ぶ全身鎧を睨みつけた。

 そう。

 立ち並んでいるのは鎧だけ、つけるべき兵士は見当たらない。

 すべて、『動く(リビングメイル)』だ。

 「オレが苦手とするモンスターの一つなんだよな」

 ため息が一つ。

 さすがに鎧は食べ物にならないからな。

 いかにセシルさんやアントンさんが強靭なアゴを持つと言えども、これは食べない。

 もちろん戦いようはある。


 「『調理』スキル、『包丁研ぎ』!」

 

 あまりやる気が出ないまま、術を当ててみる。

 効果はあった。

 ガシャンっ!

 と、景気よく膝を折って鎧が沈黙する。

 『動く鎧』も、考え方はゾンビなんかと同じ。

 その辺にいる低級霊を死体にとり憑かせればゾンビになり、鎧にとり憑かせれば『動く鎧』になるだけのこと。対処法も変わらない。低級霊を洗い落としてしまえば、あとに残るのは安物の鎧だけなのだ。

 動きも止まる。

 なんだけど・・・。

 きれいに低級霊を落としたはずの鎧が、ガシャっといきなり立ち直った。

 「やっぱ、そうなるよな」

 死体と異なり、鎧の場合は自動で低級霊を呼び込むシステムなんてものが内蔵されていることがある。

 低級霊を払っても無限に復活してくるわけだ。

 これがあると、オレの場合は延々と洗い続けなくてはならない。

 時間と労力の無駄以外の何物でもない、ループに入り込んでしまうのだ。

 やってられん。

 「というわけで。『土操作』スキル、『土人形』!」

 ゴーレム召喚だ。

 左右に一体ずつ、身長2メートルほどのゴツイのを立たせて、『動く鎧』を力づくで叩き潰させる。

 形をなくせば、低級霊を取り込むシステムの機能も停止。

 鎧はガラクタと化す。

 

 「ちょっとまてぇぇぇぇぇっ!!!!」

 

 とりあえず手近なものを潰していると、やおら絶叫が響いた。

 城の中にいたらしい、小柄なおっさんが転がり出てくる。

 「い、いきなりそれはなかろうが!」

 何か、不満があるらしい。

 「もっとこう、苦戦したうえで『やるしかないっ!』と悲壮感みなぎらせて——みたいな段取りを踏んでくれんと!」

 「やってられるかー!」

 どこの戦隊ものか!?

 見せ場なんぞ要らん!

 「貴様に戦いの美学っちゅうもんはないのかっ!」

 「ない!」

 言い切った。

 この世の中、美学にこだわっても誰も褒めてなんぞくれん。

 多くの女の子には理解もされんしな。

 美学とかロマンなんてものにこだわりはない!

 「くぅうぅぅぅっ! 最近の若者はこれじゃから!」

 小柄なおっさんが泣き始める。

 泣きたいのはこっちだ。

 命がけの冒険におっさんしか出てこないなんて。

 冒険に出会いを求めるお年頃なんだぞ!

 ・・・コホン!

 「襲ってこなければ壊しはしない。さっさと道を開けろ」

 オレたちの目的はセシル。

 本人に間違いないかの確認と、本人ならば存在している理由を調べなければならない。

 「ふぅ。せっかちじゃな」

 やれやれ、とおっさんが立ち上がる。

 見るからに小柄だ。

 豊富なひげを蓄えている。

 うん。

 このうえ、使役しているのが『動く鎧』とくれば決定的だよな。

 「ドワーフか」

 言わずと知れたファンタジー界の二大巨頭。

 背が小さく酒好きで恐ろしく器用なひげ面。

 妖精を原点に持つ種族。

 だというのに。

 「いいや」

 小柄なおっさんが首を振った。

 違う?


 「吸血鬼じゃよ」


 ニヤッ!

 禍々しく釣り上がった口角から、牙がのぞく。

 「もっとも、『真祖』ではなく、『眷属』じゃがな」

 この世界における吸血鬼というものは、生まれながら吸血鬼の者または魔術により吸血鬼化した者を『真祖』と呼び、この『真祖』から力を注ぎこまれて下僕と化したものを『眷属』と呼ぶ。

 『真祖』と比べると力は弱く、『不死性』も低い。

 たとえば、太陽光を受けるだけで灰になる。浄化魔法に弱い。燃えやすいなどなど。

 弱点が多く、変身能力も使えない。

 不老ではあるが、『不死の魔物』と呼べるものではなくなっているのが定番となっている。

 それを言うなら『真祖』も不死ではないんだけどな。

 

 『眷属』で数百年、『真祖』でも千年ほどで滅びるそうだから。

 (出典:ラインケリー・ラドロフ著。『不死ならぬ不思議な魔物図鑑』)

 

 「誰の『眷属』かといえば・・・」

 意味ありげにタメが作られた。

 そして・・・。


 「レオアルド様じゃ」


 「っ!?」

 身構えた。

 前回は相手がこちらを舐めまくってくれていたから勝てたが、もし復活していて速攻で殺しに来られたなら勝てる自信はない。

 そんなオレを、ドワーフのおっさんは睥睨して・・・。

 「ふぉっふぉっふぉっ」

 笑いやがった。

 「なるほどのぅ。お主がレオアルドを滅ぼした奴で間違いなさそうじゃな」

 様じゃないのかよ、様じゃ。

 いきなり呼び捨てた。

 実は敬ってなどいないらしい。

 「なぜそう思う?」

 「レオアルドの名を聞いて即座に反応する人間などいるはずがないのじゃよ。あやつは名を明かした相手を長くは生かしておかんからな。名を知っていて生き延びている者、すなわちレオアルドを滅ぼした者ということよ」

 なるほど。

 理屈はわかる。

 最後に名前を聞いた人間が滅ぼした人間というわけだ。

 「安心するがええ。レオアルドは復活などしとらん。まだ、な」

 「まだ、なのか」

 それはつまり、いずれは復活するということ。

 「この城はな、古い時代に築かれた流民の城なのだ。戦争に明け暮れる国々から逃れた者たちが、肩を寄せ合って暮らしていた隠れ里。弱き者の最後の砦。そして、とある吸血鬼の最初のエサ場となった」

 とある吸血鬼とは当然レオアルドのことだろう。

 そして、エサ場。

 「もしかして、『眷属』が大勢いるのかな?」

 隠れ里と称するほどの人数がいたのなら、そういうこともあり得るか。

 「いた、のじゃよ」

 微妙な訂正をされた。

 過去形だ。

 「今や日々減っておる」

 意味は分かるな?

 そんな目を向けられた。

 オレは静かに頷いた。

 ここまで情報が揃えば、察しはつく。

 「『眷属』の命を吸って力を得ているわけだな。あとは知識とかか?」

 「そういうことじゃ。『眷属』に注ぎ込んだ自分の魔力を取り戻すことで、自己再生を図っておるのさ」

 「自己再生ねぇ」

 そんなにうまくいくとは思えんのだが・・・。

 「『眷属』たちは拒否してないの?」

 そもそもの疑問だ。

 復活してないのなら弱っているはずで、立ち向かえなくもないと思うのだが?

 「大半は自我が崩壊しているのでな。自我を維持している者の中にも、滅びを望む者がいるし。そういうものから餌食になっておる。見るに堪えんのでな。わしはここまで逃げたが・・・」

 城の外にまで逃げようという気力はないのか。

 「そうなのか」

 やはり、自己再生はうまくいきそうにないな。

 自我を持ってもいないようなのから吸い出したのでは、力はともかく知識などは望めないだろう。

 「今なら勝てそうだ」

 結論付ける。

 「他に話しておくことはある?」

 「わしの好みは胸よりも尻じゃ!」

 胸を張って言うことか?

 思わず顔面を踏みそうになったぞ。

 まぁいい。

 もう言うことはないということだろう。

 先に進んでよさそうだ。

 

 「シンキくせぇ城だぜ」

 ドルオレアが辛気臭い声でつぶやいた。

 吸血鬼の『眷属』が長年住処としていたというだけあって、窓はなく壁も厚い。

 外が晴天だとしても、これでは一条の光とて差し込みはすまい。

 そのせいか空気が異様に黴臭い。

 換気のしようもないだろうし、空気が淀んでいる。

 こうして歩いているだけで相当量のカビ胞子を吸っているのではないかと思う。

 免疫力が低下している年寄りなんかが入ったら、一発で病気貰って終わりそうだ。

 城内に入った途端に闇だったからね。

 まったく光がなかった。

 あまりにも暗くて、『明かり(ライティング)』の魔法を使うのにちょっとまごついてしまったよ。

 それでも、明かりがついてしまえばそこは城の中。

 凸凹も水たまりもない通路が続いているだけだ。

 『明かり』の魔法を片手に、『オレ』は無言で歩き続けている。

 城の内部は無駄なくらいに広い。

 おそらくは建造の目的が住居ではなく砦。

 隠れ里という名のいわゆる城塞都市、その中心だからだろう。

 城がそのまま村そのものという作りなのだと思われる。

 そうでなければ、廊下の幅が五メートルもあるような城はあり得ない。

 最初からこうだったわけではなく、『眷属』化してから作り続けた結果という気がした。

 敵のテリトリーの中であるわけだが、一向に襲ってくる様子がない。

 「なんのこたぁねぇ、なにもいやしねぇじゃねぇか。なぁ、あんた」

 なれなれしくオレの肩を叩きながら、ドルオレアがオレに話しかけている。

 お前の目は節穴かと問い詰めたくなった。

 高い天井の隅、素通りした横へ延びる道の奥。

 そこかしこに『眷属』はいる。

 こちらを監視しているのだ。

 オレたちが最奥へと向かうのを。

 そして・・・。


 「待ちわびたぞ」


 男の声、だが声音は細く高い。

 女性の発声だ。

 城の中心だろう空間に、見知った顔が立っていた。

 セシルだ。

 服とも呼べないような布を巻いただけの姿のせいで、いろいろ見えてしまっているが気にならないらしい。

 服を着るという知識は辛うじて残っているが、どんな服を着ようかというセンスを失っているようだ。

 「我の大半を喰らいし者、貴様を食い殺して我は甦る」

 高々と宣言してのけた。

 なのに、その顔に以前のような勝気な陽気さはない。

 傲慢さも。

 今目の前にいるのは、セシルの顔をしているが彼女ではなく。

 レオアルドを名乗るヴァンパイアでもない。

 中途半端な残り物の集まり。

 だからなのだろう、『眷属』をすべて喰らうことよりも優先してオレを誘い出したのは。

 まぁ確かに。

 レオアルドを滅ぼしたのはオレだ。

 奴のものだった経験値の大半がオレの中にある。

 『眷属』に注いでいた魔力を回収するより効率的に力を取り戻せるはずだと考えるのも無理はない。

 「偉大なるレオアルドの名の下、我が血肉となるがいい!」

 バサァッ!

 背中から黒い翼を生やして、急接近してくる。

 むろん、オレは迎え撃つべく『大丸三徳包丁』を構えていた。


 ドスッ!


 刃物が突き刺さる音。

 セシルの顔に禍々しい笑みが広がる。

 「ぎゃはははっ! やりましたぜ!」

 声高に成果を報告するのはドルオレア。

 オレの背中に短剣を突き立てたまま、大喜びだ。

 「これで、これで俺も『眷属』にっ。永遠の命を手に入れるっ!」

 なるほど。

 『不老』の力が欲しかったのか。

 吸血鬼は不死ではない。

 不死ではないが、数百年は生きる。

 他種族と比べ、短命な人間が羨むのに充分な力だろう。

 「よくやった。下僕よ。我がもとで生き続けることを許す」

 鷹揚に頷いて見せつつ、セシルがオレの首筋に牙を突き立てた。

 背中を刺されたオレは抵抗しなかった。

 かっこつけているけど、そのヨダレを何とかしないとダメだろ、などと冷めたことを考えてしまっている。

 首筋から大量の血が吸い出され・・・。

 「? なんだ? 血が吸えない?」

 首筋から顔を離して、呆然とするセシル・・・いや、レオアルド。

 その牙に、血の跡はない。

 「血が吸えぬ―!」

 半狂乱になって何度も首筋に牙を突き立てた。

 吸えると思い込み、すべて吸い尽くすべく噛みついたのに一滴も吸うことができない。

 飢餓感に苛まれているのだ。

 「そんなに吸いたいなら、これでも吸っとけ」

 「へ?」

 無邪気にはしゃいでいたおっさんの背中を蹴り飛ばした。

 よたよたと前へ進んだおっさん。

 レオアルドは血を持たないオレの体を投げ捨てて、これにくらいついた。

 すさまじい勢いで血が吸い上げられる。

 「へ?」

 呆然としていたおっさんの顔に恐怖がせり上がる。

 「ちが、違う! 俺は『眷属』になるのだ。吸われるだけじゃ、吸われるだけではっ!」

 慌てて藻掻くが、両腕と翼で押し包まれては逃げようがない。

 「ちがう・・ちが、う・・・ちがうぅぅ・・・」

 喘ぐ声も弱くなり、おっさんは灰と化した。

 「塵は塵に、おっさんは灰にっと」

 倒れているオレから、『大丸三徳包丁』を回収したオレに憐憫の心はない。

 裏切り者に同情はいらん。

 「それにしても、急ぎ過ぎたんじゃないか?」

 相対したレオアルドに、気軽な感じで話しかけた。

 「血を、何よりお前の力を保有しているオレと、何も持たない『擬態』の区別もつかない状態で戦おうとするなんて、な」

 そう。

 さっきまでの『オレ』は、オレに擬態したヒルダさんである。

 『明かり』の魔法を持たせて先に進ませ、オレは闇に紛れて後ろからついてきていたのだ。

 ヒルダとアントンの協力あっての囮作戦である。

 「そもそも。自分のものだって言いたい気持ちはわかるし、支配権を構築するのに必要だからなんだろうけども、下僕の名付け方がひどすぎるぞ」

 レオアルドとドルオレア。

 スペルの組み換えもなしで音節を並べ替えただけ。

 見え見え過ぎる。

 知能の減衰が著しい。

 まぁ、だからこそ早く取り戻したかったのだろうけどな。

 自分の力を。

 「ぐっ、うぐぅっ!」

 オレを避けるようにレオアルドが後退する。

 不用意に距離を詰めたことで『血抜き』された記憶が、鮮明に残っているのだろう。

 それにしても、本当に知的レベルがダダ下がりしている。

 これなら放っておいても自然に消滅したんじゃないだろうか?

 まぁいいか。

 ともかく、相手はこちらを警戒して距離を取った。

 実際、オレが吸血鬼相手に使える技は『血抜き』しかない。

 避ける方法として、接近戦に持ち込まないというのは正しい判断ではある。

 知識によるものと本能のなせる業、どちらであるにしても。

 だけど・・・。

 オレにはレオアルドの思いもよらない切り札がある。

 そうでなければ、わざわざこんな所へ来ていない。


 おっさん冒険者からセシルを見たと聞かされた瞬間から、今の状況をオレは予想していた。

 あの状態でセシルが生きていられる可能性。

 前後の状況から考えて、すでに『眷属』だったと考えるのが自然だった。

 ゲームの駒であると同時にオヤツだったのだろう。

 ときどき、つまみ食いをしていたのだろうと思われる。

 だとすれば、いろんなことが腑に落ちた。

 セシルは死んでいなかったのだ。

 『眷属』であってもヴァンパイアの再生能力があれば頭と内臓のみの状態からでも再生できるのだろうし、レオアルドから『血抜き』した血を吸収したりもできたのだろう。

 あとは埋められた地中で仲間二人を喰らい尽くし、身体を蘇らせて地上へと脱出。

 この地にまでやってくる。

 セシル自身ではなくレオアルドが復活しようとしていたことと、他にも『眷属』がいたことには驚いたが、それ以外は読み通りだ。

 他の『眷属』にオレと敵対する様子は見られないし、レオアルド「だったもの」がとりついていようと相手がセシルであればオレに不都合はない。

 距離を取られたことも。

 なぜなら、オレのセシルへの対応手段に距離は関係ないからだ。

 少なくも接近している必要はない。

 むしろ、相手からの反撃がきにくいってことだから、逆に有利ですらある。

 こっちは、オレの声が届きさえすればいいのだ。

 「目を覚ませっ!」

 オレがやろうとしていたのは、呼びかけ。

 吸血鬼化して埋没させられているらしい人の心への喚起である。

 または身体本来の持ち主を召還すること。

 「自分を思い出せ!」

 オレには切り札がある。

 「目を覚ますんだ!」

 会った時から気が付いていた。

 彼女が偽名を使っていることに。

 なぜなら、オレは彼女の本名を知っている。


 「セリカ・シルフィール!」


 ビクンっ!

 セシル・・・いや、セリカの体が激しく脈打った。

 吸血鬼は名前に支配されている。

 自分の真名を無視はできない。


 「お前の名前はセリカ・シルフィール。美しき獣使い(ビーストマスター)!」


 オレ的には「美しき」とかの言葉をつけるのは嫌いなのだが、かつて本人がした自己紹介がそれだったので使った。

 効果は覿面。

 セシルの凍り付いたようだった顔に感情が湧き上がる。

 苦悶の表情、そして憤怒だ。

 「これは、わたしの体だー!」

 憤怒の顔で叫ぶ。

 その瞬間、レオアルドは消滅した。

 呆気ない。

 同時に、セリカのほうにも変化が起きる。

 灰色だった髪が銀髪に、緑色だった瞳は紅くなった。

 ヴァンパイア化がさらに深度を増したということだろう。

 「ふー。バカにしてくれるわよね」

 床にへたり込みつつも、セリカが気丈に笑った。

 「クソヴァンパイアめ、ざまぁーみろ!」

 「大丈夫か?」

 「ええ。おかげさまでね」

 そう言ってセリカは、真顔になった。

 「でも、いいの?」

 「なにがだ?」

 「わたし、今ので『真祖』化したみたいなのよね。真祖を文字通り食った感じになるみたいなのよ」

 「だから?」

 「化け物を一人生み出したようなものだけど、いいのかってことよ!」

 イラ立った様子で睨まれた。

 「どうだろ?」

 オレは肩をすくめた。

 「知ったことじゃないよ。ただ、信じるだけだ」

 「へー、信じるって何を?」

 「昔、ヒドラに乳房を噛み千切られそうになっていながら、『この子は悪くない。私が未熟なだけ』。そう言ってヒドラを守った女の子がいた。その強さをだよ」

 「あ、あんた。なんでそんなこと知ってるのよ?」

 「さぁ? なんでだろうな? ヒルダ?」

 「ぴゅぃぃいいぃぃっ!」

 ぴょんっと本体のみで飛び出したヒルダが、機嫌よく尻尾を立てて見せる。

 「あ、あんた!?」

 びっくり顔のセリカがヒルダとオレを見て、恨めし気な目になった。

 「そっか。宿酒場んとこのガキか」

 おお。覚えていたのか。

 「なるほどねぇ。変に付き合いがいいと思ってたけど、そっちにとっては顔見知りだったからかぁ」

 脱力感まるだしで溜息を吐かれた。

 だが、そういうことだ。

 見ず知らずってわけではなかったから、オレの中で少しだけ距離感が近かった。

 放っておけなかった理由でもある。

 「いいわ。もう疲れた」

 そう言って、セリカは眠りについた。

 経験上、三日は目を覚まさないだろうな。


 「というわけで、案内してもらえるかな?」

 セリカをどうにかまともな寝台に寝かせたあと、ドワーフのおっさんに依頼した。

 名前はギラムというそうだ。

 「案内っつっても、見るとこなんぞそうないぞ?」

 「少しはあるってことだな」

 うんうん。

 無駄に頷くと、げんなりした様子で溜息を吐かれた。

 なぜだろう?

 解せない。

 「そうじゃなぁ・・・とりあえず農地かの」

 お?

 「ちゃんと生産してるのか?」

 「もとが隠れ里じゃからの。生きるためには農業ぐらいせんとな」

 社会から隔絶しているから、自給自足が必要だったと。

 当たり前か。

 吸血鬼と言えど、普通の食事もとるからな。

 ヴィエルとベリエも人間と変わらない食事をしていた。

 肉は可能な限り生の状態を好むようではあったけれど。

 『眷属』とされる前には普通の人間だったわけだし、農地は必要だろう。

 とはいえ・・・。

 「日の当たるとこには出られないんじゃないのか?」

 「三時間から四時間なら問題はない。それも直射日光での話じゃ。曇り空なら一日出ていても灰になりはせぬよ。貧血になるとか日焼けで水膨れが出たりすることはあるがの」

 「そうなのか」

 意外と耐性があるらしい。

 「それに、大半は屋内じゃ」

 指し示されたのは確かに畑だった。

 屋内と言いつつ、ようは日光を抑えるために屋根をつけて半日陰にした畑である。

 それもそのはず、育てているものというのはキノコだ。

 高さにして50センチにはなろうかという巨大なキノコで畑が埋め尽くされている。

 「すごいな」

 「水さえあれば、どんどん成長してくれる。わしらの主食じゃよ」

 半日陰で育てられて、肥料がいらず、場所も取らない。

 彼らには最適の食べ物なのだろう。

 「あ、味は?」

 キノコなのだろうか?

 そうだとして、しめじ? シイタケ? エレンギとかか?

 「あ、味なんぞ聞いてどうする?」

 首をひねられた。

 「オレは『調理』スキルがメインスキルの冒険者なんだよ!」

 いつでも新しい食材を探しているのだ。

 「・・・変わり者だろうとは思ったが、本当に変わりものなのじゃな」

 なぜかひねった首がさらにひねられた。

 へんなの。

 オレも負けじと首をひねってやった。

 ・・・かわいくないのは承知している。


 『アルルレンゲの塩焼き』。


 というわけで、実食である。

 見た目はまぁキノコだ。

 縦に裂いて塩を振り、焼いただけ。

 ここに住む者たちの定番料理であるそうだ。

 ちなみに、塩は付近の山から岩塩が採れるらしい。

 見た感じは全体に灰色、うっすらと茶色の斑点があるだろうか。

 臭いは・・・うん、結構臭みがあるな。

 口に入れてみると、パサパサ感がある。

 それなのに、独特の脂を感じた。

 噛むとゴムの塊かってなぐらいに硬い。

 不味いとは言わないよ?

 この世界では標準的だし?

 だけど、残念な気持ちは否定できない。

 キノコなんだから、もっとはずれのない味を期待していたのに。

 「でも、なんだろ?」

 うーんと唸ってしまう。

 何かが引っかかるのだ。

 オレはこれを食べたことがある気がする。

 どこでだ?

 「やはり臭いが気になるかの。普段は臭み消しの野草を添えるのじゃが、今は切らしておってな」

 「ああ、そうなのか。いや、臭いのことじゃないよ。別のことを考えて・・・」


 『変な臭いだね』

 『そうかい? よーく煮込むと美味しいんだよ?』


 思い出した。

 この世界ではなく、前の世界で食べたのだ。

 おばあちゃんが煮込んでいたのをつまみ食いして、変な臭いだと抗議したことがある。

 「牛筋だ」

 まったく何の処理もしていない牛筋肉の味なのだ。

 もしも、性質も同じだったなら?

 「長時間煮込んでみよう」

 そうだ。

 この世界では料理は捌いてその場で食すのが基本。

 数日かけて煮込むなんてことは誰も考えたことがない。

 焼くか炒めるか。

 煮るにしてもせいぜい数十分。

 半日煮込むだけで違ったものに変わるかもなんて、考える人間がいないのだ。

 やってみた者はいないはずである。

 試してみる価値はある。

 そして・・・。


 「涙で物が見えない」

 翌日、オレは泣いたね。

 確かめた結果?

 成功だったよ。

 紛れもなく『牛筋肉』だったね。

 オレの中ではそう定義した。

 で、なんで泣いているかだが・・・。

 目の前に、不完全ながらも元世界の料理がある。

 昨日から煮込んでいた『牛筋肉』とメスドラゴンに付き合っていた間に増産に成功していた『竹ダイコン』、『赤いコンニャク』、『メーメー肉の鶏ムネ肉で作ったツミレ』で『おでん』を作ってみたのだ。

 『赤いコンニャク』というのは、昨日話に上がった臭い消しの野草だ。

 この野草、通常の『臭い消し』の香草のように臭みを和らげるというものではなかったのだ。

 文字通り、臭いを消し去ってくれるのである。

 これを、ずっと飼育しておいた『メーメー』を絞めて、その血に混ぜて固めてみた。

 結果、臭いも味もほとんどない、食感がプルプルの『赤い何か』が生み出される。

 色は派手だが、その存在は紛れもなくコンニャク。

 これをオレはコンニャクと定義づけたのである。

 出汁取りでもある昆布がないのが味気ないし、煮卵のないのが哀しいが確かに『おでん』だった。

 泣けるってそりゃ。

 

 さらに二日後。

 付近を探索して岩塩を大量に手に入れ、もちろん『牛筋肉』の菌糸も十分に集めたオレは、この城をあとにした。

 目を覚ましたセリカは、本人も言っていたように『真祖』として覚醒し、当面は古城に住む『眷属』の取りまとめをするという。

 ある意味、自分の『眷属』でもあるわけだから責任があると考えているようだ。

 実は、ギクリとしたね。

 その考えでいけば、レオアルドの大半はオレの中にあるのだから、その『眷属』すべてにオレも無関係ではいられないってことになるのだ。なので、セリカがそのことに気が付かないうちに退散させてもらった。

 最大の懸念だったセリカの人格が、レオアルドに汚染されている可能性を否定できることが確認できたのだ。

 もう長居は無用だ。

 彼女の面倒なら、見るからに苦労人のギラムに任せてある。

 うまくやってくれるはずだ。

 あとはよきにはからえ、である。



名前:シェルフ・ボードフロント。

種族:人間(異世界転生者)。

職業:冒険者(冒険者ギルド所属の結界師、メインスキルは『調理』)。

スキル:1、『調理』。2、『境界』。3、『収穫』。4、『釣華』。5、『土操作』以下『?』。

手に入れた食材:竹モドキのダイコン、イモしょうが、ニンジンセロリ、チューリップに見えて花がピーマン、バラツタネギ、稲に見えて黄色いイクラ、鶏のむね肉、ヒドラの首ウナギ、木の実だけどエンバク。黄色くて地下になるナス。白い根キュウリ。緑色のカブ。落花生みたいなカボチャ。キノコの牛筋肉。臭い消しの野草と『メーメー』の血で作った『赤コンニャク』。

使い魔:闇属性のリクガメ『アントン』、ヒドラ『ヒルダ』、砂金シジミ五匹。



      閑話休題(セリカの明るい家族計画)


 まず何をすべきか?

 それを考えた。

 現状足りないものは?

 多すぎた。

 喫緊の課題とは?

 課題すら見つからなかった。

 だから、考えるのをやめた。

 忘れていたのだ。

 セリカ・シルフィールは頭のいい女ではない。

 考える前に走り出す女だ。

 そして必ず転ぶ。

 冒険者で挫折したように。

 レオアルドに『眷属』にされ、弄ばれたように。

 結果、犯罪者として死んだように。

 だけど、ただで起き上がりはしない。

 必ず何かを掴み取るのだ。

 レオアルドの力を奪ったように。

 「ギラム、決めたわ」

 顔を上げた。

 動くと決めて見れば、自明のことだ。

 「なにをしますんで?」

 「『眷属』の統制よ」

 「統制?」

 「現状、多すぎると思うの」

 『眷属』の数のことだ。

 実を言えば、私が把握できただけで千を優に超えるのだ。

 もちろん、この隠れ里だけの話ではない。

 レオアルドが気ままにうろうろ歩き回り、目につくや蹂躙した村々が他にもある。

 この数がざっと数十。

 ひとつの村につき人口が1000。

 そのうちの半分が年寄りだった、幼児だった、そんな理由で消え。

 さらに半分がレオアルドの気まぐれや、自殺志望の日光浴で灰になったとしても250人は残る。

 250×50として1万人はいる計算になるのだ。

 最大限で見積もれば・・・考えても仕方がないわね。

 ともかく、多すぎる。

  人数が?

 そう。

 分散している拠点の数が?

 そう。

 だから、まとめる。

 「散り散りになってる村々を吸収しましょう」

 「ここへ集めると?」

 「いいえ。ここは人間の町に近すぎる。もう少し先の山向こうに行きましょう」

 シェルフが簡単にここへ来れたように、ここは人間の町から近い。

 ほんの少し間違えれば、見つかる。

 見つかれば討伐隊が派遣される。

 そんなのはごめんだ。

 「では、どこへ行くと?」

 「場所は決めているわ」

 目を閉じて断言する。

 レオアルドの記憶にアクセスするのだ。

 あいつが百年程前に滅ぼした町の光景が目蓋に映る。

 山に囲まれた地形でありながら、平野が広がる地。

 現存する人間の町とは決して接点のない場所だ。

 あの場所で、町を再建する。

 そのために・・・。

 「自我のない者から順に、力の弱い者に取り込ませて。自我のある者に力を集積、主力とします」

 レオアルドがやりかけて放り出したことだ。

 意識を持たせ、意志のもとに統制する。

 『眷属』の絆を紡ぐのだ。



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