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閑話
それからの日々は、どことなく彼と距離が空いてしまったと思う。裏の世界から覗き見る表の親子たちを見ている限り、彼とは実の親子ほどに親しく暮らしていたわけではないと思う。むしろずっと他人行儀だったと思うし、ひどく歪な関係だという自覚すらあったが、それでもさらに距離が空いてしまった。
雪柳に聞いた全てを押し隠して彼と接することができるほど俺は出来ていなかったし、彼は彼で俺になにか訊ねてきたりすることはなかった。
そうして淡々と、例の仕事をしながら、ふたりの日々を送っていた。