フール・オン・ザ・ヒル
今は昔、木が6本生えてる丘に、億万長者たちが大勢住んでいました。
億万長者たちは、"丘の民"と呼ばれており、ダンス、歌、そして相場占いなどがとても得意な芸能の民たちでした。
ある時、どこかの国のなんとかという人で、たいそう貧乏な人がやって来て、尋ねました:一体どうすれば、わたしもあなたたちのような億万長者になれるでしょうか?。
丘の民曰く:わたしは秒速で億を稼ぐことができます。あなたはわたしの弟子になりなさい。
なんとかいう人:はい、わたしはそうします。わたしはあなたの弟子になります。
てなわけで、なんとかいう人は億万長者の弟子になりました。
弟子:先生、億万長者の極意とは、何ですか?。
億万長者先生:多くの人々が、金を稼いで、そして億万長者になろうとする。しかし、実際は話は逆なのだ。まず、億万長者となり、それから金を稼げばよいのだ。
弟子:なるほど…??。
と、そこに、突然、お役人たちが現れて言いました。
お役人その1:あいすみません。お話の途中ですが、いまから、私たちがあなたの家の中を捜査します。私たちは、あなたの作成したこれらの帳簿に重大な嘘とごまかしがあることを見抜きました。
お役人その2:あなたは逮捕されます!。
億万長者先生はたちまちのうちに逮捕され、一夜にして一文無しとなり、丘を追い出されてしまいました。
弟子、たいそう嘆いて曰く:なんとまあ、世の中のむなしいことであることよ。このようにむなしいことが他にあるだろうか(いや、ない。)
弟子は、彼が可能なかぎりの素早さで彼のすべての財産を捨てて出家し、悟りを開いてのちに禅のマスターになったとのことです。
(おわり)