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童子の青白き狸より奇しき験力を得る縁
昔、昭和天皇(第124代天皇)のみ世に、ひとりの信心深い童子がいた。童子は土管が3本積んである空き地で遊ぶことをたいそう好んでいた。
あるとき、童子の前に青白い狸が現れ、狸はいろいろの奇妙な道具を童子に授けた。
童子は竹蜻蛉で空高く飛び回ったかと思えば、海の底や地の底を駆けめぐり、さすと雨の降る傘で雨を降らせたりした。
また、不思議な蒟蒻を食すことにより、あやしげな言葉を話す異形の者たちと意思疎通を図ることもできた。蒟蒻には味噌味のものもあった。
またある時は、龍、白虎、天翔ける馬などを操り、悪しきはかりごとを為そうとする精霊大王を討伐し、たくさんの人々を救い出した。
このとき助け出された人々が作った国が、わが国の始まりと言い伝えられている(校訂者注:時系列がいまいちよくわからないが)。
なお、青白い狸は、銅鑼焼きという焼き菓子がたいそう大好物であったという。
なんとも奇妙な話しであることよ。
(おわり)




