無償の愛
化け物になってしまった僕の身体を見て
あの頃を思い出す。
笑うだけで褒められた。
呼吸するだけで周りを笑顔に出来た。
あの頃は、無償の愛が沢山、貰えたんだ。
本当に楽しかった。
でも、いつからか、愛は
期待へと変わっていった。
僕は、その期待が怖かった。
期待へ答えられないのなら
愛が貰えないと思ったんだ。
そして、怯え続けてこんな化け物になった。
でも、化け物になって、宝箱に気付いた。
そこには、沢山、見えなかった愛が詰まっていたんだ。
いや、本当は、見えないふりをしていたんだ。
無償の愛が信じられなくて、傷つくのを恐れたから。
逃げていたのは、僕だった。
なのに、飢えている。
自分勝手な欲望だ。とても醜い。
あぁ、愛が欲しい。
こんな、化け物にもう一度、無償の愛をくれるだろうか。
飢えて、苦しくて仕方がないんだ!!
「助けて」
読んで下さってありがとうございます。
悲劇にしていたのは、「僕」だった。
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