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00 プロローグ

 天界。それは自らを契約者と呼ぶ者が暮らす所である。六枚の白い翼を羽ばたかせながら二人の契約者が天界から人間界を覗いていた。



「次は日本か……どうも俺達はこの国に縁があるらしい」



 長身の契約者が天界から見える映像を見ながら隣にいる茶髪の契約者に話しかける。



「平等と言う名の不平等。そう言われている所だね。ぼくも転生前はこの国の住民だったのだけは覚えているよ。……それ以上思い出したら、契約違反かな?」



 茶髪の契約者は張り付いた笑みを浮かべながら返事をする。それを聞いた長身の契約者は仏頂面で彼を見ていた。




「生前の全てを思い出したら契約違反で俺が裁くだけだ」


「さっすがぁ。裁きの大天使ミカエルだね」




 茶髪の契約者が張り付いた笑みを長身の契約者へと向ける。長身の契約者は自身の隣に魔力を使い、扉を作った。




「そろそろ時間だ。俺はいつも通り、一色(いっしき)(たける)として過ごす。ガブリエル、お前はどうする」


「ぼくもいつも通り、光明(こうみ)(ひかる)を名乗るよ。ぼくが唯一ハッキリと覚えている、生前の名前でね」




 視線を扉へと移動させる茶髪の契約者。その扉にも人間界の映像が現れる。そこには黒髪の少女が映された。



「あの少女が今度のラファエルか。……行くぞ」



 長身の契約者は仏頂面を保ちながら茶髪の契約者を横目で見る。その時、茶髪の契約者が一瞬だけ目を見開いたが、すぐにいつもの表情に戻った事により、それ以上の追求をしなかった。



「へえ……。今度のラファエルは随分気が強そうだね。そして、どことなく、初代のラファエルに似ている気がするよ」



 茶髪の契約者は一瞬だけ儚い笑みを浮かべる。しかし、直ぐに張り付いた笑みへと表情を変えると、口を開いた。



「……。大丈夫。今度のラファエルもちゃんと愛しているよ」



 それを聞いた長身の契約者は人間界へと続く扉を開けた。

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