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プロローグ
始めてそれをしたのは、小学生の頃。
理由はもう忘れてしまった。
けれど、その時の感情ははっきりと覚えている。
気持ちいい。
不安定だった情緒がひんやりとしたそれを優しくあてた瞬間に落ち着いた。
私は握った手に軽く力を込め、何度も左右に動かした。
じーんと痛む手首を見つめ、すぐに消える痕を撫でる。
それが私の始まりだった。
あの頃は定規だったそれが、いつからかカッターナイフになり、またいつからか、私はリスカちゃんと呼ばれるようになっていた――。
始めてそれをしたのは、小学生の頃。
理由はもう忘れてしまった。
けれど、その時の感情ははっきりと覚えている。
気持ちいい。
不安定だった情緒がひんやりとしたそれを優しくあてた瞬間に落ち着いた。
私は握った手に軽く力を込め、何度も左右に動かした。
じーんと痛む手首を見つめ、すぐに消える痕を撫でる。
それが私の始まりだった。
あの頃は定規だったそれが、いつからかカッターナイフになり、またいつからか、私はリスカちゃんと呼ばれるようになっていた――。
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