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東方幻人録  作者: ポカ猫
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第4話 紅魔館へ

皆様、まず土日の投稿が出来ず大変申し訳ありませんでした。

今日からまた毎日投稿目指して頑張りますのでよろしくお願いします。

 先日の事があってから、妖夢さんが素直過ぎて恥ずかしいくらいに甘えてくるようになった。


「義人さ〜ん、背中流しますよ〜」


 以前幽々子さんがやろうとして、妖夢さんが怒っていたことを今度は妖夢さんがやってきているなんてことも多くなった、さっきなんてあ〜んをやられてしまった。


「いや、妖夢さん。それは流石にちょっと……」

「ダメですか……?」


 妖夢さんが涙目になり、俯いてしまった。

「あ、いや…… お願いします……」

「はい!」


 すると、満面の笑みで俺の背中を洗い始めた。正直言うととても嬉しい。でも、日を重ねる毎に幽々子さんが少しづつ不機嫌になっていき、なだめるのが大変だ。


「義人…………」


 風呂から出ると、幽々子さんが両手を広げて俺を見つめてきた。


「どうしました幽々子さん?」

「…………ハグ」

「えっ!?」


 幽々子さんはほっぺたを膨らまして。


「妖夢とイチャイチャしてて羨ましかったからハグして」


 ハグって…… ちょっとこれはキツいんじゃないか?


「あの…… 幽々子さん?」

「私とはそういう事出来ないの?」


 そんな目で見られると断れない……

 そして俺は、幽々子さんと30秒ほどハグをした。


「これで良いでしょうか?」

「うん、ありがとう〜♪」


 誰が見てるという訳では無いが、ここにいると恥ずかしさのあまりに死んでしまいそうだ。


「じゃあ…… 自分ちょっと永遠亭の方で妹紅さんと能力の練習をしてきます」


 身支度をし、永遠亭へと向かった。



「永琳さん…… 幽々子さんに何か言いました?」


 薬の調合をしながら、永琳さんは曖昧な返事をした。


「さぁ〜?どうでしょうね?」

「このままだと俺の体が持たないです」


 すると、永琳さんが振り返り笑顔で答えた。


「いっそのこと2人と付き合っちゃえば?」

「それなら慧音も入れろよな」


 俺の意見を聞かずに、勝手に話を進める2人。


「妹紅さん、変なこと言ってないで稽古をつけてくださいよ〜」


 そう言うと、すまんすまんっと妹紅さんが軽く謝り、2人で永遠亭を後にした。

 妹紅さんとの練習は、基本相手の姿を模倣する練習だった。妹紅さん曰く、姿を模倣できるようになれば、能力も一緒に付いてくるだろうという事らしい。

 そんな生活をしていき、そろそろ俺が幻想郷に来て1ヶ月近くが経とうとしていた。



「遂に…… 出来た!」


 今の俺の姿は目の前で本を読んでいる妹紅さんの姿になっている。


「おぉ、遂に出来るようになったか」


 すると、妹紅さんが読んでいた本を閉じて手から炎を出した。


「炎も出せるようになってます!」


 俺の手には妹紅さんが出している炎と全く同じ物が出ていた。


「って言うか、声も同じになるんだな。それなら、ちょっと能力を試すって言うのも兼ねて、悪戯しに行かないか?」

「悪戯?」


 妹紅さんがとても悪い笑みを浮べていた。


「お前もうそろそろ慧音の所へ手伝いに行く時間だろ?その時にその姿のまま行ってみろ」


 俺はあの日以来、暇な時は慧音さんのところで授業の手伝いをしていた。


「慧音がどんな反応するのかが見てみたい」

「えぇ〜…………」


 とにかく行くぞ!と、引っ張られそのまま寺子屋へ連れていかれた。



「いいか、しっかり私の喋り方を真似するんだぞ?」

「……はい」


 あまり気は進まないが能力の練習って言われると……


「おい、慧音!もう授業始まるのか?」


 全力で妹紅さんの喋り方を真似する。すると、慧音さんが笑顔でこちらに来てくれた。


「あぁ、妹紅か。そうだな、義人が来たら授業を始めようと思っているんだが義人が来なくてな。いつもならもう来ている時間なんだが」


 慧音さんが困ったような顔をして俺の心配をしてくれている。

 ごめんなさい慧音さん!俺、目の前にいるんです!


「そうなのか…… そりゃ義人を怒ってやらなきゃならないな」

「いや…… 妹紅いいんだ、心の準備をするのにはこれくらい時間が空いた方が丁度いいんだ」


 心の準備?慧音さんもしかして………


「慧音、義人と顔合わせるの嫌なのか?」


 これは、妹紅さんから俺へ慧音さんの気持ちに気づけというメッセージなんじゃないか?


「そんなことあるわけないじゃないか!」

「お、おう……」


 よかった、嫌われているわけではないのか。でもすごい剣幕だったな。


「ふう…… やっと心の準備ができた、これならもう大丈夫だ」

「慧音は義人のことどう思っているんだ?」


 ここは妹紅さんの姿を借りて、慧音さんが俺のことをどう思っているのかを聞いておきたい。


「前にも話さなかったか?」

「えっ!?いや、その時と気持ちはどう変わったかな~っと思ってな」


 まずい!この質問はすでに妹紅さんが聞いていたのか!これは気づかれたか?


「あぁ、そういうことか。それでもこの前と変わらず大好きだぞ?」

「ほう、そうなのか………って」


 あれ、今なんか空耳が聞こえたのかな?慧音さんが俺のこと大好きって言っていたような気がしたんだが、聞き間違いだよな。


「すまない慧音、もう一度言ってくれないか?」

「構わないぞ、義人のことは大好きだぞ」


 聞き間違いじゃなかったのか……

 いや、とてもうれしいんだが。でもこれ、今もし集中が切れて能力が切れたりなんかしたら………… ん?慧音さんが顔を真っ赤にしてこちらを見ている、何かあったのだろうか。

 自分の姿を見ると、能力が解けて元の俺の姿になっていた。


「えっ…… 義人か?」

「あ…… こんにちは……」


 すると、慧音さんの顔がもっと赤くなり。


「う…… うわぁぁぁぁ!!」


 悲鳴を上げて教室の隣の部屋に閉じこもってしまった。


「あ~あ、やっちまったな~義人」


 横を見ると妹紅さんがにやにやしながら俺の横に立っていた。


「もともとこれが目的だったんじゃないですか?」


 まぁな、と笑いながら慧音さんのいる部屋に妹紅さんが入っていった。

 これじゃあ授業はできないな、そう思い生徒たちに今日はもう帰っていいと告げておいた。



 しばらくすると、目に涙をためた慧音さんが部屋から出てきた。


「取り乱してすまなかった」

「いや、俺の方こそこんなことしてすみませんでした。騙すつもりはなかったんです」

「それはもう大丈夫だ、妹紅から事情は聞いた。能力の練習の為だったんだろう?」


 慧音さんがハンカチで涙を拭うとそれをしまった。


「はい、妹紅さんに口調などを練習する為にと言われまして……」

「それに関してはもう本人と全く同じだった。それより、形的には私は義人に告白をしたということになるんだが、答えを聞かせてもらっても良いか?」


 横を見ると妹紅さんがやはりにやにやと笑っていた。


「………2番目……」

「えっ?」

「君にもし心に決めた人がいるというのなら、私は2番目でも3番目でもいい。私を愛してはくれないか?」


 2番目って、それ2股、3股っていうやつではないのだろうか?


「ここでは一夫多妻、一妻多夫、一夫一妻どれも認められている別に問題ではない」


 妹紅さんがどこから持ってきたのだろうか、団子を食べながらそんなことを言い出した。


「そういうことだ、だからどうだろうか?」

「………… 少しの間考えさせてもらってもよいでしょうか?それは、答えを先延ばしにしたいとかそんなことではありません、慧音さんの気持ちを考えてしっかりと答えを出したいんです」


 そう簡単に決めていいことではない。それは、慧音さんのこれからの人生に大きく影響することだ……


「冗談だよ」

「えっ?」

「義人がこのことを伝えられたら、どんな反応をするのか聞きたかったんだ。私のことをしっかり考えてくれてうれしかった。あと私は、一夫多妻は嫌だ。1番がいいんだ、だからもう少し自分を磨いてもう一度しっかりと告白するよ」


 そういって、笑顔で俺の方を向いた。


「慧音は独占欲が強いからな、そんなことだろうと思ったよ」

「妹紅!!」


 すると、妹紅さんは笑って慧音さんの頭をポンポンと叩いていた。


「義人、慧音はこういうやつだ。今日こんなことがあったが、これからも今までと同じように接してやってくれ、慧音も明日になればいつもと同じようにお前に接してくるだろうさ」


 そういって、買い物でも行こうぜっと言い外に出た。


「待ってください、俺も一緒に行きます!」

「私も暇だから一緒について行こうかな?」


 二人で妹紅さんの後をついていって寺子屋の外に出ると、外の様子がおかしかった。

 紅い霧が太陽を覆って光を遮っていた。


「この霧…… 紅魔館か、慧音!博麗の巫女へ連絡をしに行くぞ。義人は紅魔館へ先に向かえ、見たところ姿を模倣すれば身体能力も真似できるみたいだったし、紅魔館の連中とも戦えるはずだ」

「わかりました、ちなみに紅魔館はどこでしょうか?」


 妹紅さんと慧音さんはもう博麗神社に向かう準備をしていた。


「あそこに見えるでかい屋敷が紅魔館だ、気を付けて行けよ」


 そう言い残し妹紅さんと慧音さんは博麗神社に飛んでいった。



 人里を抜けて、森を抜けるとそこには紅に染まった屋敷があった。

 屋敷の前にはチャイナ服のような物を着た女の人が立っていた。


「どちら様でしょうか?見ない顔ですね、それよりなんのご用でしょうか?」

「この紅い霧を止めに来ました」


 すると、その女性は武道の構えをした。


「そうですか、霊夢さんの方が先に来ると思っていましたが。侵入者とあらばここで排除しなければなりません。私の名前は紅美鈴(ほんめいりん)、全力で行きます!」


 美鈴さんが俺に対して戦いの準備を促してきた。


「丁度良かったです、何も考えずに体を動かしたいと思っていたんです」


 そして俺は、目の前にいる美鈴さんに姿を変えた。


「面白い能力ですね」

「驚かないんですね、普通目の前に自分が現れたら驚くような気がしますけど」


 すると、美鈴さんは笑いながら答えた。


「そんなことにいちいち驚いていたら、この紅魔館では命がもたないですよ」

「そうなんですか」


 俺は美鈴さんと同じく武道の構えをした。


「準備はよろしいですか侵入者さん」

「えぇ、もちろん」


 返事と同時に2人は勢いよく目の前にいる相手に向かって走り出した。



「いざ、参る!!」

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回更新は火曜日になります。

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