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東方幻人録  作者: ポカ猫
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第25話 果し状

お待たせしました!

今回は義人が全く話さない回です……

三人称視点で書いてるので読みにくいかもしれません

次の回からは普通に戻ります


では、本編をどうぞ!

「型の練習はもう完璧かな。あとは最後のページに書いてあった、奥義はお前の胸の中にあるって言葉だよな……」


 説明が曖昧すぎる……


「はぁ~…… どうしようかな…… んっ?」


 俺が修行をしている場所のすぐ近くの木に矢文が飛んできた。


「矢文?どれどれ……」


 この果し状、草履屋からだ……

 報告をするために紅魔館に戻る。


「レミリアさん、草履屋から果し状が……!」

「知ってるわ。私たちのところには招待状が来てたわ。市井義人の最期を見に来いってね」


 レミリアさんは招待状を真っ二つに破り暖炉に放り投げた。


「行ってきなさい。私たちは他に招待状をもらってるであろう奴らをなだめてから行くから」

「はい、でも時間まではまだまだあるのでもう少し剣術の確認をしてきます」



 義人がレミリアの部屋から出たのを確認し、レミリアは咲夜に耳打ちをした。


「義人を里から追いだそうとしてる連中だ、何をするか分からない。招待状をもらってる奴らをなだめるとともに、奴らが卑怯なことをした場合私たちも加勢することを伝えてきて。私は今から霊夢のところに行ってくるわ。霊夢のところに招待状が届いているとは思えないからね」


「かしこまりました……」




 咲夜はまず、こんな時一番血の気が多くなる魔理沙のところに行くことにした。


「魔理沙、やっぱり一番最初にきて正解だったわ」


 咲夜が魔理沙の家を訪れると、魔理沙は血相を変えて身支度をしているところだった。


「なんだ咲夜、私は今急いでるんだ。早くこれを送ってきた奴に制裁をしに行かなきゃいけないんだ」


「だから来たのよ。まず落ち着きなさい、義人さんが簡単に負けるわけがないでしょ?それと、もし相手が卑怯な手を使ってきたら私たちも加勢することにしたから。制裁をするならその時にして?」


 それを聞いた魔理沙は、少し落ち着いたのか。手に持っていたミニ八卦炉をポケットにしまった。


「わかった。その時は容赦しなくていいんだよな?」

「ええ、思い切りやっていいわ。私もそのつもりよ」


 魔理沙には、アリスの説得を頼み咲夜は次は白玉楼に向かった。




 白玉楼に着くと、妖夢が楼観剣と白楼剣を研ぎ石で研いでいた。


「あ、咲夜さん。紅魔館にも招待状来ました?」

「ええ、来たわよ。それで今は何をやっているの?」


 妖夢は剣を研ぐ手を止めて、咲夜を客間に通しお茶を振舞った。


「今は、もし草履屋の亭主が卑怯なことをした時に義人さんを守るための準備をしているんです」

「あら、意外と冷静なのね。案外取り乱しているとばかり考えていたのだけど」


 それを聞くと妖夢は、にっこりと笑った。


「義人さんが負けるなんて思ってませんから」

「そう、なら安心したわ。その時は私も協力するから。ところで、あなたのご主人さまは?」


 いつもなら、妖夢の近くでお茶を飲んでいるはずの幽々子が、どこにも見当たらないことに疑問に思い、咲夜は妖夢にそう聞いてみた。


「幽々子様は招待状を見た途端、紫さんを慌てて起こしに行きましたよ」


 妖夢に、幽々子が戻って来たら今のことを伝えてほしいと伝え、咲夜は次に妖怪の山に向かった。




 妖怪の山に着いた咲夜は来る順番を間違えたと落胆した。

 新聞屋の中からは、たくさんの天狗の声が飛び交っていた。

 どう、この招待状を送ってきた奴を始末しようかというかなり危ない内容だった。


「そういえば、義人さんが天狗のネットワークに含まれたのをすっかり忘れていたわ…… 魔理沙より先にこっちに来るべきだったわね……」


 咲夜は新聞屋の戸を軽く叩き、誰かが出てくるのを待った。


「はい、どちら様ですか?今私たちは忙しいんですが……って咲夜さんじゃないですか?どうしました?」


 出てきたのは切羽詰まった表情の文だった。


「どうしましたじゃないわよ。外から丸聞こえだったわよ、そっちにも招待状届いたんでしょ?」


 すると、 文は状況を把握したのか咲夜を新聞屋の中に通した。

 中に入ると、たくさんの天狗たちが人里の地図を見て作戦会議をしていた。


「皆さん、少し私の話を聞いてください」


 咲夜は、文とエルに事情を話した。


「ふむ…… よく考えれば義人さんが簡単に負けるわけないですよね。じゃあ咲夜さんの作戦にのりましょうかエルさん?」

「そうしましょうか」


 エルと文の了承を得て、なんとか天狗達の突撃は防げたようだ。


「ところで、ここにいる天狗達は……」

「皆、義人さんに頭を撫でられて落ちちゃった人たちです」


 天狗達は少し恥ずかしそうにしながら自らの持ち場に戻った。


「じゃあ、夜は空からの監視をお願いね」

「任せてください!」


 文は咲夜に力強い返事を返した。



 咲夜は山を降りて、人里に向かう途中ミスティアの屋台を見つけた。


「ミスティアさん、こんにちは」

「あら、咲夜さんじゃないですか。お久しぶりです」

「ミスティアさんにも招待状が届いてるんじゃないかと思いまして」


 するとミスティアは食器を洗う手を止めた。


「えぇ、届きましたよ?」

「随分と冷静ですね」

「信じてますから」


 ミスティアの店を後にし、咲夜は人里にある今回の果し合いの震源地、寺子屋に来ていた。




「妹紅、離してくれ!!」

「離すわけないだろ!落ち着け!!」


 寺子屋からは慧音と妹紅が言い争う声が聞こえた。


「は〜…… この人は落ち着いてると思ったんだけど……」


 咲夜が寺子屋に入ると、慧音が妹紅に取り押さえられていた。


「咲夜!妹紅をどかすのを手伝ってくれ!」

「手伝わないわよ、私はあなたをなだめるために来たんだから」


 咲夜は妹紅と共に慧音をなだめ始める。




 一方その頃博麗神社では……


「果し合いねぇ〜 義人が勝つんじゃないの?」

「そういう事じゃなくて!霊夢は義人を人殺しにしたいの?」


 レミリアは日傘をさし、博麗神社に来ていた。


「義人はよっぽどの事がない限り、殺す一歩手前でやめるわよ」


 霊夢は、煎餅をかじりつつお茶を湯のみに注ぎ、レミリアにそう答えた。


「よっぽどの事って何よ?」


「例えば、自分じゃなくて観客であるあんた達に危害を加えた時かしらね」

「そう…… ところで霊夢は来るの?」

「招待状は貰ってないけど一応行っておこうかしら」


 霊夢は腰を上げ人里に行く準備を始めた。


「じゃあ私は先に帰るわ。夜に人里で、後もしもの時は邪魔しないでね」

「分かったわ……」


 レミリアは返事を聞くと、また日傘をさして紅魔館に帰っていった。


「あいつも愛されたものね……」


 霊夢は飛び去っていくレミリアを見ながらそうつぶやいた。




 咲夜が紅魔館に帰ってくるのとほぼ同時にレミリアも紅魔館に帰ってきた。


「お嬢様、どうでしたか?」

「こっちは大丈夫よ。咲夜の方は?」

「はい、こちらの方も大丈夫です。後は、時間まで待つだけです」


 レミリアと咲夜も身支度を始めた。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


次回更新予定日は土曜日か日曜日になります

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