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東方幻人録  作者: ポカ猫
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第2話 いざ博麗神社へ

更新来週じゃなかったですね。

なんとか書き上げたのに短くて申し訳ないです。

次回は少し量を多くします。

 とてつもなく長い石段を登り、大きな鳥居をくぐったら、その奥には住居と繋がっている神社があった。


霊夢(れいむ)さーん!いますか〜?」


 妖夢さんが大きな声で神社に向かって叫んだ


「縁側の方に居るわよ〜」


 その声を頼りに神社の縁側に移動すると、そこには赤い巫女服に身を包んだ女の子と、いかにも魔法使いですという服装の女の子が湯呑みでお茶を飲んでいた。


「あ、魔理沙(まりさ)さんも居たんですね」

「妖夢じゃないか、その隣にいる奴は誰だ?」


 魔理沙さんが俺のことを指でさして聞いてくる。


「あ、俺は市井義人と言います。昨日からこの幻想郷で暮らすことになったので巫女さんに挨拶をしに来ました」

「霊夢、お前の客みたいだぞ」


 すると霊夢さんは俺に近づき俺のことをまじまじと見つめ始めた。


「ふーん、幻想入りしてきたの。まぁ、問題さえ起こさなければなんでもいいわ」


 そう言って再び縁側に戻りお茶を飲み始めた。


「霊夢さん、義人さんにスペルカードの作り方を教えてあげてくれませんか?」

「いやよ、めんどくさい」


 魔理沙にでも頼めば?と丸投げされてしまった。


「私は別にいいぜ、ただし私のスペカの実験台になってくれよ。そしたら教えてやるぜ」

「魔理沙さん!?そんな事したら義人さんが死んじゃいますよ!」


 妖夢さんが慌てながら魔理沙さんを怒り始めた。


「避ければいいんだよ、私も当たれとは言っていないしな。打つ相手がいた方が威力も確かめられるっていうだけだ」


 避けてもいいのなら……と妖夢さんが引き下がった。


「で、義人とやら。それで文句はないか?」

「はい、大丈夫です」


 避けなきゃ死ぬ……。でも、ここで逃げたら男じゃないだろ。



「じゃあ義人以外は離れときな、最大出力でいくぜ!」


 魔理沙さんが何やら8角形の道具を取り出した。


「恋符「マスタースパーク」!!」


 すると、魔理沙さんの道具からとても長くて太いレーザー衝撃波と共に飛んできた。


「義人さん!避けてください!死んじゃいますよ!?」


 妖夢さんが涙目になりながら、俺に向かって叫んでいる。しかし、なんだろうかこの感覚は。頭の中で何かを唱えろと言っているような感覚は。

 そして俺は紫さんに貰った真っ白のスペルカードを取り出し、頭の中に浮かんだ言葉を流れるように唱えた。


「………… 恋符「マスタースパーク」!」


 その瞬間スペルカードが光り、そこから魔理沙さんが撃ったマスタースパークと全く同じものが飛んでいった。そのまま魔理沙さんのマスタースパークとぶつかり、2つとも一緒にはじけ飛んだ。


「どういう事だ義人!お前スペカ使えなかったんじゃないのかよ!あと何で私のスペカが使えるんだよ!」


 魔理沙さんが俺に迫ってくる。

 実は言うと自分でもどうしてスペルカードを使えたのか全くと言っていいほど分からない。


「相手を模倣する程度の能力………」


 霊夢さんが難しい顔をしながらそうつぶやいた。


「なんですか?その相手を模倣する程度の能力って」


 俺が聞きたかった事を妖夢さんが霊夢さんに聞いてくれた。


「先代の博麗の巫女の時代にいたとされる能力、相手の技、能力、そして能力が成長すると相手の姿までも模倣する事ができると言われていたおとぎ話みたいな能力のことよ。相手の能力を使うからスペルカードも少なくて良い、だから紫は義人にスペルカードを1枚しか渡さなかったのね」


 霊夢さんが妖夢さんに説明をし終わると、やっと謎が解けたと言わんばかりに満足げな顔をしていた。


「でも俺皆さんみたいに空を飛んだり出来ませんよ」


 そんなことを霊夢さんに言うと、返事が返ってきたのは霊夢さんではなく、昨日聞いたあの女の人の声である。


「まだ能力が開花しきってないのよ」


 見たことのある大穴から紫さんが飛び出してきた。


「紫!いきなり出てこないでよ!びっくりするでしょ!?」


 霊夢さんが紫さんを怒鳴り始めた。


「どうしたの霊夢?久しぶりに会うから照れてるの?」

「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ!さっさと説明しなさい!」


 すると紫さんは冗談も分からないのかしら?と言い説明を始めた。


「義人にその能力があることは私はこの幻想郷に義人が来たときから分かっていたわ、だからその能力を早く開花させるために永遠亭、白玉楼、紅魔館、地霊殿、是非曲直庁、が書かれた紙を選ばせてそこに送り込んだ。どの場所も能力開花をするならうってつけの場所だったから。」


 他にも天狗の里とかも入れたかったんだけどねと付け足し、俺たちへの説明を終えた。


「私が聞いているのはそういうことじゃないの!なんでその能力が義人に付いてるのかって話をしてるのよ!」


 と霊夢さんは納得がいっていない様子。


「そんなことは私にも分からないわよ、義人にその素質があったんじゃない?」


 紫さんはお茶を飲みながら霊夢さんの言葉を適当に流してしまった。

 相手を模倣する程度の能力か……… なんかすごい能力だな、俺なんかに使いこなすことが出来るのか?


「その能力を使ったから、私の剣術を真似できたんですね」


 妖夢さんが納得したという顔をしながら紫さん同様お茶を飲んでいた。


「その能力の可能性は無限大よ、先代の博麗の巫女の時代の時は相手の姿までしか模倣する事が出来なかった。能力が成長し続ければ、模倣した相手の記憶にある人物にもなることが出るかもしれないわ」


 紫さんが最後に俺に四角い物体を渡してきた。


「その能力をもう少し使えるようになったら自然とそれの意味が分かるわ」


 そういって紫さんはまたあの大穴に入って消えてしまった。



「相手の能力を真似できるってすごいじゃないか!」


 魔理沙さんが興奮しながら俺の肩を揺らしている。


「その能力を使って悪さなんでしないでよね、厄介にもほどがあるわ」


 そういって霊夢さんが魔理沙さんを俺の方から引き離してから、妖夢さんに現時刻を教えた。


「もう12時になるわよ。西行寺(さいぎょうじ)の主が待っているんじゃないの?」

「あっ!幽々子様のお昼ご飯の時間です!早く帰らないと、義人さん行きましょう!」


 妖夢さんに急かされて俺は急いで神社を後にするのであった。


 妖夢と義人が神社を出てから少し経った頃霊夢がニヤニヤとしながら魔理沙に話しかけた。


「よかったわね~ 魔理沙、好きな人の体に触れられて」


 すると魔理沙は顔を赤くしてわたふたし始めた。


「な、何言ってるんだよ霊夢!そんなんじゃないぞ!」

「顔が真っ赤よ、あんたがスペカの実験台なんて頼むなんて相当気に入った相手にしかしないもの。それくらいわかるわよ」


 霊夢が落ち葉の散らばった境内を箒で掃除しながら何年の付き合いだと思ってんのよと口にした


「違う!あれはスペカの作り方を教える条件のつもりだっただけだ!」

「はいはい、じゃあそういうことにしとくわよ」


 だから違うって~!という魔理沙の叫び声が博麗神社の境内に響くのであった。



 今度は白玉楼に行くための石段を登りながら妖夢さんと雑談をしていた。


「相手を模倣する程度の能力か~、今考えると本当にすごい能力ですね」

「そうですね、自分にこんな能力があるなんてなんだかもったいないような気もしてきました」


 正直言うとこの能力悪事を働くものが持ったら色々な使い道が出来てしまうと考えている。例えば、能力と共に力の強い妖怪に模倣する事で人間の里のバランスを崩そうと考えるものもいるだろう。


「そんなことないですよ!義人さんは素質があってその能力になったんですからもっと自信を持つべきです」


 妖夢さんがほっぺたを膨らましながら少し怒っている。あ~、可愛いな……


「妖夢さんは本当に可愛いですね」

「なんですか!?そうやってまた私の気をそらそうとして」


 と妖夢さんは今度は顔を赤くさせてもじもじし始めた。本当に喜怒哀楽が分かりやすい人だな~。

 そんなことをしているうちに白玉楼について幽々子さんを合わせた3人で昼食をとった。


「博麗神社ではどうだった?」


 幽々子さんが食後のプリンを食べながら、午前中のことを聞いてきた。俺は午前中に起こったことを幽々子様に簡単に説明した。


「そうなの~、大変だったのね~」


 そういうと幽々子さんは自分が食べていたプリンを一口分すくうと俺の口の前に持ってきた。


「頑張った義人にご褒美よ~。はい、あ~ん♪」

「いや、幽々子さん…… それは恥ずかしいですよ……」


 すると幽々子さんは悲しそうな顔をして


「私のプリンは食べられないの?」


 そんな風に聞かれたら、断りずらいじゃないですか…… 恥ずかしい思いを飲み込んで幽々子さんの差し出してくれたプリンを一口食べる。


「どう?美味しい?」

「はい、とても美味しいです」


 今食べたプリンは妖夢さんの手作りの物らしく口に入れた瞬間解けるに優しい味が広がった。


「義人、午後の予定はどうするの?」


 幽々子さんが、残りのプリンを食べながら聞いてきた。


「特に予定はないですね」

「なら人里でも散歩してくれば?新しい発見があるかもしれないわよ?」


 人里か…… 行き方は知ってるしなら行ってみようかな。


「じゃあそうさせてもらいます」


 そう言って出かける準備をしようと立ち上がろうとした時。


「行く前の最後のひと口、あ〜ん♪」


 赤くなりながらもそのひと口をいただき、俺は人里に向かうのであった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回更新は出来れば明日に投稿したいと考えております。

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