表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方幻人録  作者: ポカ猫
25/36

第22話 大賢者の素質

お待たせしました!

投稿時間が遅れてしまって申し訳ないです


では、本編をどうぞ!

 仕事の合間を縫って、パチュリーさんのいる図書館に行くことにした。


「パチュリーさん、幻術に関する本ってありませんか?」

「幻術?魔法使いにでもなるの?」


 パチュリーさんは読んでいた本を閉じ、小悪魔さんに俺が探している本を取ってくるように言いつけた。


「義人が魔法使いになれば私もうれしいな」


 アリスさんが紅茶を飲みながら俺に笑いかけてきた。

 魔理沙さん今日はいないんだな。


「いや、魔法使いになるわけじゃなくて、ちょっと幻術が使えないとできない技がありまして」

「幻術ね…… 私たちも覚えるのが面倒で諦めたものだから大変かもよ?」


 パチュリーさんが遠い目をしてそう言った。


「幻術は才能がある人以外は覚えるのにとても苦労するのよ」


 アリスさんがパチュリーさんの代わりに俺にそう教えてくれた。


「なら、俺は多分大丈夫だと思います」

「あら、どうして?」


 首を傾げながらアリスさんがそう聞いてきた。


「幻術を使っていた親父の血を引いてますから」


 親父が使えたんだから、同じ血を引いている俺にも多分使えるはずだ。


「あなたのお父さんは幻術師だったの?」

「いや、無名の剣士ですよ。俺の親父は幻術を使った剣技を使ってたんですよ」


 いつ幻術を覚えたのかは分からないが、親父は世に言う幻術師でもあったのだろう。


「幻術を使う剣士ね……魔導剣士というべきかもしれないわね」

「あらパチュリー?魔導剣士なんて信じないんじゃなかったの?」

「あれは今までにいたという文書などが残されていなかったから、空想の中の物だと思っていたの」


 魔導剣士?魔法剣士じゃなくて?


「あの、それって魔法剣士なんじゃないですか?」

「違うわ、幻術はどっちかっていうと魔導に近い物だから魔導剣士であってるわ」


 ほ~、そうなのか……ってことは俺の親父は魔導剣士ってことになるのか?


「そうなると義人にも魔導剣士の素質があることになるわねパチュリー?」

「そうね、魔力量でも調べましょうか。アリス手伝ってくれる?」

「いいわよ」




 俺のことを放っておいて、アリスさんとパチュリーさんが何やらたくさんの本と魔方陣を用意し始めた。


「あなたのことを無視しててごめんなさいね。ちょっとこの魔方陣の上に立ってもらえる?」

「えぇ、いいですけど……」


 恐る恐る魔方陣の上に立つと魔方陣が光だし、それを見てパチュリーさんが呪文を唱え始めた。


「アリス、これはすごいわよ…… 私とあなたの魔力量を足してもそれの二倍以上の魔力量があるわ……」

「これって大賢者クラス……」


 何やら2人が驚きの表情を浮かべていた。

 暫くして、魔力量の計測が終わったのか、魔方陣の光が消えた。


「義人!!あなた、今すぐ本格的に魔法の勉強を始めなさい!」

「ちょっとパチュリー!?」


 パチュリーさんが何やら興奮しながら俺の肩をグワングワンと揺さぶった。


「あなたは魔導士とかじゃなくて大賢者になれる可能性があるわ!私たちの魔法の探求に革命を起こせるかもしれないわ!!」

「パチュリー?一旦落ち着いて?まずはなぜ、義人にこんなにも魔力があるのかを調べるのが先でしょ?」


 アリスさんがパチュリーさんを引っ張り、そう言い聞かせた。


「そうね、少し取り乱したわ…… でも、なぜこんなに魔力があるのかは大体想像がつくわ」


「それってなんでですか?」


「簡単なことよ、あなたの能力が多分魔力を大量に使わなければ扱えないものなのよ。だから、それを使いこなすために体に魔力がたまるようになった。だからレミィとの戦いの時能力が使えなかったのは、魔力切れっていうことで納得ができるわ」


 パチュリーさんは落ち着くためか、紅茶を飲み深くため息をついた。


「確かに義人の能力は何か魔法的なものを感じるとは思っていたけど、まさか本当に魔力を使っていたとはね」

「ていうことは親父も……」

「いや、あなたのお父さんはそこまでの魔力はなかったはずよ。でも、私たちよりは絶対に多かったと思うけどね」


 パチュリーさんがそう言った後に、小悪魔さんがたくさんの魔法書を俺の机の前に置いた。


「義人、魔法を極めてみたいと思わない?」

「えっ?」

「さっきも言った通り、あなたの魔力量は大賢者にも匹敵するくらいなの。私たち魔法使いの魔法の探求を大きく変えるかもしれない人材なの」


 パチュリーさんがいつも以上な真剣な顔をして俺にそう説明してくれた。


「パチュリー?それは、義人に人間をやめろって言っているのと同じよ?」

「分かってるわ」


 人間をやめるって何だ?魔法使いも人間なんじゃないのか?


「私から説明するわ。まず魔法使いになるには、食事を不要とする捨食の魔法を使用して、その後老化を止める捨虫の魔法を使用して完全な魔法使いになる必要があるの。つまりは事実上寿命がなくなるわ」


 寿命が無くなる……ってすごいことだな。


「義人が、魔法を極めるのなら私もアリスもあなたが賢者になるのを全力でサポートするわ。それも召使いのようにね」

「召使いって…… 何を言ってるんですか」


 パチュリーさんの顔はとても冗談を言っているようには見えなかった。


「それくらい義人の力は凄いのよ」


 アリスさんが俺の肩を叩き、笑顔を見せてくれた。


「俺には水燕流が……」

「その修行は魔法使いになっても充分出来るわ。あなたには魔導剣士の才能もあるのだからね」


 考えておいてねと言い残し、パチュリーさんはレミリアさんの所へ行くと言って、図書館から出ていった。


「俺も仕事に戻りますね」

「分かったわ。なら、紅茶を1杯貰える?」


 アリスさんに紅茶を振る舞い、俺は残っていた仕事を終わらせて幻術の修行を始めた。



「いや、こんなに早く使えるようになるなんて驚きだよ……」


 本を読み、実践に移と10分程で幻術が使えるようになってしまった。


「有幻覚はまだ少し難しいけど、コツさえ掴めば大丈夫そうだな」


 その後、夜になりそのまま寝ることにした。

 次の日、パチュリーさんに幻術に関する本を返しに言った時、パチュリーさんが俺に1本の杖を渡してきた。


「レミィに頼んで咲夜に取ってきて貰ったの。賢者の杖よ」


 俺はまだ魔法使いになるとは言ってないんだけど、気が早いなパチュリーさん……


「これはあなたを魔法使いにさせたいから渡すんじゃないのよ?」

「えっ……?」

「あなたの能力が魔力を使う物だったから、この杖を使って能力を使えば変身や技のコピーの精度が上がるし、魔力の消費量も格段に抑えられるわ」


 そんな効果が…… 賢者の杖ってだけあってすごいな……


「ちょっと使ってみたら?」

「はい!」


 パチュリーさんに教わった使い方通りに杖に力を込め、杖で地面をついた。

 すると、いつも能力を使っているように相手を模倣することが出来た、今はパチュリーさんの姿だ。


「流石に武器の模倣はあなたが持っているその箱を使わないと出来ないけどね」


 箱に力を込めてパチュリーさんが持っている本に変化させる。


「杖を使った変身はどう?」

「体から力があまり飛んでいかない感じがします」


 俺の能力、やっぱり魔力で使ってたのか。


「気に入ってもらえて良かったわ。さ、そろそろ仕事に戻りなさい」

「はい、行ってきます」


 その後、レミリアさんと咲夜さんにお礼を言いに行ったが、2人とも少し照れていた。

 この杖、大事にしないとな。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


次回更新予定日は火曜日か水曜日になります

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ