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東方幻人録  作者: ポカ猫
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第1話 銀髪の少女との出会い

早く書き上げることが出来ました。

短いですが読んで下さると嬉しいです。

「幽々子様〜、お茶でもいれましょう………………えっ?」


 俺たちの居る部屋の襖を開けて銀髪の女の子が入ってきた。


「あら〜、妖夢おかえりなさい。それと今日からここに住むことになったら義人よ〜、仲良くしてあげてね」


 俺は固まってる妖夢さんに軽く会釈をした、すると突然妖夢さんの顔が赤くなり始めた。


「幽々子様はなんでそう勝手になんでも決めてしまうのですか!」


 と、幽々子さんに対して怒り始めた。


「いいじゃない妖夢〜、別にあなたに危害を加えたりする子じゃないわよ?」

「そういう問題じゃないんです!新しく人が増えるんですよ!?布団の準備もしなきゃいけないし、食材の買い物もしなきゃいけないし、他にも沢山やらなければならない事が出てくるんです!」


 妖夢さんはお茶を入れながら怒っている、器用だなぁ〜。


「あら〜、妖夢が怒ってる〜可愛い♪」

「幽々子様!!」


 妖夢さんが怒りよりも照れ隠しのように幽々子さんの名前を呼んだ。


「あの〜、申し遅れました。俺は市井義人と言います、よろしくお願いします」

「あ、これはご丁寧にどうも。私は魂魄妖夢(こんぱくようむ)です、幽々子様の剣術指南役兼白玉楼の庭師です」


 妖夢さんの方も丁寧なお辞儀をして挨拶をしてくれた。


「それでは幽々子様、私はもう1度食材の買出しに行ってきます」

「あ、俺もついていきます!」


 妖夢さんのあとをついていき玄関まで歩いて行った。


「行ってらっしゃ〜い」




 人里には沢山の店があり、凄く興味がそそられる。


「白玉楼に居ても良かったのですよ?今日来たばかりでお疲れでしょう?」


 妖夢さんが心配そうな顔で俺をいたわってくれる。


「いや、せっかく住まわせてもらうんですから手伝いくらいはしなきゃと思いまして」


 すると妖夢さんが涙目になって立ち止まってしまった。


「いい人だ……、幽々子様にも見習って欲しい……」


 ちょっ!?泣く程ですか……?


「でも、幽々子さんが妖夢さんに悪戯する気持ちも分からなくはないんですよねぇ」

「どういう事ですか?」


 妖夢さんが興味津々と言わんばかりに涙目の顔を近づけてくる。


「だって、妖夢さんの反応とか凄く可愛いですし」

「なんですか!?いきなりそんな事言うなんて、私がいない間に幽々子様に教わったんですか!?」


 さっきまで涙目だったのに、今度はまた顔を真っ赤にさせて俺のお腹をポコポコ叩いている。

 あ〜、でもこんな人里の中心でこんなやり取りをしてるから周りの人に注目され始めた。すると、八百屋らしき店からご主人が出てきて話しかけてきた。


「どうした妖夢ちゃん?痴話喧嘩かい?」


 と茶化し始めた。


「違います!!」


 妖夢さんがご主人に対して恥ずかしがるように否定の意を述べた。

それからは、難なく買い物も終わり今は白玉楼に帰る道すがらである。


「良かったんですか?荷物を持ってもらっちゃって?」

「大丈夫ですよこのくらい、それに良い運動になりますから」


 ちなみに量でいうと、軽く1ヶ月分くらいはあるのではないかと思われる量である。


「これで1週間くらいは持つでしょうか?」


 えっ!?この量を1週間で食べるのか!?



 白玉楼に着き、妖夢さんが夕食の準備を始めた。


「義人さんは部屋で休んでいてください、というか幽々子様のお相手をしていただけると助かります」


 妖夢さんは俺にお辞儀をしながらお願いしてきた、そんなことされなくても全然引き受けるのになぁ〜


「分かりました、じゃあ俺幽々子さんの部屋に行ってきますね」


 そして俺は幽々子さんのいるの部屋へと移動した。


「幽々子さん〜、失礼します義人です」

「どうぞ〜入ってきて〜」


 幽々子さんの了承を得たので部屋に入ると、幽々子さんは湯呑みでお茶を飲んでいた。


「義人も一緒にいかが?」


 と言い、もう一つの湯呑みにお茶を注いでくれだ。


「あ、すみません。いただきます」


 あ〜、美味しいなこのお茶……


「義人?そんなに固くならなくても良いのよ?」


 そんな事言われても2人きりは流石に緊張する……


「いや、幽々子さんみたいな綺麗な方が前にいると緊張しちゃいまして……」

「あら〜、嬉しいわね〜。紫になにか教わったのかしら?」


 あれ?なんかデジャブ?


「あの〜、お風呂出来ましたので義人さんお先にどうぞ〜」


 すると妖夢さんが幽々子さんの部屋に入ってきた


「すみません、ではお先にお風呂いただきます」


 この世界に来て初めての風呂だなぁ~、楽しみだ


「幽々子様どうしたんですか?顔が赤いですよ、熱でもあるのですか?」

「ちがうわよ妖夢、あなたもそのうち分かるようになるわよ~」


 幽々子さんの部屋から出て、妖夢さんに教えてもらった風呂の場所についた。


「うわっ!屋敷が大きいだけあって風呂も広いな~」


 風呂の広さはまるで銭湯と見間違えてしまうほど広く、浴槽のところには窓がついていて開ければ綺麗な桜を見ることもできた。


「いやぁ~、気持ちいなぁ~」


 湯船に浸かりつつ、今日の1日を振り返る。


「いろいろあったけど、これからの生活楽しみだなぁ~」


 すると、風呂のドアを開ける音が聞こえた。


「義人~、背中流してあげるわよ~」

「ゆ、幽々子さん!?なんで入ってきてるんですか!?」


 なんと幽々子さんは体にバスタオルを1枚付けただけのとても無防備な姿で風呂に入ってきたのだ。


「今日は疲れて大変だっただろうから、背中でも流してあげようかなぁ~って思って」


 幽々子さんは笑顔で浴槽の方へと近づいてくる。

 やばい、この状況を妖夢さんに見られたら幽々子さんがまた怒られてしまう!それは何とか回避しなくては。


「幽々子様!?何やっているんですか!」


 もう遅かった………

 妖夢さんが幽々子さんを脱衣所の中へと連れ戻した。


「義人の背中を流してあげようと思ったのよ~」

「義人さんは男の人なんですよ!駄目に決まってるじゃないですか!」


 風呂場の中まで声が聞こえてくる……。妖夢さんも苦労してるんだな。


 風呂から上がり、座敷に移動するとそこにはたくさんの料理が並んでいた。


「お風呂いただきました~、すごい料理ですね。どれもこれもおいしそうだ」

「妖夢ったらいつもより張り切って料理してたのよ~」

「幽々子様!どんな料理が好きなのかが分からなかったのでたくさん作っていただけです!」


 そうだとしてもとてもうれしいことだ、自分のために誰かが料理を作ってくれるというのはやはりうれしいものだなっとしみじみ思う


「ところでお2人はお風呂どうしたんですか?」

「義人が入っていた所とは別の場所のお風呂に入っていたのよ~」


 あそことは別に違う風呂もあるのか……この屋敷はすごいなほんと。


「義人さんに私たちのことを気にせずゆっくりしてもらおうと思ってそうしたんですが、まさか幽々子様があんなことをするとは思いませんでした……」


 それから、妖夢さんが作った夕食を食べながら2人と談笑しつつ、明日の予定について話し合った。



「妖夢、明日は義人を博麗神社に連れて行ってあげたらどう?あそこには巫女の他に珍しいものが大好きな魔法使いもいるし、それに幻想入りした義人を博麗の巫女に話さないわけにはいかないでしょ?」


 博麗の巫女?そんなに偉い人なのだろうか、日本での巫女とは少し違うところがありそうだな。


「そうですね、スペルカードの作り方なども霊夢さんに教わった方が早そうですし、明日行ってみることにしましょうか」


 スペルカードの作り方も教えてくれるのか、それはとてもありがたいな。


「じゃあ、明日朝起きて朝食をとったら出発しましょう。義人さんはいつも何時ごろに起きるのですか?」

「5時から6時くらいの間ですかね」


 日本にいたころは学校に行くのに自転車だったので、早く家を出なくてはいけなかったからな。


「あら、妖夢と同じ時間帯じゃない」


 妖夢さんもその時間帯に起きるのか、幽々子さんの朝食を作ったりするからなのだろうか。


「毎朝、剣の練習をするので朝は早く起きるんです。」

「その時間に起きるのなら妖夢に剣術を見せてもらったら?」


 妖夢さんの剣術か、見てみたいな~。剣を2本持っているしやはり二刀流なのか。


「それなら、明日は早く寝ないといけないわね~。妖夢、義人もう寝室に行った方がいいんじゃない?」


 ふと時計を見るともう11時半を回っていた。


「そうですね、それでは幽々子様、義人さんおやすみなさい」

「お先に失礼します」


 布団に入ると、やはり疲れていたのか。眠気が一気に襲ってきた、明日は寝過ごさないようにしないとな。


 目を覚ますと部屋に朝日が差し込んでいた、布団の近くに置いてある時計を見るとちょうど5時を針がさしていた。寝間着から浴衣に着替えて昨日の庭の方に行ってみると、妖夢さんが剣術の練習をしていた。


「妖夢さんおはようございます」

「おはようございます義人さん、ついさっき始めたところです。よければ近くで見てみますか?」


 お言葉に甘えて、すぐ近くで見学させてもらうことにした。妖夢さんの剣術は素晴らしくまだ半人前ということをさっき聞いたときは何かの冗談かと思うほどだった。


「どうですか?義人さんもやってみますか?」

「いや、妖夢さんみたいにできないですよ?」

 すると妖夢さんが笑顔で剣を渡してきた。


「初めからなんでもできる人はいません、何事も経験です。ですから一度だけでもやってみませんか?」


 妖夢さんからそんなことを言われてしまうと、断れない。そう思い妖夢さんから剣を受け取って、妖夢さんがやっていたように構えてみた。


「ん?」

「どうしました?」


 頭の中にさっき見た光景がフラッシュバックのように何回も何回も流れ始めた。

 気が付いた時には、俺は妖夢さんがさっき俺に見せてくれた剣の素振りを完ぺきといっていいほどにこなしていた。


「えっ?」


 先に声を上げたのは妖夢さんだった。


「義人さん、剣のご経験があったのですか?」


 そんなはずはあるわけがない、俺は今日初めて剣というものを手にしたのに。


「いや、剣の経験は全くないんですよ。いきなりさっき見た妖夢さんの剣術が頭に流れてきて、気が付いたら剣を振っていました」


 こんなこと日本にいた時は無かったのに……。

 考えていると妖夢さんが慌てだした。


「義人さん!そろそろ朝食を食べて出発しないと!時間がありません」


 そう言われて我に戻り、急いで朝食をとり出かけることにした。


「それでは幽々子様行ってきます!」

「はーい、行ってらっしゃい〜」


幽々子さんの声を後にし、俺たちは博麗神社へと向かった。



 妖夢と義人が出かけて幽々子1人となった白玉楼に幽々子以外の者の声が響く。


「どう、義人は?」

「あら〜、紫じゃない。義人はとってもいい子よ〜」


 幽々子が紫に対して笑顔で答える。


「ちなみに言うけども、義人が幽々子を綺麗と褒めたのは私の悪知恵ではないわよ」

「あら、聞いていたの?2人での話を盗み聞きするなんて紫は意地悪だわ〜」


 幽々子が紫に対してそう言うと、紫はバツが悪そうにしてそそくさと帰っていった。


「あれは、完全に落ちてるんじゃないかしら?幽々子がそんなに気に入るなんてね意外だわ〜」


 そう言いつつ、紫は博麗神社に向かった。

最後まで読んでくださりありがとうございました

次回更新はただ今仕事が立て込んでおりまして、もしかしたら来週辺りになるかもしれません。

誠に申し訳ありません。

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