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異世界の空、十六夜の月  作者: 青空音 遙
突然始まる現実パート
6/20

突然始まる現実パート~その5~

この回から定期投稿になります

詳細は活動報告をご覧ください!


第三理科実習室に入ると

ほとんどのメンバーは集まっていた。


「おっ、5組組遅かったじゃん」

天文部でも貴重なギャル枠の

瀬戸(せと) 陽花里(ひかり)が話しかけてくる。

俺と圭吾と瑠香は2年5組のため

天文部メンバーからは5組組(ごくみぐみ)と呼ばれている。

「遥のやつが遅刻しやがってよ」

「掃除当番に天文部だからって巻き込まれてた」

「……ごめんなさい」

なかなか心に刺さる言われ方だ

「良夜君が遅刻とは珍しいね」

学力テスト学年1位常連でありわれらが部長の西田(にしだ) 浩二(こうじ)だ。

ちなみに浩二が君付けで名前を呼ぶのは仲が悪いとかではなく

これが浩二のデフォルトだ。

「いや、友達と通学路で話し込んでいたらな」

「え、天文部以外に友達いたんだ」

「ひどくないか?」

出会ってそうそう俺の心にダメージを与えたのは福原(ふくはら) 優花(ゆうか)

「あ、ごめん。無意識に出ちゃっただけでわざとじゃないの」

「それが一番辛いんだよ優花」

「え、あ、その……違うの!!」

優花の精神攻撃は性格が悪いとかではなくただの天然からくるものだ

だからこそ優花の攻撃は強烈で何人もの罪なき生徒や先生が犠牲になった

「いつものことだから慣れてるよ、ありがとう副部長」

「本当に違うんだって!!ただちょっと思ったことが」

「それ以上は言わないほうがいいよ優花」

優花の暴走を必死に抑えているのは副部長の

松井(まつい) 芽里(めり)このカオスな天文部を実質まとめている

「あれ?正志は?」

天文部にはもう一人渡辺(わたなべ) 正志(まさし)というやつがいる

「さあね、まだ来てないな」

「ここにいるぞ」

「またどうせ本でも読んでるんでしょ」

「本と部活どっちが大事なんだろうな」

「本だな」

「まあいっか、来るまでてきとうに待ってようぜ」

「そうだな」

「だからここにいるって」

「は?」

振り返るとそこには

いなかったはずの正志がいた。

「いつ来たお前!?」

「少なくても5組組よりは前に」

「え?まじで?」

正志は存在感が皆無といっても過言ではないぐらい影が薄い

さらに普段は本、主にライトノベルを読んでばっかなので

物音さえたてない。

「来たならなんか一言言えよ…」

「特に話すことがなくてな、次回から気を付けよう」

そんなこんなで今日も天文部の活動が始まる。


天文部メンバーは全員が2年で8人

3年の先輩は何人かいるが皆受験勉強で幽霊化し

来年以降は部活動の再編が行われるため

天文部は自然科学部と統合|(という名の実質廃止)されることとなった。

そのため今までもこれからも新入部員は0人

部長の浩二は1組、ギャル枠の陽花里は2組で副部長の芽里が3組

天然の優花と存在感皆無の正志が4組で俺と圭吾、瑠香が5組だ。

俺らが1年のころはもう一人部員がいたのだが

引っ越しのため転校してしまった。

ところどころで小競り合いしたりはあるものの

基本的には全員仲がいい。

そのためクラスメイトや武、恵からは

よく家族みたいだと言われる。

俺自身も天文部はとても居心地がいいと思っている。

しかし一つだけ文句を言うならば

「浩二、このあいだの学力テスト何位だった?」

「1位に決まってるでしょ」

「いやそれが総合は1位なんだけど数学は2位だった」

「浩二が2位は珍しいね」

「じゃあ1位は芽里ちゃん?」

「そうだよ、1位はいただいた」

天文部メンバーは頭が良すぎなんだ

正確に言えば俺と陽花里以外のメンバーが

「いつものことながら場違い感がすごいよねうちら」

「そうだな」

一学年130人近いこの学園で常に総合1位の部長浩二に2位の副部長芽里、

さらに常に10位以内にはランクインする5組組の圭吾と瑠香に、

20位以内にはいる天然凶器の優花と存在感皆無な正志…

それに対し俺は良くても50位、陽花里は80位ぐらいだ。

「まあ勉強する努力できないうちらが頭いいわけないよね」

「面倒くさがりの圭吾も試験前は本気だもんな」

「圭吾と瑠香は一緒に勉強したりしてるよね」

「圭吾は打倒浩二、瑠香は打倒芽里と燃えてるからな」

「なるほど共闘してるわけね」

「優花は普通にまじめだし、正志は参考書とかも読んでるしな」

「それに対しうちらは前日の夜中までオンラインゲームやってたからね」

「あれは面白かったな、またやろう」

「いいよ、またボコボコにしてやろうじゃん」

「あれ?そういうゲームだったっけ?」

PK(プレイヤーキル)機能を搭載してるんだから問題ない」

「まあ、モラルやマナーとかあってないようなものだしな、ネットの世界では」


ーーー瑠香sideーーー


「じゃあ今度暇があったら連絡するわ」

「りょ、ねぇ…ここにいても点数自慢できないしどっか行こ」

「いいぞ」

(あの2人いつも仲いいな……)

「瑠香?どうした?」

「あ、圭吾」

「何ぼーっと見てんの?あいつらか…」

「うん…遥と陽花里ちゃんって仲いいよね」

「仲がいいというか…「こればっかりは仕方がないんじゃないかな」浩二」

「浩二くんと優花ちゃん…どういうこと?」

「あの2人はどう見ても勉強とか向かなそうだし、

私たちがこういう話をしているときは気まずいんじゃないかな」

「優花の言う通りだろうな」

「じゃあ私たちがこういう話をするのは控えたほうが……」

「それは違うよ瑠香くん」

「浩二くん……」

「言い方は悪いがあの2人は努力をしなかったんだ

努力した僕たちが控える必要はないさ」

「それに俺たちが控えることよりもあいつらをどうにかして

こっち側で参加できるように協力してあげたほうがあいつらのためになる」

「圭吾…そっか、じゃあ次の試験前からはあの2人も勉強会に誘おうよ」


ーーー瑠香side 終ーーー


「あーあなんか面白いことでも起きないかね」

「その前に勉強しろってさ」

「誰が?」

「……星が」

「今、真昼間なんだけど」

「昼間でも星は空に浮かんでいるんだぞ」

「ごめん、そういうのめんどくさい」

「……同感だな」

試験期間の前後はどうしても憂鬱だ。

「なんか勉強できないってだけでダメな奴扱いになるのむかつくよね」

「まぁな」

「別に私努力してないわけじゃないし」

「知ってる、バンドのボーカルになりたいんだろ」

「そうなの、あなたはギタリストだっけ?」

「あぁ、憧れはするけど…どうなんだろうな」

「なにが?」

「本当にギタリストになりたいのかなって」

「…さぁね、それはあんたにしかわからないでしょ」

「そうだよな」

「でももしさ、本当にギタリストやるなら…

うちら組まない?」

「はぁ?」

「バンドよ」

「俺とお前が?」

「そうよ、まぁベースとかドラムとかも探してさ」

「…まぁ、いいかもな」

「本当!?じゃあもっと練習しなきゃね」

「そうだな」

「やっぱ屋上にいたんだ」

「ん?副部長か」

「芽里どうしたの?」

「そろそろ活動始めるよって言いに来た」

「わざわざありがとうな」

「いえいえ、これでも副部長なもんで」

「芽里が副部長じゃなかったら今頃私たち天文部にいなかったかもね」

「そうかもな」

「え?どうして?」

「「秘密」」

「え?なんでよ!?2人だけの世界は良くないよ!!」

「ほらほら部室戻るよ芽里」

「早く活動始めようぜ副部長」

「ちょっと待ってよ!!」


今日も一日を過ごし終える。


前回が折り返しならまだまだ続くだろう!

そんなことないです(え?

現実パートはあと1、2話で終わります


※7/28 加筆、編集しました。

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