突然始まる現実パート~その3~
最近更新がはやいねぇ?いい調子だよぉ?
ごめんなさい調子にのりました。
今回から一話一話を長くしていこうと思います
ポートランドラインの駅から学園までは
すぐ近くで徒歩5分もかからない。
学生寮に住んでいる生徒を除いて
通学ルートはポートランドラインしかないため
道中知り合いに出会うことは珍しくない。
「おはよ、琴音」
「おはよー」
もともと知り合いの少ない俺は例外だが……
「琴音、今日も相変わらずブラコンだね」
「やめてよ、そんなんじゃないから」
さっきから琴音は色んな人に話しかけられている。
対して俺はいまだに0人
(なんでそんなにいっぱい知り合いをつくれるのか……)
いつか教えてほしいものだ。
そろそろ学園の門が見えてくるその時
ついに俺に話しかける奴が現れた。
「おはよう遥!」
もっともこいつに話しかけられてもうれしくない。
今日に限って言えばさらにうれしくない、なぜなら…
「おい!なんで無視するんだよ!」
「お前がくだらない話を毎日聞かせてくるから
今朝変な夢を見る羽目になったんだ。責任とれ」
「そんな理不尽な!!」
こいつの名前は吉田 武
二次元を愛していて……いやもはや住人だ。
それでいて変態で、ロリコンだ。
「おい、俺は年上好きだ」
なぜ心の声がわかった……?
「いや、そんな驚いた顔されても普通に声に出てたぞ」
さすがストーカーだ、妄想が激しいんだな
「おいてめぇ!さすがにそれは失礼だぞ!!」
そもそもこいつが毎日毎日やれ異世界転生だ
やれ異世界チートハーレムだと語ってくるから
あんな目覚めの悪い朝を迎える羽目になったんだ。
こんな犯罪者予備軍からはさっさと離れたほうがいい
俺は横で微笑みながら俺らのやりとりを見ていた
琴音の手を引きその場を離れる。
「おい待て!てめぇとは一度ちゃんと話す必要がある!」
追いかけてくる変態
これは朝から鬼ごっこが始まるかなと思っていたその時
「はいはいそこまで。遥も変態も周りの迷惑を考えようね」
俺の知り合いその2であり、部活外で唯一の女子友でもある救世主の登場
「止めるな恵、俺はあいつを殴らなければいけない
てか俺を変態と呼ぶな」
彼女の名前は高嶺 恵、吹奏楽部でフルートパートに所属している。
背は小さく髪も短めでメガネの似合う美少女といった感じだ
てか変態は話をするんじゃなかったのか?
殴られなきゃいけないだなんて一つも聞いてない…
「あ、やっぱり妄想が激しいんだ」
「殺す!!!」
鬼の形相を浮かべる変態、とびかかってこようとしたその時
「やめなって、てかそろそろ遅刻するよ」
変態を羽交い絞めにする恵
(その小柄な身体のどこにそんな力があるのか…)
自分の中で勝手に作った体力ランキングで
自分と同じぐらいだと思っていた恵の意外な力に傷つく
(誰とだったら勝負できるのかな…)
自分のヒョロさに絶望して空を見上げたその時
終わりを知らせる鐘がなる。
いつの間にか琴音はいなくなっていた
(おわった……)
こうして俺ら三人は…
遅刻した
現実パートを気に入り始めている自分がいる・・・。
ちなみに今後、現実パートの登場人物はほとんどが登場しません。
今のうちに楽しんでおいてください。
次回は木曜日までに更新します(予定)
※7/28 加筆、更新しました。