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二話

もっとがんばります。はい。

(やっぱり降ってきちゃった、か)

講義中、外から雨音が聞こえていたので外を見なくても雨が降っていることはわかっていた。

だからこそ講義を聴いている最中ひそかに止んでくれたらなぁ、と思っていたのだが・・・・・・。

そんな彼女の思いは叶わず、土砂降りである。

校舎の出入り口付近で傘を差しながら学校を去っていく背中を眺めつつため息をつく。

スマートフォンでこの後の天気の予報を見るも今日1日は止まないと言う。

腕時計を見てみると時間は6時になろうとしていた。

周りを見渡しても残っている学生は少なかった。そんな時、目に留まったのは床に落ちていたびしょびしょのビニール袋。どうやらほかの学生が捨てたか落としたかしたらしい。それを見てピーンと来た。

校内のコンビニにはもしかしたら傘が売っているかもしれない。

そんな一縷の望みでコンビニに向かう。自然と歩くスピードも速くなっていた。

いざそのコンビニに着くが・・・・・・傘は売切れてしまっていた。

(考えることは皆一緒か)

結局収穫のないままコンビニを出る。

校内のコンビニはひとつしかないし、学校から一番近いコンビニでも学校からは10分ほどかかる。

最終的に彼女がたどり着いた答えはひとつだった。

(仕方ないよね)

彼女はそのままびしょびしょにぬれることも・・・躊躇はしたものの結局あきらめてただ普通に歩いて

帰ることにした。


   ■   ■   ■   ■   ■


雨が降り続いている彼女は町の中で注目の的だった。

特に彼女が奇抜な格好をして浮いているわけでもなければ有名人でもない。

ただこの止む気配のない雨の中を、傘もささず、走って帰ろうともせずただ普通に歩いていたのだ。

(昔、一緒に傘に入って帰ったこともあったな・・・)

彼女は服も荷物もぬれることに対してお構いなしで昔のことを思い出していた。

(また、一緒に帰りたかったな)

それは叶わぬ夢。叶わぬ想い。

(もう一度だけでも、会いたいよ・・・・・・)

彼女は泣いていた。ただの下校途中にもかかわらず。降り続ける雨にもかかわらず。

ただ彼女が泣いているそぶりも何も見せないため幸か不幸か周りの人々には気づかれていないようだった。

住宅街を抜け大通りに出る。さらに周りの視線が彼女に向いていたが気にはしなかった。

耳の中に雨の音が響く。

雨音。

雨音。

雨音。

ビニールと雨がぶつかり合う音。

(?)

自分の頭上を見てみると傘がさされていた。

「あんた、こんな雨の中よく普通に歩いてられるわね」

後ろからの声に振り向くと傘を後ろから指してくれている女の子がいた。

身長は私より少し大きいくらい。髪はサイドでくくられており金髪がより一層ポニーテールによって強調されている。上にはベージュのダウンジョッキを着てインナーにはこの

冬に少し寒いのではないか、紺色の薄手の7部丈。

下にはホットパンツにハイソックス。見ているだけでこっちが寒い。

「えーと、その・・・」

まずい。人としゃべるなんて本当に久しぶりだ。何をしゃべったらいいのかわからない。

「家は近いの?」

「え、ううん。ここからあと20分くらいは・・・」

「そのままぬれて帰るつもり?風引くわ」

雨でぬれている私からしたらあなたの格好も十分風引けると思うのだが。

「私の家、近いから来て」

「え?」

「ずぶぬれの女の子なんてほっとけないわよ。お風呂と服貸してあげるから寄っていきなさいよ。

ちなみに拒否権無いから」

「え~・・・」

笑顔でそんなことをいう彼女に対して私はただただポカーンとすることしかできなかった。

だけど自然と涙は止まり、彼の想いも一時的ではあるが消えている。

ふと、視界の端に一輪のはなが写る。

いつも一人でずっといたから、彼のことを忘れられずに、この世界がモノクロに見えていたけれど。

道端にあるそのちいさな花がきれいな青色に咲いていたように見えた。


もっと背景描写とキャラクターがどんな格好をしてどんな心情、格好なのかを掘り下げれるよう勉強してきます!感想、レビューお願いします!

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