第5話 タイトル 簡易防衛を整えろ 〜村づくり、始動〜
第5話です。
今回は、いよいよ本格的な村づくりと防衛準備の回になります。
派手なバトルはありませんが、
「守るための力」を積み上げていきます。
村が“拠点”になり始める、
そんな話です。
朝の空気は、ひどく張りつめていた。
「……本当に、数が増えてるな」
村の外れから見える森。
その奥に、確かに複数の影がある。
ゴブリン――
今すぐ襲ってくるわけじゃないが、
「見られている」感覚が消えない。
(時間は、あまりない)
「今日は、全員で作業します」
俺の言葉に、村人たちが集まった。
「武器を増やすのは無理です。だから――」
地面に、棒で線を引く。
「村の周りに、柵と罠を作ります」
ざわつく声。
「そんなもので、魔物が止まるのか?」
「完璧には止まりません。でも――」
俺は頷く。
「時間は稼げます。それだけで、生き残る確率は跳ね上がる」
沈黙のあと、
村長が口を開いた。
「……やりましょう」
それが、合図だった。
作業は、思った以上に大変だった。
倒木を切り、
尖らせ、
地面に打ち込む。
だが、ここで役に立ったのが――
「……これ、罠に使えそうじゃない?」
声を上げたのは、
動ける大人の女性の一人、ミラだった。
「縄と枝を組めば、足止めくらいはできるわ」
(いい視点だ)
「それ、採用で」
彼女を中心に、
簡易的なワイヤートラップが形になる。
子供たちも、
木の枝集めや見張り役として参加した。
「無理はするな。危なくなったらすぐ離れろ」
俺がそう言うと、
皆、真剣に頷く。
(……もう、守るだけの村じゃない)
夕方。
村の外周には、
歪だけど、確かな防衛線ができていた。
「……思ったより、ちゃんとしてるな」
老人の一人が、ぽつりと呟く。
その瞬間。
【スキル効果発動】
《即席工作 Lv1》
簡易防衛設備の耐久が上昇しました
(地味だけど、助かる)
その夜。
焚き火のそばで、
ミラが声をかけてきた。
「ねえ、あんた」
「村を、守れると思ってる?」
少しだけ、迷ってから答える。
「……守るしかないです」
彼女は、ふっと笑った。
「なら、手伝うわ」
「戦えないけど、作ることならできる」
【仲間候補が増えました】
ミラ(非戦闘・工作補助)
胸の奥が、じんわり温かくなる。
(一人じゃない)
その直後。
森の奥から、
短い悲鳴と、何かが弾ける音。
――ガチャン。
罠が、作動した。
(……来たか)
俺は短剣を握り、
柵の方へ走った。
最初の防衛線は、
ちゃんと機能するのか。
村の未来を賭けた夜が、
始まろうとしていた。
読んでいただき、ありがとうございます。
今回は
村づくりの本格始動と、
最初の仲間候補の登場回でした。
戦闘力はまだ低いですが、
「役割」を持つことで
村全体が強くなり始めています。
次回は、
ついに初めての村防衛戦です。
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