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『異世界転生したら村の再建を任されたんだが』  作者: パーカー
第三章:封印された和平

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第43話 南方の影

南方辺境。

王国の監視線を越えた先。

焦土が広がっていた。

焼け跡。

崩れた砦。

小規模な衝突の痕。

だが死体はない。

回収済み。

戦争は続いている。

「ここから先は魔族圏」

リゼルが低く言う。

仮面は外している。

隠す必要はない。

ここは彼女の領域に近い。

ゼインが辺りを警戒する。

「気配はある」

見えないが、見られている。

数歩進んだところで、

空気が凍る。

赤い魔力。

強硬派。

だが襲ってこない。

観察。

「穏健派の集落はこの先よ」

リゼルが導く。

森の奥。

岩壁に隠された通路。

結界。

魔族特有の紋様。

結界を抜けると、

そこは静かな谷だった。

簡素な住居。

武装より農具が多い。

魔族穏健派の隠れ里。

「来たか」

低い声。

年老いた魔族が姿を現す。

白い角。

深い皺。

名は――ヴァレシア。

穏健派の長。

「均衡核に触れたな」

いきなり核心。

「なぜ分かる」

俺が問うと、

「波が走った」

当然のように答える。

魔族側も感じている。

「王都は焦っている」

ヴァレシアは続ける。

「強硬派は動き出した」

「彼らは均衡を恐れていない」

違う。

利用している。

「三大魔獣は均衡装置」

リゼルが言う。

ヴァレシアは首を振る。

「不完全だ」

空気が止まる。

「三体だけではない」

「真の均衡装置は四つ」

第四。

誰も知らない存在。

「名は《原初の鎖》」

三大魔獣を縛る存在。

封印ではなく、接続。

世界の根。

「百年前、鎖は弱った」

「人間が条約を破り、戦争が再燃したからだ」

均衡は歪んだまま維持された。

無理やり。

「鎖が完全に切れれば」

ヴァレシアの目が暗くなる。

「三体は制御不能になる」

世界崩壊級。

「黒線紋は知っているのか」

俺の問い。

「知らぬ」

即答。

「だが強硬派は気づき始めている」

最悪だ。

谷の奥で鐘が鳴る。

見張りが叫ぶ。

「強硬派接近!」

早い。

追われている。

赤い魔力が谷の外を包む。

小規模部隊。

だが精鋭。

ヴァル=ゼリオスの眷属。

ゼインが剣を抜く。

「ここは守る」

穏健派が武器を取る。

農具ではない。

封じられていた刃。

俺は塔の構造を思い出す。

「谷の中心に魔力流路は?」

ヴァレシアが目を細める。

「ある」

古い。

百年前の名残。

「使う」

即決。

均衡の縮図をここに作る。

強硬派が突入。

赤い刃。

炎。

衝突。

俺は谷中央へ走る。

地面に手を当てる。

魔力を流す。

塔と似た構造。

だが弱い。

リゼルが補助。

ヴァレシアが詠唱。

三者の魔力が絡む。

谷が光る。

強硬派の動きが鈍る。

均衡場。

小規模だが成立。

「撤退だ!」

強硬派指揮官が叫ぶ。

無理はしない。

目的は探り。

静寂。

谷は守られた。

だが問題は残る。

「原初の鎖を修復できるのは」

ヴァレシアが言う。

「結節点のみ」

村。

確定した。

俺は頷く。

「やる」

均衡を壊すのではなく。

鎖を直す。

南方の空に赤い残光が消える。

世界の裏側が、完全に姿を見せた。

第43話まで読んでいただきありがとうございます。

魔族側の真実が明らかになりました。

・三大魔獣は不完全な均衡装置

・第四の存在《原初の鎖》

・百年前の歪んだ維持

物語はさらに深層へ。

黒線紋は知らない。

強硬派は気づき始めている。

そして村だけが、修復可能な位置にいる。

ここからは“世界修復編”。

感想・評価・ブックマーク、本当に励みになります。

次回、原初へ踏み込みます。

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