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『異世界転生したら村の再建を任されたんだが』  作者: パーカー
第三章:封印された和平

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第37話 影の設計士

魔物襲撃から三日。

石壁は応急修復を終えたが、

亀裂は残っている。

「これじゃまた撃ち抜かれる」

ミラが壁を叩く。

事実だ。

魔導砲にも、魔獣の衝撃にも耐えられない。

ゼインが腕を組む。

「守りが足りない」

「いや、発想が古い」

低い声が背後から響いた。

振り向く。

黒髪の女性。

長い外套。

背に背負った筒状の道具入れ。

目は静かだが、鋭い。

「あなたがレイ?」

いきなり本題。

「……そうだ」

「王の紹介で来た」

ゼインが軽く頷く。

「紹介しよう。王都建築局元主任」

「名は――リオネ」

建築局。

つまり。

「設計士か?」

「設計士じゃない」

リオネは壁を見上げる。

「構造設計者よ」

彼女は石壁の亀裂に触れる。

指で叩く。

音を聞く。

「厚み不足。支持点不均等。魔力分散構造がない」

早口。

専門用語。

だが理解できる。

「今の壁は“守る壁”」

「必要なのは“流す壁”」

流す?

「衝撃を逃がす。魔力を分散する」

「固定概念を捨てなさい」

彼女は地面に線を引く。

二重構造。

内部空洞。

魔力循環路。

村全体を“構造体”として設計する図。

「これが実現すれば」

「魔導砲は減衰する」

「魔獣の衝撃も耐える」

ミラが目を輝かせる。

「本気?」

「本気よ」

俺は問う。

「なぜここに来た」

リオネは淡々と答える。

「黒線紋の建設計画を見た」

「王都地下封印構造の改修」

心臓が跳ねる。

「封印を弱めている」

確定だ。

三大魔獣の再発動は事故ではない。

設計的操作。

「私は設計で人を殺すのは嫌いなの」

静かな怒り。

彼女は逃げた。

王の密命で辺境へ。

「手伝ってくれ」

即答する。

戦力は増えた。

だが構造を壊すには、構造を知る者が必要。

リオネは村を見渡す。

畑。

水路。

鍛冶場。

石壁。

「この村、面白いわね」

「拡張前提で作られてない」

つまり。

伸びしろがある。

その夜。

設計図が広げられる。

“拠点Lv3改修案”

石壁再設計。

地下水路強化。

魔力循環路構築。

中央塔設置。

防衛陣展開基盤。

リゼルが小さく呟く。

「これは……」

「拠点そのものを“均衡装置”に近づける設計だ」

均衡を壊すのではなく。

均衡を内側に持つ。

「完成すれば」

リオネが言う。

「ここは村じゃない」

「要塞でもない」

「……拠点国家の核よ」

全員が息を呑む。

ゼインが笑う。

「面白くなってきたな」

遠く、森の奥。

誰かが村を見ている。

黒線紋の偵察。

そして。

赤い魔力の気配。

強硬派も。

盤面は広がる。

だが。

村も進化する。

「やるぞ」

俺は言う。

勝つためじゃない。

壊させないために。

第37話まで読んでいただきありがとうございます。

新キャラ、リオネ登場です。

戦力=剣だけではありません。

構造設計。

封印改修。

黒線紋の計画。

物語は“戦争の仕組み”そのものに踏み込みます。

ここからは拠点進化編。

村が国家級の拠点へと変わっていきます。

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