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『異世界転生したら村の再建を任されたんだが』  作者: パーカー
第三章:封印された和平

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第35話 再起動

夜。

村の石壁の上。

修復は進んでいるが、

傷跡は消えていない。

王都での敗北。

魔獣の圧。

その記憶が重い。

「本当に勝てるの?」

トルの言葉は率直だった。

誰も笑わない。

俺は壁の外を見る。

「正面からは無理だ」

断言。

隠さない。

「じゃあどうする」

ミラが腕を組む。

冷静だが目は強い。

リゼルが静かに言う。

「均衡装置は“戦力の傾き”で動きます」

「つまり片側が強すぎると作動する」

思い出す。

百年前。

和平が成立しかけた。

だが人間側が裏切り、戦争が続いた。

均衡は保たれた。

歪な形で。

「なら」

俺は地図を広げる。

王都。

辺境。

魔族領。

「戦力を増やすんじゃない」

「戦争の理由を消す」

全員がこちらを見る。

「黒線紋を暴くだけじゃ足りない」

「戦争で儲ける構造を壊す」

資金。

魔石流通。

軍需。

派閥。

均衡の裏側。

カイルが言う。

「俺たち村一つで?」

「一つじゃない」

即答。

領主アルヴェイン。

エルシア。

王。

魔族穏健派。

それぞれに利害がある。

共通項は一つ。

“今の戦争は望んでいない”。

「同盟を作る」

沈黙。

それは宣言だった。

ユークが拳を握る。

「黒線紋だけが敵か?」

俺は首を振る。

「敵は構造だ」

派閥ではなく。

戦争が続く理由。

リゼルが目を細める。

「均衡を壊さずに、均衡を作り直す」

「難易度は魔獣級ですよ?」

「分かってる」

だから準備する。

その時。

見張り台から合図。

一騎。

領主の使者。

早い。

書状。

「王都、非常事態宣言」

「三大魔獣対策の名目で軍再編」

黒線紋が主導。

予想通り。

恐怖で固める。

「討伐布告は?」

「一時凍結」

王都は今、内乱寸前。

村どころではない。

猶予。

俺は立ち上がる。

「時間ができた」

「やることは三つ」

指を立てる。

一つ。

王と直接接触。

真実を届ける。

二つ。

魔族穏健派と正式会談。

均衡装置の完全情報を得る。

三つ。

辺境諸村との連携。

小さな拠点を繋ぐ。

点を線に。

ミラが笑う。

「ずいぶん大きく出たわね」

「もう小さくやっても無理だ」

正面突破は負けた。

なら構造戦。

夜空を見上げる。

魔獣の気配は消えている。

だが封印は揺らいだ。

次はもっと強く来る。

「勝つ方法はある」

俺は言う。

「魔獣を倒すことじゃない」

「魔獣が出る理由を消す」

全員が静かに頷く。

村は小さい。

だが。

ここから世界を揺らす。

遠く。

王都の塔で、黒線紋当主が呟く。

「辺境はまだ諦めぬか」

そして。

王もまた、独りで呟く。

「真実を持つ者を呼べ」

盤面が再び動き出す。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

第34話での敗北からの再起動回でした。

今回は派手な戦闘はありませんでしたが、

物語としては大きな転換点です。

レイはようやく理解しました。

倒すべきは「魔獣」ではなく、

生み出される“構造”そのもの。

・戦争で利益を得る派閥

・均衡装置としての三大魔獣

・恐怖で統治する仕組み

これらを壊さなければ、

何度でも災厄は繰り返されます。

ここからは勢力構築編。

王、領主、魔族穏健派、辺境の村々。

小さな拠点が、線で繋がり始めます。

戦闘よりも、政治と覚悟の章になりますが、

その先には確実に大きな衝突が待っています。

いつも感想・評価・ブックマークありがとうございます。

とても励みになっています。

次回、王との接触が動きます。

ここから物語は“戦争の終わらせ方”に踏み込みます。

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