表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界転生したら村の再建を任されたんだが』  作者: パーカー
第三章:封印された和平

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/51

第34話 均衡の刃

王城上空。

《天墜のヴァル=ゼリオス》が旋回する。

一振りで空気が裂け、

結界が軋む。

王の魔力でも、押し返すのが限界。

討てない。

「止める」

俺は跳んだ。

王城の塔から屋根へ。

仮面――リゼルが並ぶ。

「無茶です!」

「分かってる!」

だが、見ているだけでは終わる。

魔獣がこちらを認識する。

紅い瞳。

巨大な瞳孔が絞られる。

格が違う。

本能が告げる。

「《即席強化》」

魔力を全開。

体が軋む。

限界突破。

俺は翼の付け根へ斬り込む。

衝撃。

刃が弾かれる。

硬い?

違う。

密度が異常。

魔力の塊。

魔獣が翼を振るう。

圧力だけで吹き飛ぶ。

塔に叩きつけられる。

肺の空気が抜ける。

(ダメだ)

次元が違う。

リゼルが結界を展開。

「均衡体は単独で倒せません!」

「最低でも国家級戦力が必要です!」

王城側から魔導砲。

直撃。

だが表皮を削るだけ。

咆哮。

衝撃波で城壁が崩れる。

王の声が響く。

「撤退準備だ!」

王都防衛優先。

討伐は不可能。

現実。

俺は再び立ち上がる。

逃げる?

否。

試す。

「弱点は!」

リゼルが叫ぶ。

「核心は魔力炉!」

「胸部中央!」

距離が遠い。

到達不能。

魔獣が口を開く。

蒼い光。

本能が叫ぶ。

死。

「伏せろ!」

王城結界が割れる。

光柱が地面を削る。

広場が消し飛ぶ。

瓦礫と炎。

俺は地に伏せたまま、理解する。

これは戦争ではない。

災厄だ。

「レイ!」

カイルの声。

いつの間にか王都へ来ていたのか。

村の仲間たち。

俺を追って。

(なぜ来た)

だが嬉しい。

同時に怖い。

魔獣が旋回を止め、上空へ昇る。

王都は半壊。

だが完全破壊はしない。

均衡装置。

目的は均衡。

滅ぼすことではない。

圧をかけること。

リゼルが息を切らす。

「これは警告です」

「戦争を続けろという」

黒線紋の思惑通り。

王城から撤退命令が出る。

「辺境部隊は退け!」

俺は拳を握る。

勝てない。

今は。

「退く」

言葉が重い。

だが必要。

村がある。

仲間がいる。

ここで死ねない。

王都外縁。

煙の向こうで、魔獣は雲の中へ消える。

封印は再固定されたらしい。

だが次は分からない。

俺たちは馬を借り、急ぐ。

七日討伐布告。

王都は混乱。

黒線紋は次を打つ。

村が狙われる可能性が高い。

夕暮れ。

遠くに石壁が見える。

傷だらけだが、立っている。

俺は膝をつく。

「……勝てなかった」

正直な言葉。

カイルが言う。

「死ななかった」

ミラが言う。

「まだ終わってない」

ユークの妹が、震えながらも笑う。

「帰ってきた」

守る場所がある。

それが今の力。

リゼルが静かに言う。

「均衡を壊すには、均衡以上の力が必要です」

つまり。

国家か。

三大魔獣級か。

あるいは。

別の均衡。

俺は空を見上げる。

雲は静かだ。

だが世界は揺れている。

「次は、準備する」

真正面からは勝てない。

なら。

別の戦い方をする。

第三章はまだ終わらない。

世界の均衡に触れた村は、

一度、原点へ戻る。

だが。

これは敗北ではない。

戦略的退却だ。

第34話まで読んでいただきありがとうございます。

今回は明確な敗北です。

世界三大魔獣は、

現時点でのレイたちでは届かない存在。

ですが、無意味な戦いではありませんでした。

・均衡装置の仕組み

・王の力量

・黒線紋の思惑

・そして“勝てない敵”の確認

ここから物語は再構築に入ります。

次は力を集める章。

村へ戻り、

仲間を集め、

均衡に対抗する方法を探します。

感想・評価・ブックマーク、本当に励みになります。

次章、再起動です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ