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『異世界転生したら村の再建を任されたんだが』  作者: パーカー
第三章:封印された和平

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第30話 地下第三層

点検日。

中央書庫地下。

重い鉄扉の奥、第二層。

魔導灯が青白く揺れている。

ローデンが許可証を提示。

「財務監査補助だ」

衛兵は怪訝な顔。

だが点検は日常。

通る。

第二層奥。

搬入経路の隠し扉。

エルシアが指を走らせる。

結界式を解析。

「……三重式」

「王命級」

仮面が低く言う。

「理論は古い」

「突破は可能です」

魔力が軋む。

結界が緩む。

第三層への階段が露わになる。

冷たい空気。

封じられた歴史の匂い。

地下第三層。

石の壁。

封印箱が並ぶ。

中央に、一際大きな箱。

王印。

封印文書。

「これだ」

エルシアの声が震える。

蓋に刻まれた文字。

“魔族和平条約・原本”

百年前の日付。

存在している。

消されていない。

「開けるぞ」

その瞬間。

金属音。

背後の扉が閉じる。

重い音。

結界が再起動。

振り向く。

ローデンが一歩下がっている。

目が変わっていた。

「……悪く思うな」

静かな声。

「私は王都を守りたいと言った」

「その通りだ」

だが。

「腐敗も王都の一部だ」

冷たい論理。

「黒線紋が崩れれば、王都は混乱する」

「戦争は止まらない」

「内戦になる」

だから。

「均衡を守る」

裏切り。

最悪の瞬間。

エルシアが叫ぶ。

「あなた、最初から――」

「最初から監査官だ」

床に魔導陣が展開。

封鎖。

警報。

その時。

空気が裂ける。

結界に亀裂。

赤い魔力。

地下に別の力が侵入する。

「……間に合ったか」

低い声。

紅い瞳。

第24話で出会った魔族強硬派。

笑っている。

「人間同士で揉めているか」

「実に滑稽だ」

黒線紋ではない。

だが目的は同じ。

和平を潰すこと。

「条約は消えるべきだ」

強硬派の刃が封印箱へ向く。

同時に。

ローデンが叫ぶ。

「それはならん!」

一瞬。

目的が重なる。

ローデンは条約を守る。

理由は違う。

混乱を避けたいだけ。

だが今は同じ方向。

魔族強硬派が一閃。

衝撃。

石壁が砕ける。

格が違う。

(勝てない)

「箱を持て!」

俺は叫ぶ。

エルシアが封印を解く。

原本を抱える。

仮面が結界を支える。

ローデンが血を流しながら立つ。

「ここで出せば王都が割れる」

「だが……今は出せ」

覚悟。

裏切ったが。

最後は王都を守るために、賭ける。

魔族強硬派が笑う。

「人間は面白い」

「選べ」

「条約か、命か」

「両方だ」

俺は言う。

煙玉。

崩れた壁の隙間。

結界の歪み。

仮面の補助。

全力で突き抜ける。

背後で爆発。

第三層が半壊。

封印箱が砕ける。

だが原本は手にある。

外。

夜風。

エルシアが震える手で文書を抱く。

「……本物よ」

百年前。

人間側が和平を破った証。

署名。

印。

全部ある。

仮面が低く言う。

「強硬派も動きました」

「黒線紋も止めに来る」

盤面は完全に露出した。

俺は文書を見る。

重い。

だが。

これが世界を変える刃。

遠くで王都の鐘が鳴る。

反逆。

侵入。

魔族侵入。

すべてが一夜で起きた。

ローデンは地下に残った。

生死不明。

裏切り者。

だが最後に道を開けた。

評価は、まだ決められない。

「七日もいらない」

俺は言う。

「明日だ」

真実を、晒す。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

第三章、最初の山場でした。

・ローデンの裏切り

・地下第三層への到達

・和平条約原本の奪取

・そして魔族強硬派の乱入

味方だと思った人物が揺らぎ、

敵は一つではなく、

そして真実はようやく“形”になりました。

今回のテーマは――

「正義の立場は一つではない」です。

ローデンは裏切りました。

ですが彼なりに“王都を守ろう”としています。

腐敗と安定、どちらが正しいのか。

そして魔族強硬派もまた、

彼らなりの理屈で動いています。

盤面は完全に開きました。

次回、第31話からは――

王都全体が揺れます。

和平条約は公になるのか。

黒線紋はどう動くのか。

討伐布告は取り消されるのか。

物語は国家規模へ。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。

感想・評価・ブックマークが大きな励みになります。

第三章、ここから本番です。

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