第27話 封印文書の行方
第三章、開幕です。
戦う覚悟は決まりました。
ですが、敵は巨大です。
まずは“真実”へ近づくところから。
村は修復の最中だった。
崩れた石壁。
焼け焦げた地面。
だが人は動いている。
絶望よりも、作業音が響く。
「南門は三日で仮復旧できる」
カイルが報告する。
「魔導砲対策は?」
「土嚢と水槽で衝撃緩和を試す」
進化している。
壊されるたび、強くなる。
集会小屋。
机の上に広げられた紙片。
仮面が持ち帰った情報。
百年前の和平条約。
抹消された文書。
「本物はどこにある」
俺の問いに、仮面は答える。
「王都中央書庫の地下」
「封印指定区域」
普通なら手出しできない場所。
「写しは?」
「断片のみ」
焦げた紙。
“魔族との共存条約”
その文字だけが読める。
「なぜ今、動いた」
領主アルヴェインが低く問う。
「黒線紋が焦ったのか?」
仮面は首を振る。
「強硬派魔族が動いたことで、均衡が崩れました」
つまり。
黒線紋も急いでいる。
和平の真実が露見すれば終わる。
「なら暴けばいい」
俺は言う。
単純だ。
だが難しい。
王都中央書庫。
厳重警備。
軍管理。
魔導結界。
村一つで挑む相手ではない。
「正面からは無理です」
仮面。
「内部協力者が必要」
内部。
つまり王都内に味方。
領主が沈黙したまま言う。
「一人、心当たりがある」
空気が張る。
「王都文官の中に、古文書を研究している者がいる」
「和平条約の存在を疑っていた」
名は――
エルシア。
「信用できる?」
「正義感が強すぎる」
それは強みでもあり、弱みでもある。
俺は決める。
「会いに行く」
また王都だ。
だが今回は潜入ではない。
接触。
情報戦。
その夜。
見張りが慌ただしく走ってくる。
「レイ!」
「王都から伝令!」
早い。
嫌な予感。
書状が差し出される。
王都軍部印。
内容は簡潔。
“辺境村、反逆罪により討伐対象とする”
正式布告。
ついに来た。
村がざわつく。
だが俺は静かだ。
「期限は?」
「七日」
七日。
短い。
だが足りる。
俺は紙を握る。
「七日で真実を掴む」
「それができれば、討伐は揺らぐ」
戦いは二つ。
時間との戦い。
国家との戦い。
仮面が小さく言う。
「あなたは、本当に進むのですね」
「止まる理由がない」
守るために。
暴くために。
夜空。
遠く王都の方向が赤く光る。
何かが動いている。
こちらだけではない。
第三章は、戦場ではなく書庫から始まる。
だが。
その紙一枚が、戦争を終わらせるかもしれない。
第三章が始まりました。
今回は戦闘ではなく、真実への接近です。
七日の猶予。
時間制限付きの章になります。
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