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『異世界転生したら村の再建を任されたんだが』  作者: パーカー
第二章:拠点進化 〜支配を拒む村〜

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第17話 石壁の攻防 〜揺らぐ信頼〜

第17話です。

石壁の攻防が始まります。

ですが――揺らぐのは外だけではありません。

戦いは、外と内の両方で起こります。

「前進!」

監査官グレイヴの声が響く。

王都兵が整然と進む。

盾兵が前列。

槍兵が後列。

(正規軍……)

数は三十。

だがこちらは地の利がある。

「弓、放て!」

カイルの号令。

矢が雨のように降る。

二人が倒れる。

だが隊列は崩れない。

(訓練されてるな)

南門側。

予告通り、兵が集中する。

「罠、作動!」

落とし格子が落ち、

前列を分断。

混乱。

だがすぐに立て直す。

やはり精鋭。

その時。

「南東が薄い!」

叫び声。

一瞬、村人の視線がそちらへ向く。

(薄くない)

だが、配置がわずかに動いた。

その隙。

壁の裏側で――

カチリ。

聞き慣れない音。

「……何だ?」

振り向いた瞬間。

南東内側の支柱が崩れる。

石壁の一部が、わずかに歪む。

(内側から?)

血が冷える。

「内部だ!」

誰かが叫ぶ。

混乱。

村人の一人が、走る。

見覚えのある背中。

ユークではない。

別の若者。

トル。

「止まれ!」

俺は叫ぶ。

だが遅い。

トルの手には、小さな符。

黒線紋。

「……父さんを返せ!」

叫びながら、支柱へ走る。

(人質……二人目か)

矢が飛ぶ。

カイルの矢。

肩を射抜く。

トルは倒れるが、

符は起動する。

――ボン。

小規模な爆裂。

石壁の一角が崩れ、

兵がなだれ込む。

「持ち場を守れ!」

俺は飛び降りる。

侵入兵を迎撃。

短剣が火花を散らす。

Lv8の身体は前より速い。

だが数が多い。

背後で、ユークが叫ぶ。

「俺はやってない!」

疑心が広がる。

最悪のタイミング。

「今は敵を見る!」

俺は怒鳴る。

「内輪揉めしてる暇はない!」

声が、村を引き戻す。

乱戦。

石壁の上でミラが槍を振るう。

老人が杭を押し込む。

子供たちは退避路へ。

三日間の準備が機能する。

トルは血を流しながら笑う。

「もう遅い……」

「王都は……止まらない……」

だが。

俺は侵入兵を押し返す。

落とし格子を再作動。

挟撃。

王都兵は後退を始める。

グレイヴが舌打ちする。

「……撤退!」

笛が鳴る。

軍は整然と引いた。

完全制圧は不可能と判断した。

戦いは終わった。

だが。

南東の壁は崩れたまま。

トルは意識不明。

村人たちは、互いを疑う目をしている。

(これが狙いか)

物理破壊ではない。

信頼破壊。

夜。

仮面の人物が現れる。

「……内部崩壊狙いです」

「巧妙ですね」

俺は血を拭う。

「甘く見ていた」

「人質は一人じゃなかった」

仮面は静かに言う。

「まだいますよ」

「王都は“複数保険”を掛けます」

寒気が走る。

俺は村を見渡す。

壊れた石壁。

揺らいだ空気。

そして怯えた目。

(守るだけでは、足りない)

村長の言葉が蘇る。

「……反撃する」

俺は呟いた。

静観は終わった。

盤面に立つ。

正面戦闘だけではありませんでした。

内部を揺らすのが、王都側の本命。

村は守れましたが、

信頼は傷つきました。

次回、内部の整理と反撃の準備に入ります。

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