第16話 三日間の準備 〜軍備強化〜
第16話です。
三日間の猶予。
交渉ではなく、準備。
守るための準備が、
戦うための準備へと変わります。
「三日で何ができる」
ミラが腕を組む。
「三日あれば十分だ」
俺は即答した。
やることは決まっている。
一日目:壁を“止める壁”にする
石壁の内側に、
木杭を斜めに打ち込む。
衝撃を逃がす構造。
さらに、南東は三重罠へ変更。
「弱点」はもう存在しない。
【拠点建築進捗:68%】
カイルたちは射撃訓練。
狙うのは“隊列の隙間”。
ただ当てるのではない。
乱す。
二日目:武装の底上げ
鍛冶場は昼夜稼働。
粗鉄の槍を量産。
質は悪い。だが数だ。
「一本より十本よ」
ミラの言葉は正しい。
俺は、ハイ討伐時の戦利品を加工する。
鉄の芯を短剣に組み込む。
耐久向上。
【スキル《即席工作 Lv2》に上昇】
成功率上昇・耐久微増
(来たか)
内政でレベルが上がる感覚。
【レイ Lv8】
戦う前に、強くなる。
三日目:配置変更
村の中心に、避難導線を作る。
子供と老人の退避路を確保。
「戦うのは全員じゃない」
守る順番を決める。
冷たい決断。
ユークは、王都へ第二報を流した。
「南門は未完成」
もちろん嘘だ。
南門の裏は落とし格子。
夜。
仮面の人物が現れる。
「……驚きました」
「三日でここまで」
「守るだけだ」
俺は言う。
「攻めるつもりはない」
仮面は静かに答える。
「ですが、攻めてきます」
その通りだ。
遠くで、土煙。
王都軍。
今度は隠れない。
旗を掲げ、列を成す。
二十。
いや、三十。
思ったより多い。
村人たちの顔が強張る。
だが誰も逃げない。
俺は石壁の上に立つ。
「聞け」
全員が見る。
「従えば、生き残れるかもしれない」
「だが、ここは俺たちの場所だ」
「守るぞ」
短い言葉。
だが十分だった。
王都軍が止まる。
監査官グレイヴが前へ出る。
「最終確認だ」
「王都の管理下に入るか」
風が吹く。
静寂。
俺は答える。
「断る」
空気が変わる。
グレイヴは剣を抜く。
「では、制圧する」
三日間の準備は終わった。
あとは、結果を出すだけだ。
三日間の準備回でした。
戦う前に、強くなる。
それがこの村のやり方です。
次回、ついに正面衝突。
第2章最大の山場に入ります。
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