第10話 第一章完結 〜村は、守れる場所になった〜
第10話です。
第1章の締めくくりになります。
大きな勝利ではありません。
ですが、この村にとっては確かな一歩です。
ここから物語は、次の段階へ進みます。
夜明け。
森は、静かだった。
ゴブリン・ハイを倒してから、
群れの動きは明らかに鈍った。
「……退いた、か」
見張りの老人が、深く息を吐く。
完全に消えたわけではない。
だが、少なくとも“今すぐの壊滅”はなくなった。
それだけで十分だった。
村人たちが、
倒れた上位種の亡骸を囲む。
「これが……あの化け物か」
その声に、恐怖よりも驚きが混じっている。
「倒せたんだな」
そう。
倒せた。
【クエスト達成】
【村の再建:段階2】
報酬:拠点機能解放
視界に、見慣れない表示が浮かぶ。
【拠点:小規模防衛村 Lv1】
・防衛補正 微増
・住民成長補正 微増
・新規機能:建築強化 解放
(拠点レベル……)
村そのものが、
“成長対象”になった。
俺一人じゃない。
村全体が、レベルアップしている。
「レイ」
村長が、静かに頭を下げる。
「あなたに任せて、間違いではなかった」
その言葉に、胸が詰まる。
俺は勇者でもない。
王でもない。
ただの、元一般人だ。
だが。
「……まだ終わってません」
森を見る。
その奥には、
もっと強い脅威があるはずだ。
ゴブリンの上位種がいるなら、
その先もある。
「次は、防壁を石にする」
「武器も増やす」
「そして、外とも繋がる」
村の中だけで守り続けるには限界がある。
強くなるしかない。
村も、俺も、仲間も。
カイルが隣に立つ。
「次も、戦うよ」
「ああ」
ミラも笑う。
「作るわよ、もっと強いもの」
小さな村に、
確かな意思が生まれていた。
レベル表示を確認する。
【レイ Lv7】
スキル:
・即席工作 Lv1
・連携強化 Lv1
装備も、最初とは比べ物にならない。
だが、まだ足りない。
全然足りない。
(ここが、スタート地点だ)
滅びかけだった村は、
今は“守れる場所”になった。
でも。
俺たちの戦いは、
まだ始まったばかりだ。
森のさらに奥。
赤よりも濃い、
黒い影が動いた。
新たな敵が、
静かに目を覚ます。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
第1章は
「滅びかけの村を、守れる場所にする」
物語でした。
最弱スタートから始まり、
少しずつ積み上げた結果です。
第2章では
・村の発展
・新たな仲間
・外部勢力との接触
そして、より強い敵との戦いが始まります。
引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。
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