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眠りたい夜の800字

潤いのある毎日を

作者: もも

 お客さん、やっぱ髪、相当傷んでるよ?俺に任せて良かった!て言わせてみせるから、気合い入れてトリートメントすんね。まずはシャンプーしまーす。

 それにしても駅でお客さんの髪見た時、本当びっくりしたなぁ。腰ぐらいまであるのに、カラーもめちゃ落ちてるし、ばっさばさで乾燥しまくってたからもう見てらんなくて。「これは俺がなんとかしなきゃ!」て、思わず声掛けちゃった。いきなり知らないヤツに近付かれてびっくりしたよね、ごめんね。職業病なのかな、ロングなのにケアがイマイチの人見ると、どうにも我慢できなくて。

 今日使うトリートメントはうちがオリジナルで作ったやつなんだけど、結構常連さんに評判良いから安心して。俺、親が美容師でさ。髪は潤いがあって当たり前!みたいな感覚で育ってきたから、歩いてるとどうしても髪に目がいっちゃうんだよね。お値段安くでいいからってことで施術させてもらうんだけど、ツヤツヤのうるうるになった髪を見るともう大満足な訳。美容師、マジで天職だわ。あ、俺ばっかり喋ってるけど、うるさかったら言ってね。

 じゃあトリートメント終わったから、このままブローすんね。ちょっとだけ姿勢起こしまーす……てお客さん、めちゃくちゃ脱力してんじゃん、ウケる。口も開いてるし、もしかして気持ち良すぎて寝ちゃった?なんてね。お客さんてアレでしょ、いつもドライヤーの温度、高温設定にしてるでしょ。それ髪傷める原因だからね。低温で優しく乾かしてやると全然違うでしょ?ホラ、もうサラサラ。あー触って欲しいなぁ、でも無理か。残念だなぁ、お客さんが暴れなかったら俺だってあんな痛いことしなかったのに。いつも怖がられるからめっちゃ笑顔でお願いしたのに何で嫌がられるのか意味わかんね。ま、お客さんはダメでも髪は生き返ったから、いっか。

 よし、完璧。あっちでは髪に潤いのある毎日を送ってよね!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 読ませて頂く前に「作品キーワード」と「作品ジャンル」を拝見したので、どのようなホラー展開になるのかドキドキしながら読み始めました。 視点主である陽気な美容師さんのトーク力にまんまと騙され(…
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