Age 13
「なあ、お前らやっぱおかしいって」
けだるい午後の授業。xだとかyだとか書かれたぐちゃぐちゃしたグラフが書かれている黒板からようやく開放されてすぐ、隣のケンイチが話しかけてきた。
「おかしいって、何が」
「かなちゃんとのことだよ」
「かながどうか……」
「あ、いたいたー!」
ウワサをすればなんとやらだ。ケンイチが何を言わんとしているのかわからず聞き返していると、かなが教室の入り口からこちらに向かってかけてくるのが見えた。
「かな……どうし」
「ねね、今日は一緒に帰れる?」
こっちが会話している途中でもお構いなしに、かながかぶせてくる。
とはいえ、それはいつものことだ。気にしない、というか気にするのもバカバカしくなりながら、返事をする。
「まあ、今日は何もないから、大丈夫だけど」
「うん! わかったー」
そう言って、かなが目を閉じて近づいてくる。
これは、いつものやつの合図だ。
触れるか触れないかというくらいの、口同士のごあいさつ。
「またあとでねー」
かなが、来た時と同じように嵐のように去っていく。
ただ一緒に帰る誘いをするためだけに来たのか……元気なのは羨ましいね。
そんな気持ちで、かながいなくなった後もそのまま見ていると、ケンイチが回り込んで視界に割り込んできた。
「それだよ、それ! なんなんだ、学校内でちゅっちゅしやがって」
「だってもう恒例みたいなもんだし」
子供の頃、あの雑誌を見つけた時のキスから月日は流れて中学生になった。
しかしそれからかなは「今日は気持ち伝わった?」と聞いてきてはキスしてくるのだ。
ちょっとはおかしいと思うことも一時期あったが、いつの間にか慣れていた。
「恒例って……ちょっとは周りのことを考えろよ」
「ケンイチはそもそも経緯を知ってるでしょうが」
「そりゃ小さい頃のことは聞いてるし、仲がいいのも知っているが……だけどやっぱおかしいぜ、付き合ってるとかじゃないのに」
「そうだけどさ」
慣れてしまった、という言葉だけでは確かに片付けられないのかもしれない。
はっきり言わなければずっとこのまま……
悪くないのかもしれないけれど、そろそろはっきりしないといけない。
それは、わかっているけど。
「大丈夫、かなちゃんもわかってくれるさ、なんてな」
ケンイチの根拠のない自信が、なんとなく頼もしく見えた。
約束通りかなと一緒の帰り道。
ある決意を持って、肩を並べていた。
「なんか今日、雰囲気違う……どうしたの?」
今日も相変わらず観察力を発揮してくるかなを、なんとかかわしながら。
かなの家との分かれ道まで、まずは持ちこたえる。
「じゃあ、またね!」
かながいつものように、迫ってくる。
それをはじめて、かわすこと。
これが、まずはじめに必要だと思った。
「なんで? 私のこと……嫌いになった?」
「いや、好きだよ。でもさ……大事だからこそ簡単にこんなこと繰り返せないっていうか……」
「ケンイチくんに……言われたから?」
「なんでそこでケンイチが」
考えていなかった展開に油断していた。
かなが、再び迫ってきていた。
いつもと違う、長いキス。
「わたしの気持ち……伝わった?」
きっと、ずっとかながキスをしてこようとしたのはそれを伝えたいからだって、それだけは伝わってくる。
もしかしたら、初めての本当のキスだったのかもしれなかった。
とても、その思いを無視することだけはできず、うなずいていた。
「ケンイチくんには、負けないから」
かなが宣戦布告をして、分かれ道を走っていく。
残された自分は、なんとも複雑な気持ちだった。
「女の子に好かれてもなあ……」
自分のスカートをつまみながら、そう思った。
最後の一行でそれまでのロマンが総崩れ。
このオチは使ったことがないので今回そのカードを切ってみた。
というか尻すぼみな終わり方でごめんなさい。思った以上に頭が働かんかった……
変に無理して男女の区別がつけられない書き方をしたからこうなったか。いや、文章力の無さか。というか、途中でバレバレだったかな。
もっと簡単に言えば、力尽きたorz
ちなみに最後のセリフの直後、以下のような話があったとかなかったとか。
「女の子に好かれてもなあ……自分自身でもなぐさめきれないなあ」
「話は聞かせてもらったぜ!」
「なんなの、ケンイチ」
「自分をなぐさめるなんて悲しいこと言うなよ! いざとなったらオレがカラダでなぐさばらぶっ!」
「いきなりなんてことを! ここを『18歳未満閲覧禁止』とかにしたいわけ!?」
「まだ最後まで言っていないだろうが……っ」
「最後まで言わせてたまるかってーの」
「つーか、行動に起こすこと自体を否定しないのな」
「う、うるさいな! ニヤニヤするな!」
ねーよ、としか言いようがない。




