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【凶悪!おっさん少女】ある日突然、むくつけきオッサンになった私。  作者: 渦目のらりく
一章 最強“最悪”のオッサンがうちに来て、全てを奪い取っていった日
18/54

18話 これは……触手っ!!(ニチャァ)

「見なければ、風ちゃんの触手陵辱(りょうじょく)シーンを……これは神より言い渡された使命……宣託(せんたく)である」


 するとタイミング良く、風香ちゃんがそこらの触手を切り払いながら私に駆け寄ってきた。


「どうした白狼、そんな迫真の表情をして!」

「え……あ、いやぁ」

「罪人の手を借りるなど聖魔教会として言語道断だが、このままでは町が壊滅する。お前なら何とか出来るのか!」

「は……?」


 だいぶ熱い眼差しで風香ちゃんを凝視している事がバレた。

 ていうかどうにかするって? 私が? いやこんな巨大生物どうしろっていうの!

 それに私は今、この触手の猛攻を待っている所なんだ。ほらほら早く、風香ちゃんに絡みついてネチョネチョになってグチュグチュに……くふふふ。こんなサービスシーンを見ずにいられようか!


「おい、どうなんだ白狼! 一時的にその手枷を外してやってもいい、お前なら出来るんだろう! 町を救ってくれ!」


 風香ちゃんの必死の訴えは、信徒や町人にまで聞こえていたらしく。やがて伝言ゲームのように根も歯もない解釈が彼等に伝播(でんぱ)していく――


「おい、白狼ならこの『町喰い』も一撃でぶっ飛ばせるらしいぞ!」

「赤子の手をひねる位のもんらしい。マジかよ魔王四天王だぞヤベェな! 早く助けてくれ!」

「聖魔教会本部を破壊した罪への粛清(しゅくせい)は後にしておいてやる、だからこいつを早くぶっ殺せ!」

「いやいや、私出来るなんて言ってないよ〜」


 あぁもう、なんか期待の眼差しが痛いよ。さっきみんな、よってたかって私の事引っ捕らえようとしてたじゃない、虫がいいよ! ていうか出来っこないし、こんなデカブツどうすればいいかわかんないもん!

 風香ちゃんが私の手を取って手枷をいじり始める。なんか勝手に私に戦わせようとしてない、ねぇ?


「おい白狼、頼むからなんとかしてくれないか。今手枷を外すから……」

「ふーんだ! いくら風ちゃんの頼みでも私知らないもん!」

「なんだよ白狼、ヘソ曲げるな」

「だってさっき、私に意地悪言ったじゃない。風ちゃんなんてもう知らない、私悲しかったんだからね!」


 そうこう言ってる間に、私の前に座り込んだ風香ちゃんの背後に、無数の触手が近寄って来ていた。


「なぁ頼むから白狼。聖魔教会よ町も潰れちゃったら、私もう無職なんだ。ただでさえ借金まみれなのに無職になるんだぞ? いくあてもないし、そんな事になったらもう、野垂れ死ぬしかないんだよ」

「……ふふ…………クックック」


 数十本もの触手が差し迫っている事を黙し、今か今かとその時を待っていた私の願いが、遂に成就を間近にした。

 すると私は絶好のタイミングで、極悪ヅラで舌舐めずりをしながら、風花ちゃんに言い放ってやった――


「さぁ、やってくださいまし触手様!」

「な――白狼、私を裏切ったのか!?」


 ――次の瞬間だった。

 うねりながら迫る数十本の触手様が――


「ウビィイイイイイッッ!!!? なんでぇエエエ!!!」


 ――全て私に絡み付いて、手枷がついたまま空へと吊り上げられていった……(誰得……?)

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