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さまよう首  作者: ツヨシ
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「えっ!」

「もう一度言いますね。さあやの除霊に一緒に来てもらいたいんです」

「どうしてですか?」

「どうしてもと言われても、わたしにもよくわからないんですが。私の本能というかカンがそう言ってます。私のカンはよく当たるんです。おそらくまだ何かわからないあなたの特別な力が関係しているのだとは思いますが」

「はあ」

「いいでしょう。他の人なら初対面の人にこんなことは頼めませんが。でもあなただから頼むんです。いいですか」

「はあ」

「はいかいいえで答えてください」

「は、はい」

「そう言ってくれると思いました。あんな化け物に会った後で、自分には何の関係もないのにもう一度あの化け物に会ってもいいなんて、普通の人なら絶対に言わないでしょうね。間違っても。でもあなたなら言ってくれると思ってました。ありがとうございます」

「いえ」

「それじゃあ準備を整えて、近いうちに連絡します。よろしくお願いします」

「ええ」

そしてあっさりと別れた。

諸星はそのまま家に帰った。

遅い夕食を取り、風呂に入ってそのまま寝た。

明日も仕事なのだから。


男は夜道を歩いていた。

仕事の終わりだ。

男の仕事は始まるのが一般よりも遅く、終わるのも当然ながら遅い。

だからこんな時間に帰宅をしているのだ。

――それにしても……。

男は思った。

休みの日以外はいつも同じ時間に帰っているが、この道は前から人通りが少なかったが、ここ最近はさらに少なくなったように思える。

――おそらく例の事件のせいだな。

ここ最近、近所はもちろんのこと日本中、いや世界中で大きな話題となっている連続首切り殺人事件。

その事件の中心がまさにこの辺りなのだ。

犯人はいまだに捕まらない。

しかし男はそんなものにはひるまなかった。

男は若くて体も大きくいかつい。

そしてなにより現役の全日本空手選手権のチャンピオンなのだ。

プロの格闘家にならないかという誘いを、現在進行形でいくつも受けている。

相手が素人なら、たとえナイフやバッドを持っていたとしても、とても負ける気がしない。

なんなら連続首切り魔よ、俺の前に姿を現せ。

叩きのめしてこの猟奇殺人を終わらせてやる、

くらいに思っていた。

それなのにいまだに殺人鬼は男の前には現れない。

――まあ、殺人犯も相手を選ぶだろうからな。俺は見るからに強そうだし。今までに中年の男女と少年少女しか殺していないし。

そんなことを考えながら歩いていると、男の目の前に突然何かが現れた。

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