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嵐は突然やってくるものです

本日2回目の投稿です。

誤字脱字報告ありがとうございますm(__)m

リリーが聖女に認定されてから3ヶ月が経った。最初は少しぎこちなかったカルロ様とフェルナンド殿下は、今ではだいぶ仲が改善され、よく一緒に居るのを見かける。やはり兄弟、性格は全く違うけれど居心地がいいらしい。


そして私たちを襲ったドラゴンの調査だが、お父様自ら指揮をとり、徹底的に調べられた。ただなぜあの森にいたのか、私たちを狙ってきたのかは未だわからないとのこと。


もしかすると聖女の魔力を察知して、ドラゴンが現れたのではないかという説も出てきているが、今までそんな話はなかったとのことなので、可能性としては低いらしい。


あれ以来ドラゴンは見かけないので、もしかしたら何らかの理由でたまたまいたという可能性もあるとお父様が言っていたが、引き続き調査は続けるようだ。




そして私たちはと言うと、マリアとリリーの3人でお茶を飲みながら、学年末テストの勉強をしている。


「もう頭がパンクしそう。どうしてこう覚えることが多いのかしら」

そう言ってペンを置くリリー。


「リリー、あなたそう言いながらこの前のテスト、学年4位だったでしょ」


そう言って膨れているのはマリアだ。


「そうだけれどさ。でもエイリーン様には、やっぱりかなわないわ。だってエイドリアン様と揃って満点の同率1位なんですもの」


そう、私は前回のテストでは、エイドリアンと揃って1位だったのだ。ちなみに3位がフェルナンド殿下、4位がリリー、5位がカルロ様、8位がマリアだ。


カルロ様は「ニッチェル嬢に負けるなんて!」と憤慨していたが、仕方ないことだ。


「今回の学年末テストの順位で2年のクラス分けが決まるんですもの!今回も頑張らなきゃね。それに明日のテストが終われば、長期連休に入るし!」


リリーはそう言うと再びペンをとった。

そう、テストは明日まで。そして来週から2ヶ月程度の長い休みに入る。


初めての長期休み!何をしようか今から楽しみだ!


「そう言えば明日のテスト後のティータイムだけれど、エイリーンがお茶を準備してくれるのよね?」


「そうよ、明日はとびっきり美味しいお茶を準備するから、みんなテスト頑張ろうね」


私が笑顔で答える。

私たちのティータイムは、交代で各自お気に入りのお茶を持ってくるのがルールだ。

明日は私の番。領地でとれた私のお気に入りのお茶を持っていく予定だ。


テスト勉強も終え、私たちは家路に着いた。

部屋で勉強をしていると、エイドリアンが訪ねてきた。

何かあったのかしら?


「エイリーン、テスト勉強は進んでいるかい?」


「ええ、順調よ。エイドリアンは?」


「俺もしっかりやっているよ!なあ、エイリーン…最近なんか困ったこととか気になる事とかないか?」


困ったことや気になる事?


「特にないけれど、どうかした?」


「いいや、ないなら良いんだ。勉強もほどほどにな」


そう言うとエイドリアンは部屋から出て行った。

一体何が言いたかったのかしら。



そして翌日、今日が終わればやっとテストから解放されるわ!そう思いながら目が覚めた。


「コンコン、お嬢様お目覚めのお時間です。」


そう言ってやって来たのはアンナ…ではなく、3ヶ月前に新しく入ったステラだ。


「あら?アンナはどうしたの?」

私は疑問に思い、ステラに聞く。


「アンナは今朝から腹痛に襲われておりまして、今日は私がお嬢様のお世話をさせていただきます」


アンナ腹痛なんだ。大丈夫なのかしら?

珍しいわね、アンナが体調不良なんて。でも無理はいけないもんね。今日はゆっくり休んでもらわないと。


「わかったわ。ステラ、今日はよろしくね」


「はい、お嬢様」

ステラはそう言うと、私の身支度を手伝ってくれた。


「ステラ、今日は私がお茶を持っていく日なの。料理長に準備してもらう様にお願いしてあるから、忘れないでね」


私はステラに伝える。うっかり忘れられたら大変だもんね。


「かしこまりました。お嬢様」


ステラはそう言うと、部屋から出て行った。うちに来てまだ3ヶ月しかたっていないステラだけれど、以前別のお屋敷で働いていたとのことで、とてもしっかりしている。


ヘタするとアンナよりしっかりしているかも、なんて言ったらアンナに怒られそうね。


私はそんなことを考えながら、学院に向かう馬車へと乗り込んだ。

雲一つない真っ青な空、絶好のティータイム日和ね。



そして無事テストも終わり、いつもの中庭でティータイムだ。


「やっとテスト終わった~!後3日学院に行けばお休みに入るのね!」


リリーが伸びをしながら嬉しそうにそう言う。


「そうだ、せっかく2ヶ月も休みがあるのだもの。どこかに遊びに行かない?」

私の提案にリリーもマリアもうなずく。


「ならうちの領地に遊びに来て。うちの領地では奇麗な宝石がたくさん取れるのよ。それに珍しい花や鳥たちもたくさんいるのよ」


そう言ったのはマリアだ。


「素敵ね、ぜひ行きたいわ」


マリアの申し出にリリーが食いついた。私もうなずく。


「よし、決まり!じゃあ来週早速うちの領地に行きましょう」


マリアの言葉に、私たちはうなずく。ベネフィーラ侯爵家の領地か!楽しみね!


「そう言えばエイリーン、ドラゴンのその後はどう?何かわかった?」


マリアが急に真剣な顔で聞いてきた。


「それがよくわからないみたいで、捜査も難航しているの。お父様は何らかの理由でたまたまあそこにドラゴンがいたのでは?って言い始めているし」


本当に何でドラゴンがいたのか、全く分かっていない。


「そう言えば私聞いたことがあるわ。隣国にドラゴンを使って商売をしている魔術師がいるって。今回のドラゴンと何か関係があるのかしら?」


マリアが思い出したようにそんなことを言い出した。


「マリア、それ本当?もしかしたら、その魔術師と何か関係があるのかもしれないわ。早速お父様に伝えてみるわね」


本当にマリアは頼りになる。

それにしても、お茶遅いわね。何しているのかしら。

そう思っていると、やっとステラがお茶を持ってきてくれた。


「今日のお茶はうちの領地で取れた物よ。この時期しか取れない貴重なお茶なの。美味しいから飲んでみて」


私は2人にお茶を進める。


「うわ~いい香り」


マリアはそう言うと一口飲み「これ本当においしいわね」と言っている。


リリーはどうかな?

そう思っていた時


「あ゛あ゛っっ…」

お茶を一口飲んだリリーが急に苦しみだし、その場に倒れこんだ!


えっ?

一体何が起こったの?


ドラゴン事件はあったものの、リリーが聖女として目覚めフェルナンド殿下と婚約したり、王子2人の仲が改善されたりと、エイリーンにとって嬉しいことが続いていました。


そんな中、お茶を飲んだリリーが急に苦しみだすという事態に!

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