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王太子就任式&婚約発表会を行います~前編~

やっと第二王子登場です!

「エイリーン、カルロ殿下から婚約発表の時に着るドレスが届いたわよ!早速見せて頂戴!」


お母様が嬉しそうに私の部屋にやってきた。


ジーク殿下とカルロ様の決闘事件以降、平和に王妃教育を受け続け、ついに12歳になった。


そして1週間後には、カルロ様の王太子就任式と私たちの婚約発表会を控えている。


本来であれば公爵家でドレスを準備するんだけれど、カルロ様たっての希望で、今回はカルロ様がドレスを準備してくれたのだ。


奇麗に梱包してある箱を開けると、中には宝石を全面に散りばめたスカイブルーのドレスが入っていた。スカートの裾部分には金色の糸で美しい刺繍が施されている。


「あら~~、エイリーンはよほどカルロ殿下に愛されているのね!」


お母様がニヤニヤしている。


それもそのはず、カルロ様の瞳の色でもあるスカイブルーを基調としている上、カルロ様の髪の色と同じ糸で刺繍されているのだ。


アレクサンドル王国では、自分の髪や瞳の色を恋人や妻に身に着けさせる習慣がある。

この女性は私のものだ!手を出すなよ!という意味があるらしい。


そのことをもちろん王族であるカルロ様が知らないはずはない。


ということは、私(今現在は)カルロ様に愛されているってことよね!


よっしゃーー!


私は心の中でガッツポーズを決めた!

いずれヒロインにカルロ様の心を奪われたとしても、今だけでも愛されていると思うと嬉しいわ。


でも社交辞令ってこともあるわよね?

どうなのかしら?



「エイリーン、早速着てみて頂戴!」


そうだ、せっかくなんだから着て見なくちゃ。


早速メイドのアンナに頼んで、着替えさせてもらうことにした。

ちなみにアンナは無事貴族学院を卒業し、また私の専属メイドとして働いてもらっている。


さすが私の専属メイド、手際がものすごくいい。あっという間に着替えが終わった。


鏡に映った自分を見てみる。自分で言うのもなんだが、良く似合っている。


「まあ、とってもよく似合っているわよ、さすが私の娘ね!」


お母様も満足そうだ。



「お嬢様、箱の中にまだ何か入っているようですよ」


アンナの言葉を聞き、もう一度箱を覗く。


そこにはこれまた金を基調とした首飾りと、可愛らしいイヤリングが入っていた。そしてカルロ様からの手紙も。


“エイリーン、ドレスとアクセサリーは気に入ってくれたかい?当日身に着けてくれるのを楽しみにしているよ。  カルロ”


「カルロ様ったら」


嬉しそうに手紙を握りしめる私に、お母様とアンナがニヤニヤしながら見ている。

別にいいでしょ。嬉しいんだから!




そうこうしているうちに、あっという間に王太子就任式と婚約発表会当日を迎えた。


実はこの式典、私たち以外にもう1人主役がいる。

カルロ様とジーク殿下の決闘以来、陛下と王妃様の仲は劇的に改善された。


すれ違った時間を取り戻すかのように、それはもう周りが引くほどのラブラブぶりだ。

使用人の間でも、もしかしたら王子か王女がもう1人誕生するのでは?という話も出て来ていた。


そして使用人たちの期待通り?3ヶ月前に可愛らしい王女様が産まれたのだ。金色の髪に赤い瞳の王女、ソフィア様はそれはもう可愛い。


陛下や王妃様はもちろん、私やカルロ様もメロメロだ。


今回の式典は他国の王族も数多く出席するため、ついでにソフィア王女のお披露目も行っちゃおうということになったのだ。




「お嬢様、そろそろご準備を始めましょう」


アンナ率いるメイド隊が私の部屋にやってきた。


私はメイドたちにお風呂場に連れて行かれ、隅から隅まで磨かれていく。保湿用のクリームを全身に塗りたくられ、さらに香油も塗られた。



次はドレスだ。カルロ様からもらったドレスをまとい、アクセサリーを付ける。

今回は軽く化粧も施された。

髪はハーフアップ、髪飾りは私が選んだ青バラを付けてもらった。


ちなみに青バラの花ことばは「夢かなう」だ。

私の夢はカルロ様を死なせない、幸せにすること、まだ夢がかなった訳ではないけれど、なんとなく縁起がいいなと思ったのも青バラの髪飾りを選んだ理由の1つ。



「本当に今日のお嬢様は一段とお美しいですわ」


私も鏡で自分の姿を確認する。


12歳とは思えないほど大人びている。大分漫画の世界のエイリーンに近づいてきたな…


「お嬢様、旦那さまや奥様、お坊ちゃまがお待ちです。そろそろ参りましょう」


アンナに声をかけられ、両親とエイドリアンが待つ玄関へと向かった。



「エイリーン、なんて美しいんだ!まるで女神のようだ!」

「本当に奇麗だわ。さすが私の娘ね」


両親が口々に褒める。


「あの殿下にしては良いドレスを贈ってきたな。よく似合っているよ」


エイドリアン、それはどういう意味だ!


「あまりゆっくりしている訳にはいかないからな。さあ、そろそろ行こうか」


お父様の言葉で私たちは馬車へと乗り込む。


行先はもちろん王宮だ。


今日は私たちのために他国の王族がたくさん集まってきてくれている。

どうしよう…うまく立ち振る舞えるかしら…


「エイリーン、緊張しているのかい?エイリーンなら大丈夫だよ、ほら笑って」


そういうとエイドリアンは私の両方の頬っぺたを軽くつねった。


「もう、エイドリアンったら」


私はエイドリアンの手を振り払い、頬を膨らます。


でもエイドリアンのおかげで、少し気持ちが落ち着いたわ。

一時はどうなるかと思ったけれど、エイドリアンとはすっかり仲良しになった。こういう時、兄妹ってやっぱり良いなと思う。


“ありがとう、エイドリアン”

私は心の中でお礼を言った。



そうこうしているうちに王宮に着いた。

両親とエイドリアンとはここでお別れ。

私はカルロ様たちが待つ控室へと案内された。


部屋に入るとカルロ様、陛下、王妃様、ソフィア王女もいる。


「遅くなり申し訳ございません、国王陛下・王妃陛下・カルロ様・ソフィア王女、ご機嫌麗しゅう存じます」


私はカーテシーと共に挨拶をする。


「エイリーン、よく来てくれたね。今日のエイリーンはひときわ美しいよ。僕の選んだドレスもとってもよく似合っているし」


すぐにカルロ様が私のもとへ来て、ドレスを褒めてくれる。


「本当に、今日のエイリーンちゃんはいつも以上に可愛いわ。それにしてもカルロ、そのドレスは…」


王妃様が苦笑いしている。


「まあ、それだけカルロはエイリーン嬢を好いているということだろう。私だって負けないくらいビクトリアを愛しているぞ」


「シリル様!!」


ヤバい、始まった、陛下と王妃様のイチャイチャ。


「あう~~~」


そこに割って入ったのがソフィア王女だ。ピンクのドレスがとても似合っているソフィア王女、今日の主役の1人でもある。


「ソフィア、焼きもちを焼いているのかい?可愛いな~」


陛下がソフィア王女に頬ずりをしている。

もう好きにしてくれという感じだ…


「皆様、ご歓談のところ失礼いたします。そろそろ式典のご準備をお願いいたします」


陛下専属の執事が呼びに来た。



「もうそんな時間か、では行こうか」


陛下の掛け声で、私たち5人は王宮の大広間へと繋がる待合室へと向かう。ここは王族以外は入れない場所だ。初めて入る待合室、なんだか本当に王族の仲間入りをしたみたいで緊張するわ。



しばらくすると、もう1人少年が入ってきた。美しい銀色の髪に、赤い瞳、間違いない!第二王子のフェルナンド殿下だわ!


いつも読んでいただきありがとうございます!



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