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お別れ
知らない間に彼女とは親しくなった。
彼女でも、珍しいそれが何なのかはわからなかった。
彼女とは、図書室以外で一度も会っていない。
今日の学校の帰り、いつもの野原に行った。
野原は一変して土の塊になっていた。
建設予定地の看板が立っていた。
あの場所に、珍しいそれはなくなっていた。
僕は家で静かに泣いた。
きっと誰も、わかってはくれない。
今日、図書室に行っても彼女はいなかった。
何か理由があって、学校にきていないだけだと思った。
次の日も、その次の日も、僕は図書館に行った。
それでも彼女はこなかった。
そしてまた、僕は一人ぼっちになった。