↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/104

5-3

「そいつは俺達の物だ」


 いつでも呪文を放てるぞ、と言わんばかりに、エルが掌を突き出し三人を威嚇した。


「俺達以外に来れる奴が居たぞ。やべ、ちょっと嬉しい」


 オズワルドが何故かうずうずと騒ぎ出した。


「局長、あの二人はこの街では有名な、ならず者です」


 アイシアは胸ポケットから手帳を開き、要注意人物の項目を開くと、そこにはエルとフェリーの顔写真が貼られていた。



「ねぇ、エル……あの人達って、ギルドのメンバーじゃない?」


「えっ?」


 その言葉に、エルの顔が素に戻る。


 無愛想そうな、華奢な体をした女侍。地味で目立たない雰囲気の賢者。そして髭がやたら長くて胡散臭そうなモンク。エルは記憶を探るが、どうにもこうにも思い出せなかった。


「すまん、覚えてない」


「あの男、局長。後二人は知らないけど…………」


 二人に冷たい視線を送りながら、アイシアが口を開いた。


「ギルド条約第3項、その1。如何なる探索者であっても、地下迷宮(ダンジョン)内にてギルドの行う作業を妨害してはならない。…………今すぐにお引き取りを」


|    《「……よく覚えてるな」》


 オズワルドが小さくぼやいた。


 しかし、アイシアの応えに、エルはニヤリと嫌らしく微笑んだ。


「ギルド条約第3項、その15。ギルドのメンバーは地下迷宮(ダンジョン)内にて手に入れたアイテムの所有権を放棄する。ただし、未発見の物、またはギルド指定の物品はその限りではない。……魔鉱石は対象外の筈だが?」


 エルの言葉に、アイシアが口を真一文字に結んだ。


「……自分に都合の良い所だけは覚えてるんだね」


「うっせ」


 変動期を齎した魔鉱石は、その発見個数こそは少ないものの、未発見ではなく、また、ギルド指定の物品や危険物扱いでは無いため、本来であれば探索者同士による自由競争が常であり、ギルドが所有権を主張するのはおかしい。と、エルは主張した。


「え? そうなのか!?」


 オズワルドがアイシアを見ると、眉をひそめ、無言で深く頷いた。


「…………あー、分かった分かった。魔鉱石(コイツ)はお前らにやろう」


 オズワルドは魔鉱石を指で小突いた。


「ただし、俺達はココで調査をしている…………つまり、えーっと……アイシア?」


「ふぅ……」


 アイシアが愛想を尽かしたような深いため息を漏らした。が、直ぐに目付きが鋭くなり、刀を抜いて身構えた。


「ギルド条約第3項、その3。地下迷宮(ダンジョン)ギルドメンバーの探索及び、調査を妨害してはならない。探索者による妨害が認められた場合、戦闘による排除も考慮に入れ、全てはギルドメンバーの一任に委ねられる──です」


「そうそう、それそれ」


 オズワルドがエルより悪い顔でニヤリと微笑んだ。


「え? 局長?」


 メイデアがオズワルドを見ると、既に戦闘モードへと入っていた。そして、本来であればそれを止めるべき秘書官であるアイシアも、刀を身構えやる気を見せていた。


「すまんメイデア。これはアレだ……治安維持行動だ」


「きょ! きょきょっ! きょくちょーが、そぅ仰るにゃら──」


 メイデアは魔道書を手に、戦闘モードへと突入した。



「へへ、あちらさんは力尽くで来いってさ」


「良かったね。馬が合って♪」


「──ああ!!」


 エルは詠唱を始め、フェリーは小刀を抜いて瞬く間にこの場に居る人間の視界から消え失せた…………。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 戦闘狂ばっかりww いいぞいいぞww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。