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5-1

ギルド編始まりです。宜しくお願い致す。

 ダンジョンが変動期に入り、2カ月が過ぎようとしていた。


「おーい……いくら何でも長過ぎねーか?」


 誰も居ない部屋に、男の乾いた声が響く。


 デスクに置いたグローブを取ろうとして、ネームプレートが机から落ちる。


【ギルド局長 オズワルド】


 男はそれを乱雑にデスクの上へと放り投げると、グローブをポケットへと押し込み、ゆっくりと、静かに、こっそりとドアを開けた。


「……誰も居ないな?」


 閑散としたギルドの隅を、コソコソと歩く男の姿は、まるでコソ泥のようだった。


「──何処へ行かれるおつもりで?」


「グッ……!」


 男が忍び足のままゆっくりと横を向くと、そこには腕を組んだスーツ姿の女エルフが立っており、スーツに付けられた腕章には『秘書』と書かれていた。


「……やあアイシア。ちょいと散歩にでもな、行こうかなって……」


「なりません」


「……ダメ?」


 ビッと女エルフが指差した先には、盛りに盛った書類の山がいくつも出来上がっていた。


「なりません」


「分かった! 分かったよ! やれば良いんだろ!?」


 男は諦めて書類の山の上から、適当に書類を掴み──


「後でな!!」


 書類を女エルフに向かって投げ付け目眩まし! 足早に逃走した!!



 男はギルドから逃げ出し、人が全く寄りつかぬ変動期のダンジョンの前へと来ていた。


「全く……アイシアの奴め。中央の命令だからって俺様を監禁監視しやがって…………」


「なりません」


「のわーっ!!!!」


 男が一息着く暇も無いまま、女エルフは男の目の前へと突然現れた。


「ギルドの局長たる人物が、単騎突入とは何たる無責任で無謀で無茶で味音痴な事でしょう」


(……味音痴?)


「しかし、今回の変動期は些か長期化しており、このままでは探索者の生活に支障が出てしまうのも、また事実……」


「あー……つまり、二人で行こうって訳だな?」


「……いえ、三人です」


 女エルフが指差した先には、全力で駆け寄る女性が居た。


「局長ー!! 置いていくなんてあんまりですー!!」


「……何でメイデアまで?」


「副局長ですから!」


「メイデア副局長まで来てしまったので、もし我々に何かあれば、ギルドはおしまいです」


「……さらりと怖いこと言わないでくれアイシア」


「すみません局長! 居ても立ってもいられず着いてきてしまいました!」


「まあいいさ。つまり、三人で変動期をさっさと終わらせれば良いんだな?」


「……そういう事です」


「きょ、局長! もし無事に戻ったら、わた、わたた、私とごは──」


「ダンジョン突入ーー!!」


「おー」


「ああ! 待って下さいー!!」


 ギルド局長オズワルドと、秘書官アイシア。そしてギルド副局長メイデアは、変動期を終わらせるべく、ダンジョンへと突入した。

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― 新着の感想 ―
[一言] ハーレムかい?
[一言] 変動期は大変なんですね (*´▽`*)
[一言] いいですなあ。 キャリアウーマン風の秘書官と可愛い副局長。
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