千思万考
そしてその日の帰り、僕達は帰路についていた。その日にやったことは歓迎会以外には一回目のミーティングぐらいだった。どうやら活動は意外と多いらしく、文芸部でもないのに会誌の作成、文化祭でもなんかの出し物みたいな感じ、か。
そういえば部長さんは今年は映画を撮る、とかいっていたのでその時は脱力したりもした。その時に隣の人達の表情を見ていると、桜さんは興味津々とか、熱烈峻厳という言葉は、こいつのために生まれたんじゃないかというくらい興奮していて、やや頬も赤がかっていた。それに対して、幼なじみ(拓武)はわけがわからないよとでも言いたげなとにかく暗い顔をしていた。
まあそんなことはどうでもいいんだ。それより、桜さんだ。彼女は、何かが違った。まとわっている雰囲気が、今までのものとは違った。まるで2001年と2010年がパラレルワールドであるといった風に違う。なぜなんだろう。さっきからそればかりが引っかかっている。彼女は、何者なのだろうか。それは段々と好奇心へと変化をしていく。
ちなみに僕は一人で下校している。桜さんは家がそれなりに離れているし、拓武はなんだか用事があるそうだったので、僕は誘わなかった。
考え事をしていたら家の前についていた。
今日は姉が酒を飲んでいないことを願いつつ、玄関のドアを開ける。
そろそろ2章に入ります。