僕の思考(前編)
僕は桜さんのことをどう思っているのか、と思う。それは、関わりがよいのでほぼ親友となったも同然の中なのではあるのだが、それにしては馴れ馴れしいというか……。そこで僕はこう思った。なぜこんなことを考えているのか、とだ。その原因は体育の授業中に行われた拓武と、ついでに成田さんの会話へと遡る。というか、成田って苗字、珍しかぁないか?それで、僕は空想の世界へと入っていった。
その時、拓武が話しかけてきた。
「そういえやよぉ、お前、桜のことどう思っているんだ?」
そんなことを言われてもなぁ、僕は判断に困る問題だぞ、それ。僕の言い訳ともとれる戯れ言に対し、やれやれと言わんばかりにかぶりを振る拓武は続ける。
「俺からの忠告だ。あいつはなぁ、お前に恋をしている。そんな目をしているんだ」
僕は言い返した。「んなばかなことあるか」と。すると、いつのまにか話に入ってきた成田さんがこういった。
「ボクはそのことはわからないけど、でもそれってキミはきずいているんじゃぁない?」
いちおうだが、日本語おかしいぞ。まぁそれはいい。それで、僕にはそんなには見えぬのだがな。あいつは、女ともあんな感じに話しかけてけてるしな。まぁいい。さて、僕はもう付き合ってられない。さっさと退却だ。




