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僕と彼女の交換日記:春  作者: 齋藤 一樹
1章
5/70

嚆矢濫觴

四字熟語なら、タイトルのネタが切れないと…思う

その日の昼休み、僕は部活に入ろうか悩んでいたりしていたが、脳内ではどうせ入りたくないと考えているようで、結局のところ入る気がなくものすごく悲しくなっていたりしたら、突然後ろから声がかかってきて、

「部活、入らない?」とか言ってきたので、泣きたくなってきた。なんだ、こいつは心が読める特殊能力でも持ってるのか?それとも僕の心境が顔にでも出ていたか偶然かだな。いやむしろ偶然だと信じたいのだが。

僕はできるだけ平然を装った顔で返事をしたが、冷や汗をかいていたのかもしれない。

「なんだ、いきなり」

するとこいつは整っている顔にいたずらっ子のような笑みを浮かべ(これが中々様になっていたのだが)僕を修行に出させたくなるような言葉を吐いた。

「だって、あなたって考えてることが顔に出やすいんだもの」

これだから!もういやだ、感情が出る癖なんて初めて知ったぞ。なんでだ、まぁ僕はこれまでそんなに他の人と関わってないからそのせいかもしれなくもないがというかまて、それってただただこいつの感が良すぎるだけで、僕は普通の人と同じくらいしか感情が出ないのではないか?

「いや、わたしはほかの人より少し鈍いよ」

おい、心の声を読むな。つーかやっぱりお前esp能力でもあるのか?いや、いま考えていることもこいつにバレているかも。こいつは僕の心をやたらと読みたがるな。

「まあいいじゃん。話が進まないし、キミはボクの言うことに従っていればok」

キャラと1人称が変わっていないか?

「じゃ、わたしが部活届けを出しとくから。」

それなんの部活?と聞こうとしたら、あいにく授業の予鈴がなったので聞かないことにする。全く、変な所で都合の悪いベルだ。

その後、僕は後ろのやつが妙に高揚しているような感覚に陥ったり、なぜか同じクラスになった(誰かの陰謀ではないのだろうか)幼なじみの顔を見て、関係ないのに姉の顔を思い出してため息を付いたり、授業の聞き流したり、おまけに後ろのやつをみたら何故か幼なじみのことを見つめていた。

変な気でもあるのかな。あいつは面はいいが中身が残念だ。どうしてもって言うんなら止めんがやめといた方がいいぞ。いやほんとに。

それにしても僕も少し『部活』にたいして憧れがあったことも否定はできない。なぜなら少しは『憧れのハイスクールライフ!』みたいな青春を謳歌したかったし、今でも少しのぞんでいたからだ。

しかしなんだろう、嫌な予感というか、期待はずれなことになりそうな予感がしてならんのだが。僕はそんなことを考えながら、小さくため息をついた。全く、今日は溜息がよく出そうだ。僕のあるはずのない第六感が、そう伝えていた。

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