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僕と彼女の交換日記:春  作者: 齋藤 一樹
4章
38/70

溜息の日 part-07

その調子で僕と谷川さんの間には痛い沈黙が押し寄せ、僕は気紛れにお冷をいっきに飲んだ。すこし生温かったが、気にするまい。その後も僕と谷川さんは一言も発することなく、僕達は店を出た。僕は溜息をつき、そしてから谷川さんを見た。やや小柄なその体かでる敵オーラは、周囲の人達から(そうとはいったものの、そんなに人はいなかったのだが。)確実に恐れられていた。僕はそんな視線に耐え切れなくなり、谷川さんに提案した。

「谷川さん、元に戻っておくれ―」

まことに意味不明であったが、谷川さんはその意味を理解したらしく、首を立てに振り、以外にもなんにも反論せずに、(彼女は少し肩を震わしたりはした。)口をパクパク動かす。この光景に慣れてきた自分に少し驚いたりしていると、谷川さん(桜さんかも)はゆっくりと顔を上げ、前の微笑を取り戻した。そういえば彼女はなんであんなに無表情だったんだ?いつもはもっと攻撃的な雰囲気をたもしだしている彼女が(とはいっても彼女はオーラは出ていたが)あんなに無表情なのは信じられん。桜さんが発した言葉で僕の意識は元に戻った。

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