第78話 アルティオン突入作戦 3
「話を戻すぞ」
ディアス兄さんが言い、ぼくは姿勢を正した。
ティフさんも真顔になり、ファムルさんも一度「ん?」という顔はしたものの、空気を読んでかしゃきっとした。
「ファムル、だったな。お前はなぜここに来た?」
「よくぞ聞いてくれたわね!」
兄さんの問いに、ファムルさんはドヤ顔で応じた。まあ縛り上げられてるから、ただうざいだけのドヤ顔だけど。
「ちょっと人助けしたらものすごくお腹減ってね! その人から、こっちに行けばマナがたくさんあるって聞いたから来たのよ! 予想通り、とてもおいしいマナにありつけたわ!」
そして話す内容もなんていうかしょうもなさが漂っている。
って言うか、リアルに空腹だったのか。
「……夢人族にとっては、マナが重要なエネルギー源……だったか?」
「そうよ! あたしたちはとっても繊細な生き物なの! マナが枯渇するだけでも死んじゃうんだから!」
「……それは自慢げに言うことじゃないと思いますけど」
「っつーか、マナだったらそこら辺のもの食えばそれで補給できるだろ。死にかけるまで食わなかったとか、お前何やってるんだよ」
「別に食べなかったわけじゃないわよ! 言ったでしょ、人助けした、って。なんか逃げてきたって人たちが全然食べ物ないーって言うから、あたしの魔法でぱぱーっと食料創ってあげたの! 偉いでしょ!?」
「それは……確かに偉いな……」
「でしょ、でしょ! もっと褒めてくれたっていいのよ!」
「調子こいてんじゃねえぞ」
「ひどい!?」
ものすごく軽い会話が行われてるけど、これ、よく考えなくってもとんでもない内容だよな。
食料を創る。これは誇張でもなんでもなく、本当のことだろう。
夢人族は、他の種族とは違う魔法を使うことができると文献に書いてあった。それは夢幻魔法と呼ばれるどんな魔法にも属さない特殊なもので、使い手の想像をそのまま現実にしてしまうという、とんでもない魔法なのだ。
もちろん、使い手の技術や身に宿しているマナの量でできることは変わってくるけど、それでも思い浮かべたことが実現できると言うのはとんでもなさすぎる。
ファムルさんはきっと、己のマナと引き換えにして難民に食料を配ったんだろう。何を配ったかはさておき、極度の空腹になるくらいだから、量は相当出したんだと思われる。
見返りを求めたのかどうかはわからないけど、己の持っているマナがそのまま命に直結する夢人族で、それを実行できるのはすごいことだよなあ。
「……その逃げてきた人、というのはこの街から逃げていたのか?」
「うん、そうだったみたいよ。瘴気が噴き出て死ぬかと思った、って言ってたわ。それで、腐海レベルの瘴気ならともかく、普通の瘴気程度ならあたしたちはそのままエネルギーにできるからさ。減ったマナを補充するのにちょうどいいなって思ってここに来たのよ。大正解だったわ!」
そう言うと、ファムルさんはドヤ顔をしながらじゅるりとよだれを垂らすと言う器用な真似をした。
っていうか、そうか。生きるのにマナが必要な夢人族にとって、瘴気はごちそうなのか……。
「……図らずもそれが功を奏したと言うわけか……」
「ふっふーん、すごいでしょ! もっと褒めてくれたっていいのよ!」
「「調子に乗るな」」
「ひゃー!? 二人揃って言わなくたっていいじゃないのよー!」
兄さんとティフさんによるダブルパンチを受けて、ファムルさんはぴぎゃーと泣く。
なんだろう、同情とかそういう気持ちがまったくわかないのはなんでかな?
「……ともあれ、事情はわかった。拘束はティフ、お前の個人的感情だな?」
「おう。魔獣時代は散々な目に遭わされたんでな」
「お前も少しは悪びれろ……とにかく、縄は解くぞ」
「ああ」
あれ、ティフさん意外とあっさり応じる。
ファムルさんは、なんかいやっほーうとか言いながら空中に舞い上がると、そのまま空中できりきりとまわりまくる。
感情豊かというか、子供っぽいというか……。
「さて……ではファムル」
「ふえっ!? な、なにかしら?」
「お前の力、使わせてもらうぞ」
「はあっ?……あ、あーっ、あんたやっぱりあたしの身体が目当てね!? ひどいことするんでしょう、オークみたいに! オークみた、あいたっ!?」
「いちいちうるさいぞ」
「もーっ、叩かなくたっていいじゃない! あたしはかよわい夢人族よ!?」
「それだけ元気があれば十分だろう。本題だ」
「ちょっ……もー! アルの子供だなんて信じらんない!」
「なんとでも言うがいい。……で。お前はどこまで夢幻魔法を使えるのだ?」
その言葉に、ファムルさんは一気に機嫌を直して、再びドヤ顔をする。
直前までぷんすこ言ってたのはどこのどなたですかね……。
「ふっふーん、あたしを舐めないでもらいたいわね! 次期レグリアアグリア候補筆頭とは何を隠そう、あたしのことよ!」
そして胸を張り、……天狗のごとく長くなった鼻が見えるなあ。
けどごめん、レグリアアグリアって一体なんぞや?
ぼくが首をかしげていると、ティフさんが容赦なく突っ込む。
「元、だろ。今のお前はただの罪人だろうが」
「それは頭の固い上の連中の理解力がないせいー! あたしは関係ありませんー!」
「えっと、それってどういうことです?」
「よくぞ聞いてくれたわね! あたしはへぶうっ!?」
ずずいっとぼくの目の前に来て説明しようとしたファムルさんは、ティフさんのかぎづめキックを食らって飛んで行った。
そしてティフさんは、何事もなかったかのように彼女の言葉を継ぐ。
「実力で言えば、あいつは夢人族随一だ。レグリアアグリアというのは、夢人族の族長のことだが、代々最強の夢人族がそれを継ぐ。あいつはそれを成し得るだけの器だった」
「……だった、というのはどういうことだ?」
「簡単に言えば、一族の掟を破ったんだよ。夢幻魔法は、なんでもできる魔法だ。だが、やっちゃいかんと言われてることもある。あいつはその中の一つ……『不老』に手を出した。だから森を追われたんだ」
「……不老、だと?」
「うひゃあ……」
「まあ不死ではないから、普通に殺されれば死ぬし餓死もするわけだが……それでも、自然の摂理に反するという行為は夢人族にとっては禁忌でな。
以降あいつははぐれ夢人族として冒険者になったんだ。俺たちと旅していたのは、その一環だな」
不老としては、藤子ちゃんのほうが格上ってことかな。彼女は自分のことを「不老」じゃなくて「不老不死」って言ってたし。
ともあれ、自然の摂理に反する行為、っていうのはなんとなくわかる気もする。人が老いることなく生き続けたら、それだけ次世代のリソースを奪うことになる。食料もそれだけ消費する。
まあ、かといって死ぬのが嫌だという気持ちもわかるんだけどね。正確には老いること、か。
ぼくはそこまで死ぬことを恐れているわけじゃないけど(もう一回死んだことあるし)、それでも老いることで自分がかつてできていたことができなくなるというのはすごく嫌だもの。
「もう、ティフってばあたしの出番を……おまけに訂正するほど間違ってないし!」
あ、復帰した。
「……まあ、そういうことよ。ちなみに、不老を実現しようとするときに必要な技量は、メン=ティで言えば禁断クラス以上って言っておくわね。そうねえ、カルミュニメル様お得意って言われてる禁断極大星魔法と同じくらい、かな」
「……なにそれすごい」
「でしょう! ふふふ、さあもっと褒めなさい!」
「それがなければ褒めるんですけど……」
「あ、はい、すいませんでした」
……おや? 妙に素直だな、今回は。
「話はよくわかった。つまり、お前は最高峰の使い手と言うわけだな」
「まあねー! アルテアパープルは伊達じゃないわよ!」
紫紺の瞳、か。確か紫は夢を司る神様、アルテアの色だったね。
なるほど、ファムルさんもまた神様に愛された存在なんだねえ。
「では再度問おう。お前は、あの穴をふさげるか?」
「あの穴?」
兄さんが指さした穴を見て、ファムルさんはうーん、と考える。
……兄さん。いやでも、これしかないのかもしれない、か。
夢幻魔法は事実上、なんでもできる魔法だ。それがあれば、今回の騒動の根本的な問題を解決できる、んだろうね。
……でもぼくとしては、この穴が一体何で、どういう理由でできたのかを調べる必要はあると思うんだよなあ。
「……あの瘴気が出てきてる穴?」
「そうだ。あれのせいで、今回この街は壊滅的な被害を被った」
「……夢人族的には、おいしいマナが自動で出てくる捨てがたい穴に見えるんだけどね。まあでも、他の人間には確かに毒よねー……」
今までとは違い、ファムルさんは真面目な顔つきをしている。
なんだ、そういう顔もできるんじゃない。だったら最初からしてくれればいいのに。
「んー……できなくはないけど、今のあたしでもまだマナが足りないわね」
「足りない、か」
「ええ。このままここで瘴気を食べ続ければ、いつかはできるようになるとは思うけどね」
「なるほど、よくわかった」
ファムルさんの答えに、兄さんは満足そうに頷いた。
それから、突然深く頭を下げたのだから、ぼくはめちゃくちゃ驚いた。
「頼む。その穴を塞いでほしい」
「兄さん!?」
「この街は、我が国にとって重要な穀倉地帯だ。死なすわけにはいかないのだ」
「ちょちょちょ、今まであんだけやっといて、それであたしがうんって言うと思ってるの!?」
「思わない。だから頭を下げている。土下座もすればいいだろうか?」
「はー!? ちょっ、あんた王子なんでしょ、そこはもうちょっと考えなさいよ!」
「王族のプライドや立場など、生きる上で何の意味も持たない。私がすべきことは、民を守ることだ。そのためならなんでもするつもりだ」
「妙なところでアルに似てるのね!?」
確かに!
父さんも自分の立場なんてどうでもいいってスタンスだし!
「わわ、わかったってば! もう、頭上げてよ! もー、その顔でそんなこと言われたら、あたし断れないじゃない! 卑怯よ!」
「わかっている」
「わかってやってたの!? 癪だわ!」
「……すまない。恩に着る。ありがとう」
「……う、う、うん……」
ぼくはこの時、確信した。
ファムルさんはちょろい。
どういう経緯があって父さんにそういう感情を持ったかは知らないけど、きっとかなり他愛もないことなんじゃないだろーか。
なんだかそんな気がしてならない。
……ティフさんがめっちゃ笑うのこらえてる。きっとこの推測は正しいな。
「い、いいけど。さっきも言ったけど、すぐには無理よ! このまましばらくマナを補給し続けないと」
「わかっている。周囲に野営の準備をする、何かあったらすぐに駆けつけよう」
「う、うん……わ、わかった、わ……」
うひょー、どんだけー。
いくら兄さんが父さんに似てるって言っても、そんなにかー?
「セフィ、あいつはそういうやつだ」
「そ、そっすか」
ティフさん、まだ笑いこらえてるなあ。
こんなやりとりが、もしかしてかつてどこかの夜空の下であったのかもね……。
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夜。
ファムルさんが街を覆っていた瘴気をことごとく吸い込んで、残っていた魔獣化パンノキもぼくらが協力して退治したので、もう直接的な危険はない。
無人になった街の建物をいくつか拝借して、ぼくたちは野営中だ。
とはいえ、もう食事は済んだので、あとは不寝番の順番を決めて寝るだけだ。
……でもその前に。ぼくはどうしてもやっておきたいことがある。
そう、あの瘴気が出てくる穴を調べるのだ。いや、もちろんぼくだけでどうにかなる問題じゃないので、ここは彼女の出番だけど。
問題はファムルさんだけど、彼女も常にあの穴の近くにいるわけではない。
いやまあ、そこにい続けたほうがいいのは間違いないんだけど、あの人同じ場所でじっとしてるのが苦手らしく、さらには一人でそこにい続けるのがすごいさみしいらしいので、ある程度瘴気がたまってくるまでこっちには来ない。
喜んでいいんだか悪いんだかわからないけど、今は素直に喜んでおこう。
さて、問題の穴だ。前にも言った通り、ボーリング調査の穴みたいな小さい穴だ。直径は30センチくらいかなあ。
それがどこまでも続いているような、そんな感じでぽっかりとあいている。
『ってわけなんだけど、どう思う?』
『ふーむ、実に興味深いのう』
ぼくの隣に立つ藤子ちゃん、の、ホログラム映像が腕を組んだ。
そのまま穴に近づいて、中を覗き込む。
……いくら藤子ちゃんとは言っても、それで具体的な深さまではわからない。……よね?
『約1300メートルじゃな』
『わかるの!? っていうか深っ!』
さすがだよ藤子ちゃん! 万歳! 君に会えてよかった!
『勘違いするな、今言うたのは総延長じゃ』
『……というと?』
『中で結構うねっておる。あと、ところどころでひびが入り支流ができておるな。それらもすべて含めての数値じゃ』
『うわあ』
『石を入れた、と言うておったな。その音が聞こえなかったのは、早い段階で向きが変わっておるからじゃな。落下音が聞こえるほど深くなかったというわけじゃ』
『ああ……逆にそう言うことね……』
『図にするとこんな感じかのう』
言いながら、藤子ちゃんは取り出した紙に全体図を描く。
よどみは一切ないうえ、直線や曲線はほぼ完ぺき。この子、漫画家やらせても普通にうまくできそうだから怖い。
『……なるほど、ジグザグっと結構うねってるんだね』
『うむ。で、肝心の瘴気じゃが……』
『うん』
ごくり、とぼくは思わず生唾を飲み込んだ。
『この穴の一番奥、……ここじゃな、ここから染み出てきておるようじゃ』
『染み出て……?』
『うむ。なぜそんなことになっているのかはわからんが』
『うーん……マントルとか星の核に当たるのがマナ、ってことなのかなあ……?』
『そうじゃのう、その可能性が一番高いかもしれんな』
マグマみたいに、星の内部から出てくるものなら、納得できなくもない。
地球でも、噴火という形で惑星内部の物質が地殻表面に被害をもたらすことはままあるわけだしね。
まあ、あれだけ直接的な破壊力のほうがまだわかりやすいけど。
『藤子ちゃんはさ、星のことを調べることはできるの?』
『できんことはないが、時間がかかるな。わしの力は地球そのものじゃからな、他人の家に土足で上がり込んでタンスを調べるような行為は簡単に受け入れてくれぬ』
『……もろに勇者をディスったね。言いたいことはよくわかったけど』
『諦めはせんがな。今回のこの穴から、瘴気が地面の奥底から来るものだと言うことははっきりした。神々からも話を聞きつつ、この星という空間自体も少しずつ調べていこうぞ』
『……その辺りはぼくにはできないから、全面的にお願いすることになっちゃうけど』
『構わんよ。それがわしの本来の仕事じゃからな』
くく、と藤子ちゃんが笑う。
……頼もしいことで。
『よし、一旦離れるとしよう。大体のことはわかった』
『わかった。ファムルさんが戻って来ないうちに、だね』
『うむ!』
そして周りを確認しながら、ぼくたちはその場を離れた。
それから、野営で使われていない建物にこっそり入り込んで、手ごろな部屋の隅に落ち着く。
『……で、なんだけど』
『うむ、あの穴をどうするか、じゃろう?』
『そうそう。夢幻魔法で埋めるつもりらしいけど、上手くいくかな?』
『大丈夫であろう、そこは。夢幻はわしが使う魔法に最も近い形態の魔法じゃ、信じてやれ』
『そ、そうなんだ』
藤子ちゃんの魔法に近い魔法、かあ。
……ってことはもしかして、夢幻魔法もちゃんと調べれば夢人族以外の人間でも使えるのか?
藤子ちゃんの魔法は、確か弟子になった人たちも少しだけど使えるって言うし、構造さえわかればあるいは?
『じゃが、ただ土砂でふさぐのはやめておいたほうがよかろう』
『うん、というと?』
『地面の底から瘴気が出てきておるのじゃぞ? その地面と同じもので埋めても、またいつか瘴気が出てきてしまうとも限らんじゃろう』
『……ああ、なるほど』
『ミスリルを含ませた土砂がよかろうな。そうするとこの土地にミスリル鉱床ができてしまうことになるが、その辺りの制御は国の仕事じゃ』
『なるほど、瘴気の動きをそれでシャットアウトするんだね』
『左様。純ミスリルだと、それこそ金に目がくらんだ連中が出てくる可能性が高いから、そこは加減せねばならんじゃろうが』
『はー、なるほど。藤子ちゃんはさすがだなあ』
『ふっ、そうじゃろう?』
にやりと笑ってこちらをうかがう藤子ちゃん。
やってることはぶっちゃけファムルさんとあんまし変わらないんだけど、彼女と違って様になってる上に、嫌な感じがしないのはなんでだろうね?
いやまあ、藤子ちゃんが実績の塊っていうのももちろんあるんだろうけどね。信頼と実績のチート。
「兄様―! どこー!?」
『おっと』
外から聞こえてきたティーアの声に、ぼくは思わず立ち上がった。
それを見て、藤子ちゃんはゆっくり窓へと近寄る。
『時間一杯のようじゃな』
『うん……これ以上ぼくが単独行動するのはまずい。そろそろ戻るよ』
『うむ、うまくやれよ。まあ、お主ならば大丈夫であろうが』
『ふふ、ありがとう、がんばる。じゃあ、明日報告するから。万が一の時は呼ぶけど』
『うむ、その時は遠慮なく頼るがよい。ではな』
『うん、またね』
それだけの会話を済ませて、藤子ちゃんの映像は消えた。
それを見届けて、ぼくは急いで建物から出る。
「ティーア!」
「あっ、兄様! もー、どこ行ってたの? みんな探してたんだからね!」
「ごめんごめん! でも、光の女神様のことはあまり大勢には見せられないだろ?」
「あ……うん、そうだね……」
「大丈夫、色々と教えてもらったから。ここの異変は、もう解決したも同然だよ」
「ほんと!? さすが兄様だね!」
「……いや、ぼくの……知識ではないんだけども……」
今のはさすがにぼくは何もしてないニュアンスわかってくれると思ってたんだけどな……。
ま、まあいいか……まずは目の前のことを片付けないと……。
「じゃあティーア、戻ろう。みんなに謝らないと……言い訳どうしようかな」
「うふふ、どうしよっか?」
「うーん……素直に謝るのが一番かもなあ」
ぐしぐしと後ろ頭をかきながら、ぼくはもう片方の手でティーアと手をつないだ。
そうして、二人で兄さんたちが構えている本陣へと向かう。
ま、怒られるのもたまにはいっか。
そんなことを考えて、ぼくは空を見上げた。夜の空は、人間の瘴気騒動なんてまったく気にもしていないかのように、美しく澄み渡っていた。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回辺りで決着をつけられると思います。
たぶん。




