呪い師を脱がせ 後編
解説回
長くなってしまいました
八月二十七日午前零時十分。
「待ちたまえ! 私は君を強姦するために連れ込んだ訳じゃあない! 目的はただ一つ、『魔法』のような力について話を聞かせてもらうためだ!」
マスクドスカルとなった鉄人は途端に饒舌となり、端的に自らの目的を告げた。
「そのマスク!? もしかして、あなたが私を助けてくれた人なの!?」
一方、タタリは髑髏マスクに反応を示した。
彼女は意識を失う前、「洗礼」を妨害し「教会」の使者達に啖呵を切っていた髑髏のマスクを目に焼き付けていた。
「その通りだ。ようやく誤解を解いてくれたかな?」
「って、いやまだだよ! どうして私は裸なんだよ!? 君が脱がせたんでしょ!?」
タタリは真っ赤な顔でブランケットで体を隠し、ごもっともな反論をした。
「それは、申し訳ないとは思ったが、自分の身を守るために行った事だ。私は君の『力』を一切知らない。私からしてみれば、念じられるだけで殺される可能性だってある。ゆえに、君の装備を剥奪し『力』を最低限無力化した上で、対話を試みようとしたのだ。結果的に裏目に出てしまったようだがな。兎に角、先程手痛い傷を負ってしまった以上、私も慎重にならざるを得ないのだよ」
人格が変わったようにペラペラと喋る髑髏マスクの男に圧倒されていたタタリは、ここで始めて男の脇腹に貼られているガーゼに気付いた。
厳重に手当てが施されてあるが、ガーゼから今だ微量な光が漏れていた。
「概ねわかったよ。君は呪い師のことを過剰評価しているみたいだね。大丈夫、私は一瞬で人間を殺せるような『おまじない』なんて持ってないよ。だから服返してください」
「それは出来ない。今の時点ではまだ、君の『力』の全貌がわからないからな。ただし、こちらの質問に答えてくれるなら、一枚ずつ衣類を返却しよう」
タタリの懇願はバッサリと却下された。
彼女は観念したように、逆ストリップゲームに乗ることを選択した。
「もー、疑い深い人だよね、君は。仕方ない、霊体に怪我を負ってまで使者達から逃げてきてくれたんだから、質問に答えるのはやぶさかではないよ」
「逃げてきた? それは違うぞ。私は撃退したのだ」
「えっ? いや、聖人も含めて三人も居たんだよ! 一体どうやって倒したんだよ!?」
「そのセイントという輩が誰を指すのかは知らないが、あの場にいた狼藉者は全員制裁したぞ。どうやってという質問に答えるならば……
痩せ型の壮年の男は、不意打ち気味の飛び後ろ回し蹴りで顎をカチ割った。
金髪の青年は、かなりの深手を負わされたが、寝技に引きずりこんで絞め落とした。
黒頭巾の少女は『バリア』のようなもの出してきたが、それを打撃で打ち破り、鳩尾に拳を叩き込み気絶させた」
淡々と戦いの結末を述べる髑髏マスクに、タタリは困惑した。
男が嘘をついている様子はない。
「君は一体……何ができる人なの?」
だからこそ彼女には理解できなかった。
一体どんな人間なら、司教、聖人、シスターを同時に相手にして勝利できるのか。
「私にできることは武術……いや、唯の『暴力』だ。空手、柔道、少林寺、合気道、ボクシング、キックボクシング、レスリング、ブラジリアン柔術、総合格闘技、ジークンドー、そしていくつかの中国拳法。これらの技術を組み合わせて使用するのが私の持つ力だ」
言葉の奔流に呑まれそうになったタタリだが、なんとか思考を継続させた。
「……えっと、君は魔術師でもなんでもなくて、『神秘』の力とは全く関係ない、ただの一般人ってこと?」
「『魔法』のような力を使えない者を一般人と呼ぶならば、そうなるだろう。だからこそ、私はその『神秘』とやらを知るために君を連れてきたのだ」
「そっか……『神秘』に縁がなかった人だからこそ、『教会』の奇跡を無力化することができたんだね。ようやく合点がいったよ」
「ではそろそろこちらの質問に答えて貰おうか」
本題に入るために、マスクドスカルは切り出した。
「それはいいんだけどさ。誤解は解けたんだからそのマスクは外してもいいんじゃないかな? そろそろそのキャラ、鬱陶しくなってきたよ」
タタリの言葉により出鼻をぐじかれ、ビクッとマスクドスカルの体が揺れた。
「それとも、人と向き合って喋れない人なのかな?」
タタリの挑発するような物言いは、これから先の交渉において有利に立つためのものであった。
一方、マスクを被ることによって自らを奮い立たせている鉄人にとっては、完全に図星を突かれる形となった。
そして鉄人にも意地とプライドがある。
このような言い方をされてはマスクを取る以外の選択肢は取れなかった。
「……これで満足か」
裸電球が照明の薄暗いプレハブで、タタリは改めてマスクドスカルの中の人間を観察した。
仮面の下の素顔は美形、というのがフィクションにおいては定番であるが、鉄人の顔はそんな淡い期待を裏切るものであった。
顔の輪郭は縦長、ぺしゃんこの黒髪、太い眉、顎には無精髭、そして目には小動物のように怯えた光が宿っていた。
しかし、首から下の身体は目を見張るものがあった。
裸の上半身は荒縄を巻いたような筋肉が盛り上がっている。
パッツンパッツンの短パンに包まれた下半身も樽のように太く、カモシカのように機能的であった。
(見かけは典型的な引きこもり人間だけど、体格はいいし、眉やら髭やらを手入れしたらワイルド系になるかも)
適当なことを考えているタタリを尻目に、鉄人は質問を切り出した。
「最初の質問は……お前の『神秘』についてだ。使用できる『力』について簡単に教えてくれ」
「答える前に、服ちょーだいよ。そういう約束だよね?」
「……」
鉄人は無言でパンツを投げつけた。
色は灰色。綿100%のシンプルなショーツである。
「ちょっと待っててね。今穿くから。できたら後ろ向いてほしいんだけど……」
鉄人は微動だにせずに、タタリの肢体を観察していた。
無論、性欲からの行動ではなく、「魔法」を行使できないよう見張っているのである。
「もー。そんな見なくても『おまじない』なんて使わないよー。ってアレ?」
「言っておくが、下着の裏地に縫い付けてあったお札らしきものは取ってあるぞ」
「うわぁぁぁーーー!!!女の子のパンツに何してくれてんだよぉ!!!」
「服のあちらこちらに妙なものを仕込んでいたから、念のために調べただけだ 。他意はない」
タタリは涙目になりながらブランケットで体を覆い、中でもぞもぞさせながらパンツを穿いた。
やはり油断できないと、鉄人は警戒を強めた。
「質問に答えると、一言で表すなら私は『呪い師』なのだよ。民間で崇められている『おまじない』を扱う、いわゆる『言霊信仰』という奴だね。中学生カップルを誕生させる恋の呪文から、祝詞やお経までカバーする懐の広さがセールスポイントだよ」
(巫女や魔術師でなく「呪い師」と来たか……どんな力なのか大雑把過ぎてわかりにくいな。しかし、『おまじない』を使うというのならば、彼女の動作、特に口の動きに気をつけなければ)
警戒を保ちながら、鉄人は次の質問を投げかけた。
「次の質問だが……お前を襲っていた三人組は何者なんだ? 俺はこれからどんな立場になる? お前のように命を狙われることになるのか?」
幾何学的模様が刺繍された黒い靴下を投げながら、鉄人は尋ねた。
「私としてはそこのブラジャーが欲しかったんだけどな……当然のように靴下に仕込んであったお札も抜かれてるし……
君がブチのめした人達は『教会』の使者だよ。『教会』自体は説明する必要はないよね? ご存知のとおり、世界一の信者数を誇る、遥か昔貼り付けにされたオジサンを崇める『信仰』だよ。まぁ、悪魔とかには容赦ないけど無宗教の一般人には優しいから、もし見つかったとしてもお説教だけですむと思うよ」
ブランケットから伸ばした足に靴下を穿きながら、タタリは答えた。
彼女の言葉を信じるなら、ひとまず命を狙われるような立場ではないことがわかり、鉄人は安堵した。
「なるほど、俺はてっきり怪しげな新興宗教あたりだと思っていたんだが。そうなると、何故お前は襲われていたんだ? アレがまっとうな『教会』なら、正当な理由があったはずだ」
「それは……あっコレも質問なんだからブラジャーちょーだいよ」
無言で投げられた紺色のソフトブラを受け取り、タタリは語る。
「ふぅ……やっと胸を隠せるよ……私が追われていた理由……だよね? 説明が難しいんだけど、簡単に言えば呪い師の私が『奇跡』を顕現してしまったことに原因があるのだよ。私の『おまじない』があろうことか、本来『教会』の熟練の修道士にしか許されない『奇跡』を起こしてしまったの」
「なるほど。それが気に食わなかった『教会』が、お前を始末しようとしたわけか」
器用にもブランケットの中で下着を身につけながら、タタリは首を横に振った。
「そんな単純な話だったら、わかりやすかったんだけどね……実際、私は熱烈な『スカウト』を受けたんだよ。『貴女は教会でこそ祝福を授かる』とか言われちゃって」
「では、河川敷でお前は何をされていたんだ? 俺には水責めの私罰にしか見えなかったぞ」
「はいっ! それも質問だよ! 料金を払ってください!」
飛んできたアイヌ紋様のキャミソールを受け取り、タタリは続ける。
「あれは通過儀礼なのだよ。人が『教会』の配下に加わる際に行う伝統的な儀礼だね。洗礼によって一切の罪が流されるんだけど、その中には異教の『神秘』も含まれてるんだ。だから、私はきっぱりと断った。それでも、あの司教は無理矢理に強行したんだよ……」
「イメージが掴みにくいんだが、ゲームで例えると、職業『呪い師』が『シスター』へと転職されそうになったという認識でいいんだな?」
「おっ? 質問だよね? じゃあ、最後に残った呪術衣をちょーだいね」
「駄目だ。お前の説明がわかりにくかったから、補足を求めているんだ。これは質問には含まれない」
「もー、ケチだなー。君のゲームの例えに乗っかるなら、転職と言うよりは、セーブデータの消去と言った方が正しい表現だよ。私が育てあげた『呪い師』というデータは一切引き継がれずに、全く違うゲームの『最初から始める』を選ばされる、といった感じだよ」
ブランケットの中でキャミソールを着用しながら、タタリは語った。
「そんな……そんなにも理不尽な事が行われていたのか……」
「そうなのだよ。だから……今更になるけど、助けてくれてありがとう。儀礼が君に妨害されなかったら、私は全てを失っていたよ」
笑顔でお礼を言うタタリに、鉄人は何も言わなかった。
ただ、先ほどまでの警戒した態度は解かれ、照れるように目を逸らしていた。
「……最後の質問だが……『神秘』の力とやらは誰にでも使えるものなのか? 特別な才能や血筋などが必要なのかを知りたい」
ローブのような呪術衣を投げ渡し、鉄人は最後の質問を切り出した。
これは彼にとって最も切実に知りたい情報であった。
「……んー、それが最後の質問なんだよね? 答えはイエスなのだよ。人間には肉体とは異なる霊体という体を持っている。霊体という第二の体を、巫女さんだったら神道、お坊さんだったら仏教といった風に、『信仰』を通して鍛えることで『神秘』は行使される。才能も血筋も関係なく霊体は誰でも持っているものだから、『神秘』の力は誰にでも習得できるものだよ。勿論、それなりの修行は必要だけどね。大雑把に言えば、こんな感じかな」
かなり大雑把な説明であったが、「修行すれば誰でも習得できる」という言葉に鉄人は胸打たれていた。そして「神秘」の力を何としても手に入れることを決意した。
☆☆☆
「さて、もう質問は受け付けないよ。そろそろお暇しなきゃ」
呪術衣を羽織り、タタリは立ち上がった。
鉄人は新ためて、呪い師タタリの姿を確認した。
小さな体躯にはブカブカのローブのような漆黒の呪術衣を着込んでいる。袖が指先まで覆うほどのオーバーサイズである。
髪はぬばたまのような黒髪。髪型はセミロングボブ。前髪はパッツンで、整った眉の上にキレイに切りそろえられていた。
顔は幼さが色濃く残る童顔である。
僅かに施された化粧が呪い師としての胡散臭さを演出させていた。
(素性がわからず警戒していたとはいえ、俺はこんな華奢な女の子に二回も暴力を振るってしまったのか……駄目だ、今更頼めるわけがない……)
「こんなに徹底して服を漁るなんて。もー、病的に臆病なんだから君は」
鉄人が何か言いたげに見ているのを尻目に、タタリはテーブルの上に並べられている愛用の呪術具を整理し始めた。
彼女の呪術衣には至る所に呪術具を収納できる機能がある。収納されていた呪術具は鉄人の徹底的な検分によって九割以上が取り外されていた。
(裏地に縫い付けられているお札とか、色合い的に見つけにくい隠しポケットとか、使い慣れている私ならともかく、普通なら見つけられないはずなんだけどな)
タタリはテキパキと呪術具を分類別にまとめ、ローブのフードに裾に襟に、身体の至るところに収納した。
テーブルの上に残っているのは、箒とアロマオイルのような液体が入っている小さな瓶だけである。タタリは瓶からオイルを手に注ぎ、箒の柄の部分に念入りに塗りたくった。
「……何をしているんだ?」
手持ち沙汰になった鉄人は、適当な話題を持ち上げた。
「霊力の通しを良くするオイルを塗っているんだ。これさえあれば、私は全ての女の子の夢である箒飛行を行えるのだよ。厳密に言うとこれは『おまじない』じゃなくて『魔女術』なのだけどね」
タタリの解説を聞き流し、鉄人は彼女と出会う切っ掛けとなった「箒」を見つめていた。
(アレがなければ、俺は「神秘」の世界を知ることもなかったんだな)
全ての荷物を手にしたタタリは、鉄人に語りかける。
「誤解してバタバタしちゃったけど、本当にありがとう。私の『おまじない』を守ってくれたこと、心の底から感謝しているよ。本来ならお金でちゃんとお礼をしたいところなんだけど、残念だけど今は金欠なんだ。まぁ、君も色々と私に酷いことをしてくれたわけだし、今回はコレでチャラにしてね」
タタリは鉄人に近づき、脇腹のガーゼを乱暴に剥がした。
傷口は拳一つ分ではあるが癒着もしておらず、今だに淡い光を放っている。
「おっ……おい、何を!?」
焦る鉄人を無視し、タタリは「おまじない」を唱えた。
「『痛いの痛いの飛んでいけ 』」
タタリの「おまじない」によって、暖かな光が傷口を覆い、脇腹の傷が嘘のように消え去った。
「痛みも消えた……たいした力だ」
「子供が怪我をしたときにお母さんが唱える『おまじない』は世界中に存在するのだよ。お母さんが子供を想う慈愛の力がこの『おまじない』に宿っているの」
微笑む呪い師の少女は、母のような暖かさを感じさせた。
『おまじない』の効果からか、鉄人自身の心が感じたものなのかは定かではない。
☆☆☆
タタリはプレハブ小屋の簡易な扉から外に出た。
深夜零時を過ぎた現時刻、辺りは暗闇に閉ざされている。
目の前には河川敷の土手道。
奥に流れる川を除けば、草むらと砂利しかない真っ暗な空間だった。
「酷い立地条件だね?」
タタリは苦笑した。
「その分、格安なんだ」
鉄人は今更気恥ずかしくなったのか、目を逸らしながら端的に答えた。
少なくとも女の子を招待できるような環境ではないな、と心の中で自嘲した。
「最後に、ここらに神社があるはずなんだけど、心当たりはないかな? とりあえず、そこまでたどり着けば安全は保証されるはずなんだ」
「川沿いに三十分ほど歩けば山がある。たしか、そこに神社があったはずだ。参拝したことはないがな」
「ありがとう。細かい場所は近くまで行けば霊感でわかるはずだから」
タタリが箒に跨ると同時に全身が淡い光に包まれた。
そして、それが当たり前の摂理のように、ふわふわと宙に浮き始めた。
「最後の最後に、呪い師からの忠告だよ。君は随分と『神秘』の力に魅せられているようだけど、先輩としては、ハッキリ言ってオススメできない。基本的に 『神秘』は人を惑わすものなのだよ。真っ当な『宗教』を心の支えにするだけでも、人生は変わるよ。それでも『神秘』の世界に入りたいんだったら、壊れかけの神社とか古びたお寺に駆け込めば、もしかしたら弟子入りできるかもね。それじゃあ、今度お客様として会ったらちゃんとお金払うんだよ」
「……待ってくれ! 俺はお前に……」
鉄人の制止もどこ吹く風で、タタリは言いたいことを言うだけ言って、颯爽と去っていった。
「このまま、終わってたまるかよ!」
呪い師の少女の後ろ姿を見つめながら、鉄人は呟いた。
☆☆☆
八月二十七日午前零時二十三分。
「なんだか、面白い人だったなー」
深夜の夏の河川敷を滑空しながら、タタリはプレハブ小屋での出来事を振り返っていた。
尋常じゃないほどに、鍛え上げられた肉体。
「教会」の使者を倒した謎の戦闘力。
マスクを被れば、饒舌になる。
マスクがなければ、大人しくなる。
女の子を裸に剥くのを躊躇しないほど徹底した警戒心。
少しでも危険だと感じると、女の子のお腹に執拗に攻撃してくる臆病さ。
そのくせ、素顔では目を合わせられない照れ屋さん。
「そんなチグハグな男の子が、私を救ってくれたんだ。最後まで何か言いたそうだったけど、やっぱり『神秘』の世界には関わるべきではないよね。あぁ、でも名前くらいは聞いておけばよかったかなー」
少し寂しくなったタタリは意味もなく独り言を呟いていた。
その時である。
「名前は百武鉄人だぁぁぁ!!!」
後ろから、話題の男の子がマウンテンバイクで爆走し、タタリの箒飛行を追いかけていた。
「わぁぁぁー!? どうして付いてくるんだよぉ!?」
タタリは困惑した。
あの場でハッキリと別れたはずなのに、どうして彼が追いかけてくるのか、彼女には全く検討がつかなかった。
「マスクドスカルは君に弟子入りするために馳せ参じた!」
鉄人はタタリは弟子入りするために、わざわざマスクを被り自らを奮い立たせ、おなじみの漆黒のライダースーツに着替え、マウンテンバイクで爆走してきたのである。
「えぇ!? いやだよぁ! 弟子なんて取ったことないし! 私がそんなことする理由なんてないよ!」
「理由ならこれから作ればいい!」
「どうやってだよ!」
「私は君の用心棒になる! これから君からひと時も離れず、あらゆる敵から万難を排して守り抜く! そうして、恩を売る! 君が私を弟子にすると頷くまで、いつまでもなぁ!」
「そんなの、迷惑すぎるよぉ! もー、ついて来ないでよぉぉ!!!」
「まずは名前を教えてもらおうか! 師匠ォ! 」
箒に跨り滑空する呪い師の少女とマウンテンバイクを漕ぎ追い上げる般若マスクの青年による、深夜のレースの幕が切って落とされた。
次の更新は土日あたりになると思います