一章二十四節前半
愛していますか?
私はカラパゴス様と常にいます。カラパゴス様はわたしをあたたくつつみます。カラパゴ
ス様カラパゴス様カラパゴス様…カラパゴス様カラパゴスカラパゴスカラパゴス………
3・さあおいで…
今日は娘を連れてきました。槙原先生は娘を受け取るとカラパゴス様のいる離れへと移動
しました。移動中にベンチに誰かいるのを感じました。あれはきっと妻に違いありませ
ん。妻は動こうとせず、私にほほえでくれます。そうに違いありません。娘も笑っていま
す。顎が外れるまで笑っていました。ぴくりとしない妻に別れを告げてました。「つきま
したよ」槙原先生はそうおっしゃられてあとは自分達の力で見るようにおっしゃられまし
た。
娘はカラパゴス様をみたとたん日本語ではない歓喜な声を上げて、自分の臓器を爪でとり
出すようにしてます。私は目が見えませんが娘の成長を喜び、目があった部分から手を入
れて耳の内部を取り出しました。その瞬間平行感覚はうしなわれて私は仰向けになりまし
た。カラパゴス様がほめています。
槙原先生は娘になかなか臓器を取り出されない様子を見て斧を貸してくれました。やさし
いです。娘は斧を借りると「カラパゴス様ーーーー!!!!!」と叫び腹を十字に切り裂
き中の臓器を出しています。槙原先生は「臓器をこちらに」と言われて斧で腹を切り裂い
ている娘の隣で銀の皿に臓器を移しています。きっと妻も喜んでい・喜んでイル・喜んで
・喜び・喜び・ヨロコビ・
よよよよよよよよよよよよろよろよろこびびびびび
なぜ、カラパゴス様はあんなに優しいのですか?




