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君のために剣を振ろう

 薄暗く、埃の舞った狭い部屋の隅にあるのは、小さな寝床。その上では、一人の少年が少し苦しそうな表情をしながら眠っている。


 目に映る光景は、ただの光、そう、光なんだ。でも僕にとって、その光は、とても大切で手放しては、いけない物。その光を追うために、僕は、もがいて、もがいて、もがき続ける。でも、光は、待ってくれない。いくら追っても、小さくなっていくだけ。掴もうとしても、手の中には、なにも残らない。そんな時、もう一つの光が現れる。その光は、僕の手を取った。そして、僕に慰めるような笑顔で微笑み、世界を照らしてくれた。

 

 目が覚めると、僕は、涙を流していた。起き上がり、部屋を見渡した後、涙を拭った。

 「あれ、どこに行ったんだろう。」

隣にある枕を見ながら、口にする。探しに行こうと思い、薄い上着を手に取り、靴を履いて外に出た。


 どのくらい歩いただろうか。森の中を彷徨っていると、木々の隙間から、無数の光が差し込んだ。まるで導いているかの如く。僕は、その光に惹かれ足取りを速める。

 森を抜けるとそこには、初めて見る景色が広がっていた。海面が黄金色に輝き、太陽の光が降り注ぐ。なだらかな波の音、木々を揺らすそよ風、小鳥の囀り、その全てが自然と言うものを物語っていた。

 「綺麗でしょう?」

 景色に目を奪われていたのか、すぐ隣にいる彼女に気づかなかった。

 「クレア、うん、すごく綺麗。」

 彼女の言葉にそう返し、隣に座った。そして、数秒の沈黙。

 「ねぇ、アル。」

 「どうしたの?」

 少し間を置き返事をする。するとクレアは、僕の左手を両手で掴みこちらを見る。

 「わたしね、アルと旅がしたい。」

 「アルと旅して、いろんな国に行って、いろんな景色を見たい。そして旅していく中でいろいろな仲間に会って、一緒に冒険したい。」 

 いつも余裕のあるクレアが、今日は、少し焦っているように見える。そんなクレアを僕は、嬉しそうに見つめる。

 「わたし、アルのことが好き。アルといると少し変な感じになっていつもは、冷静でいるけどあれでもすごい無理をしてるの。」

 クレアの頬は、朝日に照らされ赤く見えるのか、または、そうでないのか。それと同様に、僕の頬も赤く見えていた。

 「わたし、アルのこともっと知りたい。もっと知って、いつかは、あんなことや、こんなことまで、、、」

 クレアは、顔を逸らしながら言い放つ。

 「クっクレア?!ちょっとそれは、展開が早すぎるというか、なんというか、」

 「あんなことや、こんなことって言ってるけどそれ以前にクレア、こないだすごいことしてたじゃないか。」

 「なによ」

クレアは、何が何だかわからなそうな顔をしている。

 「服洗うから脱いでって言うから脱いだら家の裏で桶に水入れて洗うふりして、ふふ〜アルの匂いとか言って嗅いでたじゃないか。」

 そのことを話すとクレアは、朝日の色とは、思えない色を、頬に宿し口にする。

 「それを言うならアルだって、こないだ寝てたら、寝たふりしてわたしのこと抱きしめてお尻触ってきたじゃない。」

 「え、まじ?」

 「おおマジよ!」

 「それは、多分眠ってたからわざとじゃないと思うんだけど、」

 「どっちでも一緒よ!」

 少し変な空気になってしまい両者目を逸らす。これ以上クレアが墓穴を掘らないようにとアルは、口を開いた。

 「その、クレア」

 「なによ」

 クレアの目は、少し潤んでいるように見えた。よほど恥ずかしかったのだろう。

 「その、クレアが旅したいって言ってくれてすごく嬉しい、でもこの世界には、魔物がたくさんいて、危険になることは、避けられないと思うんだ。」

 そんなことを話しているとクレアが話を遮った。

 「ちょっと、そのぐらい覚悟してるわよ。わたしは、アルと旅がしたいの、私だって弱いわけじゃないし、いざとなったらアルが守ってくれるでしょ?」

 これは、一本取られたなと思い僕も、覚悟を決める。

 「わかったよ、クレア」

 一息おいてから口に出す。

 「一緒に旅をしよう」

 クレアは、目を輝かせ僕をまっすぐ見つめる。

 「うん!」

最後まで読んでいただきありがとうございます!

投稿頻度は、あまり高くないと思いますが

是非読んでいただけたらなと思います!(^。^)

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