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最近のエケチェン猫とば〜ばのおだし

作者: 鰯田鰹節

最近のエケチェン猫とば〜ばのおだし







うちには、IQ1億のネコちゃんとIQ1のコネコちゃんがいる…。





正確には、IQ1の子の方も1歳のお誕生日を迎え、成猫になったはずではある。


…が、エケチェン(赤ちゃんのネイティブ発音)さが抜けないため、コネコちゃんと呼んでいる。







コネコちゃんが、

「プルャ…プルャ…!」

と近づいてきた時は、撫でてくれの合図である。


手を差し伸べる。


すると、なぜか、私の手と反対側にあるソファーの角やらテーブルの脚に頭を擦り付ける。


満足そうに目を細めて、

「プルャ〜!」

と言っている。


いや、まだ撫でてない…!

それ、私の手じゃない…!


しかし、幸せそうである…。



IQ1の子は、物と生き物の区別がつかない。






IQ1億のネコちゃんは、私のおふとんの中が温かいことを知っている。

掛布団の端をめくると、すぐに中に入ってくる。


そのまま私の足の間で丸くなって寝る。


だが、ここらへんで、ネコちゃんの姿が見えなくなったことに、コネコちゃんが気づく…。


「フン…フン…。」

と私の枕の辺りからにおいを嗅ぐが、IQ1のため、姿を隠したネコちゃんにたどり着けない…。


「プ…プルャ…?」

と首を傾げながら、掛布団の上を歩き回る。


もちろん、中にいるネコちゃんは踏みつけにされているため、

「…ッナァ〜ッ?!?!」

と怒りの声が上がる。


それでも、ネコちゃんの姿が見えないため、

「プル…プルャ…??」

とコネコちゃんは掛布団をのしのし歩き回る。


「ンナァ〜!!!」

と怒って飛び出てくるネコちゃん。


これを一晩のうちに何度も繰り返す。


IQ1の子は、学習できない。







お皿が濡れていると、ごはんを食べるのを拒否する。


洗ったままの濡れたお皿にカリカリを盛って出すと食べない。


「プル…プルャ…。」

と言いながら、お皿の周りをぐるぐる回る。


そんなことしてるうちに、自分の分をさっさと食べ終わったネコちゃんにパクつかれる。


IQ1なのに、無駄に衛生管理に厳しい。






なぜか、私や夫がいるところを通ろうとする。


しかも、私たちの足を、わざわざ踏んで通る。


絶対踏まない方が楽に進めるのに、なぜか、わざわざ山登りをするように私たちの体を登って、そして、おりる。


IQ1の子は、山あり谷ありの道のりが好きらしい。







何か嫌なことがあると、人間の掛布団に粗相をする。


先日、お風呂に入りながら妹と長電話していた。

それが気に食わなかったらしく、お風呂が出たら、私のお布団の掛布団にやられていた。


うちの洗濯機が、全自動洗濯機で良かった…と思った瞬間だった。


すぐに洗濯機に入れ、乾燥までかけた。



ちなみに、夫の掛布団には、理由もなく粗相する。


だから、夫とは寝室を分けた。


彼は今、南極くらいの寒さの、暖房器具の無い狭い自室で1人寝ている。



IQ1の子は、不満の訴え方が直情的なのである。







シリコンの重しの先に、カミカミ紐のついた、わけのわからないおもちゃが大好きだ。


それを使うと、1m以上跳ぶ。


宙返りする時もある。


子猫時代は運動神経皆無だったが、大人になったのだな…と感慨深い。


だが、着地は相変わらず下手っぴで、

「ドタァッ!」

と腹から落ちる。


骨折とかしないか心配なので、お布団の上で遊ばせている。


それでも、あさっての方向に跳んでいくため、

「ドタァッ!」

と床に腹から落ちる時がある。


それを見ると、

「この子まじでIQ1だ…。」

と思う。


おもちゃの方向と、自分の跳ぶ方向とを、合わせられないのだ…。


ホントに真逆の方向に跳んでいく。


しかし、ドヤ顔で、何度も連続ジャンプする。


おもちゃにかすりもしない。




これが、IQ1の子の遊び方なのか…。







IQ1億のネコちゃんは、ホットカーペットを完全に理解している。


右半分をつければ右側で、左半分をつければ左側で寝る。

全部つければ、ど真ん中のローテーブルの下で伸び伸びと眠る。


この子は本当に賢く、ヒーターも理解している。


「ネコちゃん、燃えるよ?!」

と何度言っても、ヒーターをつけると真ん前に来て暖を取る。


コネコちゃんは、長毛種で暑がりなので、全く暖房をつけていない私の部屋の暗がりを好む。


なのに、それが最近になって、私と一緒に寝ようとするようになった。


「プ…プルャ…プルャ…。」

と掛布団の端をホリホリするのだ。


めくってあげると、スッと中に入り、毛繕いを始める。


しかし、やはり暑いらしく、ものの1分で出てくる。


これを短時間に何度も繰り返す。

さながら、サウナが苦手な人が間違って入っちゃった図のようだ。



IQ1なので、自分の限界が分からないのである。








果敢にも、ネコちゃんと同衾しようと試みる。


何度シャーされてもめげない。


とうとう同じソファーの上で、ほぼ横並びに眠るのを許された。

※ここまで来るのに約1年ちょいかかっている。



IQ1の子は、ど根性で物事を成し遂げるようだ。






手で押して、ドアを開けることが出来るようになった。


うちはネコちゃんがすり抜けられるよう、部屋と廊下の仕切りのドアを少し開けている。


そのドアを真顔で「ドォン!」と押して開けるので、周りがビックリする。


ちなみに、浴室のドアも「ドォン!」と開けて入ってくるようになった。




IQ1なのに、ちっちゃい脳みそで考えた結果、「ドォン!」が誕生した。すごい。








最後になるが、奇妙なことがあったので記しておく。


みなさんは、年末年始は帰省しましたか?


私は、ば〜ばのお家に行きました。


ば〜ばが90歳のバースデーを迎えたので、ランバンのマフラーをプレゼントしたくて。


妹と一緒に祝うため、日にちを合わせて向かった。





【ば〜ば宅】


妹「おばあちゃん、お鍋の中の木みたいなやつ、何…?」


ば「だ〜し!お出汁よ、鰹節でおだしとってるの!」


妹「あ、ああ…。」


ば「いい出汁出てるでしょ?捨てな!」


妹「…?!」




ーいい出汁出てるでしょ?捨てな!





…捨てな???????( °-° )


出汁とってる意味…?????( °-° )


私と妹は頭にハテナがわいた。




しかし、その後もば〜ばは、だしじるを捨てることを頑なに要求したため、妹はお鍋を持った。


流しにだしじるを捨てながら、妹は、


「ティリリリン、ティリン、リリンリン…。」

※イッテQで不可解なことがあると流れる効果音


と呟いていた。




ここで、即座にイッテQの効果音を発せられるところが、妹のギャグセンの素晴らしさである。





ば〜ばのだしじるは、一体なんの意味があったのだろう…。


娘たちに囲まれながら、未だに理解不能な出来事だったなと、しみじみ思っている現在だ…。

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― 新着の感想 ―
こんにちは。 お、おばあちゃん!? 出汁をとったから、鰹節を捨てろじゃなくて、出汁そのものを捨てろ? な、なぜ……!? そこに味噌を入れれば、美味しい味噌汁が出来るのに~!!
ネコちゃんとコネコちゃんの関係が相変わらずすぎて,ニヤニヤがとまりません(  ̄ー ̄) コネコちゃんはお布団へ,なんですね… 以前いたコは外出猫だったので,外に出たいのにスムーズに出してもらえないとき…
コネコちゃん、うちのIQゼロのフェレットくんとすることがおんなじ!! 会わせてみたいものです(*´艸`*)
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